「ビレッジハウス」という名前の賃貸住宅について、インターネットで検索すると「やめとけ」「後悔した」といった言葉を目にすることがありますよね。家賃が安いと評判ですが、本当に大丈夫なのでしょうか?
もしかしたら、「初期費用が抑えられるなら…」「とりあえず住めればいいかな」と安易に考えている方もいらっしゃるかもしれません。でも、住まいは毎日の生活の基盤となる大切な場所です。
契約してから「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないためにも、今回はビレッジハウスについて、なぜ「やめとけ」と言われることがあるのか、その理由を詳しく、そして分かりやすく解説していきたいと思います。この記事を読めば、ビレッジハウスが自分に合っているのかどうか、冷静に判断できるようになるはずです。
この記事でお伝えしたいこと
- ビレッジハウスの基本的な情報と特徴
- ビレッジハウスを「やめとけ」と言われる具体的な理由
- 入居後に後悔しやすいポイント
- それでもビレッジハウスを検討する場合の注意点
- 後悔しないための物件選びのヒント
ビレッジハウスってどんな住宅?まずは基本を知ろう
まずはじめに、「ビレッジハウス」がどのような住宅なのか、基本的なところからご説明しますね。
ビレッジハウスは、以前「雇用促進住宅」や「勤労者向け賃貸住宅」として使われていた建物を、アメリカの投資会社フォートレス・インベストメント・グループが取得し、リフォームして賃貸住宅として提供しているものです。
全国に1,000棟以上、10万戸以上の物件があると言われていて、その多くは比較的郊外や地方都市に立地しています。最大の魅力は、なんといっても家賃の安さでしょう。
敷金・礼金・仲介手数料・更新料が無料(物件やキャンペーンによる場合あり)という点も、初期費用を抑えたい方にとっては大きなメリットに感じるかもしれませんね。
ビレッジハウスの主な特徴
ビレッジハウスには、一般的な賃貸物件とは少し異なる特徴がいくつかあります。代表的なものを挙げてみましょう。
- 圧倒的な家賃の安さ:月額2万円台からの物件も存在します。
- 初期費用が安い:敷金・礼金・仲介手数料・更新料が無料のことが多いです。
- シンプルな内装:リフォームはされていますが、最新設備というよりは機能性を重視したシンプルなものが多いです。
- 保証人不要プラン:保証会社を利用することで、保証人がいなくても契約できる場合があります。
- DIY可能物件:一部の物件では、入居者が自由にDIYを楽しめるようになっています。

これらの特徴だけを見ると、特に学生さんや新社会人の方、費用をできるだけ抑えたい方にとっては魅力的に映るかもしれません。しかし、なぜ「やめとけ」という声が上がるのでしょうか。次にその理由を詳しく見ていきましょう。
ビレッジハウスはやめた方がいい!見過ごせない7つの理由
ここからは、ビレッジハウスの利用を慎重に考えた方が良い理由、つまり「やめとけ」と言われる具体的なポイントを7つに絞って解説していきます。もちろん、全ての物件や入居者が同じ経験をするわけではありませんが、知っておくべき重要な事柄ばかりです。
【理由1】建物の古さと構造的な問題点が潜んでいる可能性
ビレッジハウスの物件は、もともと雇用促進住宅などとして昭和40年代から50年代頃に建設されたものが多いため、築年数がかなり経過しているケースが一般的です。
リフォームされているとはいえ、建物の基本的な構造や配管などは古いままということも少なくありません。そのため、以下のような問題が発生する可能性が考えられます。
- 断熱性の低さ:冬は寒く、夏は暑くなりやすいことがあります。古い建物だと壁の断熱材が不十分だったり、窓がアルミサッシの一重ガラスだったりすることが多いため、冷暖房の効率が悪く、光熱費がかさむことも。
- 遮音性の問題:壁が薄い構造の場合、隣の部屋の生活音や話し声、上の階の足音などが響きやすいことがあります。これは、入居者同士の騒音トラブルの原因にもなりかねません。
- すきま風や湿気:建物の気密性が低いと、冬場にすきま風が入ってきたり、梅雨時期や結露によって湿気がこもりやすかったりします。カビの発生にもつながるため注意が必要です。
- 耐震性への不安:古い建物の場合、現行の耐震基準を満たしていない可能性もゼロではありません。もちろん、耐震補強工事が行われている物件もありますが、事前に確認しておくことが大切です。
インターネット上の口コミでは、「冬は寒すぎて暖房が効かない」「隣の部屋のテレビの音が丸聞こえでストレスだった」といった声も見受けられます。もちろん、これは物件の状況や個人の感じ方にもよりますが、建物の古さからくる問題は覚悟しておく必要があるかもしれませんね。
古い建物特有の「味」と捉えられる方もいるかもしれませんが、快適な生活を送る上では無視できないデメリットと言えるでしょう。
【理由2】設備の古さや不足、追加費用発生のリスク
家賃が安い分、室内の設備は最新のものではなく、必要最低限という場合が多いです。特に注意したい点をいくつか挙げますね。
- エアコンが未設置または古い:エアコンが設置されていない部屋や、設置されていてもかなり古い型で効きが悪かったり、電気代が高くついたりすることがあります。自分で設置する場合、その費用は自己負担となりますし、退去時に撤去費用がかかることもあります。
- キッチン設備:ガスコンロが設置されていなかったり、給湯器が古かったり、収納が少なかったりすることも。ガスコンロは自分で用意する必要があるかもしれません。
- お風呂・トイレ:バランス釜のお風呂(浴槽の横に給湯器があるタイプ)や、和式トイレの物件もまだ残っていることがあります。追い焚き機能がない、シャワートイレではないなど、現代の一般的な設備に慣れていると不便を感じるかもしれません。
- 洗濯機置き場:室内に洗濯機置き場がなく、ベランダに置くタイプや、そもそも設置スペースが狭いといったケースもあります。
- インターネット環境:光回線が導入されていない、または自分で引き込み工事を手配する必要がある物件もあります。工事費用や月額料金も考慮に入れる必要がありますね。

これらの設備については、内見時にしっかりと確認することが大切です。「家賃が安いから」と妥協した結果、生活の質が著しく低下したり、追加で設備投資が必要になったりするのでは本末転倒ですよね。
特にエアコンは、夏場の熱中症対策や冬場の寒さ対策に不可欠です。未設置の場合の設置費用や、古い場合の電気代などを考慮すると、結果的に家賃の安さのメリットが薄れてしまう可能性も考えておきましょう。
【理由3】初期費用は本当に安い?隠れた費用と退去時の高額請求リスク
「敷金・礼金・仲介手数料ゼロ」は確かに魅力的ですが、それ以外にかかる費用がないわけではありません。契約時には以下のような費用が発生することが一般的です。
- 鍵交換費用:前の入居者が使っていた鍵から新しいものに交換するための費用です。セキュリティ上、ほとんどの場合必須となります。相場は1万5千円~2万円程度です。
- 保証会社利用料:連帯保証人が不要な代わりに、保証会社との契約が必須となる場合が多いです。家賃の0.5ヶ月~1ヶ月分程度が相場で、さらに年間保証料がかかることもあります。
- 火災保険料:万が一の火災や水漏れなどに備えるための保険です。通常、2年間で1万5千円~2万円程度が目安です。
- 清掃費・消毒料:入居前に専門業者によるクリーニングや消毒を行う費用として請求されることがあります。
- 事務手数料・契約手数料:物件や管理会社によっては、これらの名目で数千円~数万円かかる場合があります。
これらの費用を合計すると、家賃の1~2ヶ月分程度の初期費用がかかることは珍しくありません。家賃が安いからといって、トータルの初期費用も格安になるとは限らないのです。
さらに心配なのが、退去時の原状回復費用です。国民生活センターや自治体の消費生活センターには、賃貸住宅の退去費用に関する相談が数多く寄せられています。
ビレッジハウスに限った話ではありませんが、特に古い物件の場合、経年劣化によるものなのか、入居者の過失によるものなのかの判断が難しく、高額な修繕費用を請求されるケースがあるという声も聞かれます。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、経年変化や通常損耗による修繕費用は原則として貸主負担とされていますが、契約書に特約がある場合はそちらが優先されることもあります。契約内容は隅々まで確認し、不明な点は必ず質問するようにしましょう。
実際にあった声として、このようなものがあります。
「退去時に、入居時にはなかった傷や汚れを指摘され、敷金が戻ってこないどころか追加で数十万円請求された。納得がいかなかったが、言われるがまま支払ってしまった。」(個人のブログより)
もちろん、これは一部のケースかもしれませんが、退去時のトラブルは精神的にも金銭的にも大きな負担となります。入居時の部屋の状態を写真や動画で記録しておく、契約書をしっかり読み込むなどの対策が重要です。
【理由4】管理体制への不満と住民トラブルの可能性
ビレッジハウスは全国に多数の物件を抱えているため、管理が行き届きにくいという側面があるかもしれません。
インターネット上の口コミなどでは、以下のような管理体制への不満の声が見られることがあります。
- 問い合わせへの対応が遅い:設備の故障やトラブル発生時に連絡しても、なかなか対応してもらえない、返答が遅いといったケースです。
- 共用部分の清掃や管理が不十分:廊下や階段、ゴミ置き場などが汚れていたり、放置自転車が多かったりするなど、管理が行き届いていないと感じる場合があるようです。
- 担当者の対応にばらつきがある:親切に対応してくれる担当者もいれば、そうでない担当者もいるという声も。これはどの管理会社にも言えることかもしれませんが、不安要素ではありますね。
また、ビレッジハウスは比較的入居審査が緩やかと言われることもあり、様々なライフスタイルやバックグラウンドを持つ人々が暮らしています。それは多様性という面では良いことですが、一方で以下のような住民トラブルが発生しやすい環境とも言えるかもしれません。
- 騒音問題:前述の建物の遮音性の低さも相まって、生活音(足音、話し声、音楽、テレビの音など)が原因でトラブルになることがあります。
- ゴミ出しルールの不徹底:分別ルールが守られない、指定日以外にゴミが出される、ゴミ置き場が荒らされるといった問題です。
- 共用スペースの私物化:廊下や階段に自転車や個人の荷物を置く人がいて、通行の妨げになったり、景観を損ねたりするケースです。
- 外国籍の入居者との文化・習慣の違い:ビレッジハウスには外国籍の入居者も多く住んでいると言われています。言語や文化、生活習慣の違いから、意図せずとも誤解や摩擦が生じる可能性も考慮しておく必要があるかもしれません。これは差別的な意図ではなく、多様な人々が暮らす環境における留意点として捉えてくださいね。

もちろん、全てのビレッジハウスでこのような問題が起きているわけではありませんし、良好なコミュニティが形成されている物件もたくさんあるはずです。しかし、集団生活である以上、ある程度のトラブルは覚悟しておく必要があるでしょう。
【理由5】立地条件と周辺環境の不便さ
ビレッジハウスの物件は、もともと企業の従業員向けに建てられたものが多いため、必ずしも利便性の高い場所に立地しているとは限りません。
以下のような点を事前に確認しておくことが重要です。
- 駅からの距離:最寄り駅から徒歩20分以上かかる、バス便のみといった物件も少なくありません。毎日の通勤・通学を考えると、これは大きな負担になる可能性があります。
- 買い物の利便性:スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどが近くにない場合、日々の買い物が不便になります。特に車を持っていない方にとっては死活問題ですよね。
- 医療機関や公共施設へのアクセス:病院や役所、銀行などが遠いと、いざという時に困ることがあります。
- 周辺の治安:物件によっては、夜道が暗かったり、人通りが少なかったりするエリアにあることも。特に女性の一人暮らしや、お子さんがいるご家庭では、治安面はしっかりと確認したいポイントです。
家賃が安いのは、こうした立地条件が反映されているからかもしれません。都心部や駅近の便利な物件は、やはりそれなりに家賃が高くなるのが一般的ですからね。自分のライフスタイルや通勤・通学の手段と照らし合わせて、許容できる範囲かどうかを慎重に判断する必要があります。
「家賃が安いから多少不便でも我慢できる」と思っていても、日々の積み重ねでストレスが大きくなることもあります。特に車を持っていない学生さんや新社会人の方は要注意です。
【理由6】契約内容の複雑さと短期解約時の違約金リスク
賃貸契約は専門用語も多く、内容を完全に理解するのは難しいものです。ビレッジハウスの契約においても、特に注意しておきたい点がいくつかあります。
- 短期解約違約金:一定期間内(例えば1年未満や2年未満など)に解約した場合、違約金が発生する特約が付いていることがあります。「とりあえず短期間だけ住むつもり」と考えている方は、この違約金の有無と金額を必ず確認しましょう。家賃1~2ヶ月分が相場ですが、物件によってはそれ以上の場合もあります。
- 更新料の有無と条件:多くのビレッジハウスでは更新料無料を謳っていますが、念のため契約書で確認しておきましょう。また、更新時の手続きや条件なども把握しておくことが大切です。
- 特約事項の確認:原状回復に関する特約や、禁止事項(ペット飼育、楽器演奏など)など、細かく定められている場合があります。自分のライフスタイルに合わない条件がないか、隅々まで目を通しましょう。
- 保証会社の契約内容:保証会社を利用する場合、その契約内容(保証範囲、保証料の支払い方法、更新料など)もしっかりと確認しておく必要があります。
契約書は細かい文字で書かれていることが多いですが、署名・捺印するということは、その内容に同意したということになります。後で「知らなかった」「聞いていない」では済まされないこともありますので、不明な点や疑問点は契約前に必ず担当者に質問し、納得できるまで説明を求めるようにしてくださいね。
特に、退去時の原状回復については、どの程度の負担が入居者側になるのか、具体的な例を挙げてもらうなどして、認識のズレがないようにしておくことがトラブル防止につながります。
【理由7】住んでみないと分からない「雰囲気」の問題
これはビレッジハウスに限ったことではありませんが、物件情報や内見だけでは分からないのが、その物件や地域の「雰囲気」です。
- 住民層との相性:どんな人が多く住んでいるのか(学生、ファミリー、高齢者、外国籍の方など)によって、生活リズムや価値観が異なる場合があります。自分とあまりにもかけ離れた住民層だと、馴染めなかったり、居心地の悪さを感じたりするかもしれません。
- 地域の雰囲気:活気がある地域なのか、静かで落ち着いた地域なのか。夜はどのような雰囲気なのか。実際に住んでみないと分からない部分は多いですが、内見の際に物件の周りを歩いてみたり、時間帯を変えて訪れてみたりするのも良いかもしれませんね。
- 「安かろう悪かろう」を許容できるか:家賃が安いことには、それなりの理由がある場合が多いです。建物の古さ、設備の簡素さ、立地の不便さなど、どこまでを許容できるかは人それぞれです。しかし、あまりにも多くの点を我慢しなければならないとなると、日々の生活でストレスが溜まってしまう可能性があります。
インターネット上の口コミでは、
「家賃の安さに惹かれて契約したが、住民のマナーが悪く、夜も騒がしくて落ち着いて暮らせなかった。すぐに引っ越したくても短期解約違約金が高くて…。」(不動産口コミサイトより)
といった声も見られます。もちろん、これはあくまで個人の感想であり、全てのビレッジハウスに当てはまるわけではありません。しかし、家賃だけで物件を選んでしまうと、後で後悔する可能性があることは心に留めておきましょう。
住まいは、心身を休める大切な場所です。自分にとって何が重要で、何が妥協できるのかを事前にしっかりと考えることが、後悔しない物件選びの第一歩と言えるでしょう。
それでもビレッジハウスに住むなら?後悔しないためのチェックポイント
ここまでビレッジハウスの注意点を中心にお伝えしてきましたが、「それでも家賃の安さは魅力的だし、検討してみたい」という方もいらっしゃるかもしれません。もしビレッジハウスを選ぶのであれば、後悔する可能性を少しでも減らすために、以下の点をしっかりと確認・実行することをおすすめします。
【対策1】徹底的な内見と周辺環境の確認
これは基本中の基本ですが、必ず複数の物件を実際に内見しましょう。写真や間取り図だけでは分からないことがたくさんあります。
- 部屋の隅々までチェック:日当たり、風通し、壁や床の傷や汚れ、水回りの状態(水漏れ、臭い、カビなど)、収納の広さ、コンセントの位置や数などを細かく確認します。
- 建物の共用部分も確認:廊下、階段、エレベーター(あれば)、ゴミ置き場、駐輪場などが清潔に保たれているか、管理が行き届いているかを見ます。掲示板にトラブルに関する貼り紙がないかなどもチェックポイントです。
- 音の確認:可能であれば、平日と休日、昼と夜など、時間帯を変えて訪問し、周囲の音環境(騒音、生活音)を確認できると理想的です。壁を軽く叩いてみて、音の響き具合を確認するのも一つの方法です。
- 周辺環境の確認:最寄り駅やバス停からの実際の距離、道のりの安全性(街灯の有無、人通りなど)、スーパーやコンビニ、病院などの生活利便施設の場所を自分の足で歩いて確認しましょう。
- ハザードマップの確認:洪水や土砂災害などのリスクがないか、自治体が公表しているハザードマップで確認しておくことも大切です。
内見時にはメジャーを持参し、家具や家電を置くスペースの寸法を測っておくと、入居後のレイアウトを考える際に役立ちますよ。また、気になる点があれば、遠慮なく担当者に質問しましょう。
【対策2】契約条件の細部までの確認と交渉
契約書は、法的な拘束力を持つ重要な書類です。内容を理解しないままサインするのは絶対に避けましょう。
- 契約期間と更新条件:契約期間は何年か、更新料はかかるのか、更新手続きはどうなるのかを確認します。
- 短期解約違約金:いつからいつまでの解約で、いくらの違約金が発生するのかを明確に把握します。
- 原状回復の範囲と費用負担:どこまでが入居者の負担になるのか、国土交通省のガイドラインとの整合性はどうか、特約がある場合はその内容をしっかり理解します。入居時の部屋の状態を写真や動画で詳細に記録し、退去時のトラブルに備えましょう。
- 禁止事項・制限事項:ペット飼育、楽器演奏、DIYの範囲など、自分のライフスタイルに関わる制限がないか確認します。
- 家賃以外の費用:共益費や管理費、駐車場代、町内会費など、毎月かかる費用を全て把握します。
- 交渉の余地:家賃や初期費用、設備(エアコン設置など)について、ダメ元でも交渉してみる価値はあります。特に空室期間が長い物件などは、応じてもらえる可能性もゼロではありません。
もし契約内容に少しでも不安や疑問があれば、消費者センターや弁護士などの専門家に相談することも検討しましょう。
【対策3】入居後のトラブル対策を事前に考えておく
どんな賃貸住宅でも、住んでみないと分からないトラブルは起こり得ます。事前にある程度の心構えと対策を考えておくと、いざという時に冷静に対応できます。
- 騒音対策:もし自分が音に敏感なタイプなら、最上階や角部屋を選ぶ、防音カーテンやカーペットを利用するなどの対策を検討します。逆に、自分が音を出す側(小さなお子さんがいるなど)であれば、床に防音マットを敷くなどの配慮が必要です。
- 近隣住民とのコミュニケーション:挨拶程度のコミュニケーションは、良好な関係を築く第一歩です。ただし、深入りしすぎない適度な距離感を保つことも大切ですね。
- 管理会社との連携:設備の故障やトラブルが発生した場合は、速やかに管理会社に連絡し、対応を依頼しましょう。連絡した日時や内容、担当者名を記録しておくと、後々の確認に役立ちます。
- 相談窓口の把握:万が一、悪質なトラブルに巻き込まれた場合に備えて、消費者センターや国民生活センター、法テラスなどの相談窓口を調べておくと安心です。
特にビレッジハウスの場合、良くも悪くも様々な人が住んでいる可能性があります。ある程度の「多様性」を受け入れる寛容さも必要かもしれませんが、自分の生活が脅かされるような場合は、毅然とした対応が求められます。
【対策4】複数の選択肢と比較検討する
ビレッジハウスだけに絞らず、他の賃貸物件(UR賃貸住宅、一般の民間賃貸、公営住宅など)と比較検討することを強くおすすめします。
それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自分の予算やライフスタイル、優先順位に最も合う物件を選ぶことが大切です。
住宅の種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
ビレッジハウス | 家賃が安い場合が多い 初期費用が抑えられる場合がある | 建物が古い、設備が簡素な場合がある 管理体制や住民トラブルの懸念 |
UR賃貸住宅 | 礼金・仲介手数料・更新料・保証人不要 比較的良質な物件が多い | 家賃はビレッジハウスより高め 入居資格に収入基準などがある |
一般の民間賃貸 | 物件数が豊富で選択肢が多い 新築や築浅、設備充実物件も選べる | 敷金・礼金・仲介手数料・更新料がかかることが多い 家賃は様々 |
公営住宅 | 家賃が非常に安い | 入居資格が厳しい(収入制限など) 抽選になることが多く入居が難しい |
このように、それぞれに特徴があります。家賃の安さだけで飛びつかず、トータルで見て自分にとって最適な選択肢は何かをじっくり考えてみましょう。
不動産情報サイトなどを活用して、同じエリアや似たような条件の物件の家賃相場を調べてみるのも良いですね。そうすることで、ビレッジハウスの家賃が本当に「お得」なのか、客観的に判断できるはずです。
まとめ:ビレッジハウスをやめた方がいい理由の総括と賢い選択
今回は、ビレッジハウスについて「やめとけ」と言われる理由や、それでも検討する場合の注意点について詳しくお話ししてきました。最後に、この記事のポイントをまとめておきますね。
ビレッジハウス検討時の重要ポイント
- 建物の古さと設備:築年数が古い物件が多く、断熱性・遮音性や設備の古さが快適性に影響する可能性があります。エアコン未設置などの場合、追加費用も考慮しましょう。
- 費用面:初期費用は「ゼロ」とは限らず、鍵交換代や保証料などがかかります。また、退去時の原状回復費用が高額になるリスクも念頭に置く必要があります。
- 管理と住環境:管理会社の対応や共用部分の状況、住民間のトラブルの可能性も考慮が必要です。特に騒音問題はよく聞かれる点です。
- 立地と利便性:駅から遠い、周辺施設が少ないなど、利便性が低い物件もあります。自分の生活スタイルに合うか確認が不可欠です。
- 契約内容:短期解約違約金や原状回復に関する特約など、契約書の内容は隅々まで確認し、理解することが重要です。
- 雰囲気と相性:内見だけでは分からない住民層や地域の雰囲気も、住み心地を左右する大切な要素です。
- 比較検討:ビレッジハウス以外の選択肢(UR賃貸、一般賃貸など)ともしっかり比較し、総合的に判断しましょう。
ビレッジハウスは、家賃の安さという大きな魅力がある一方で、ご紹介したような注意点も確かに存在します。これらの情報を知った上で、ご自身の状況や価値観と照らし合わせ、慎重に判断することが何よりも大切です。
「安いから」という理由だけで安易に飛びつかず、内見をしっかり行い、契約内容を吟味し、他の選択肢とも比較検討する。そうすれば、後で「こんなはずじゃなかった…」と後悔する可能性をぐっと減らすことができるはずです。
この記事が、皆さんの賢い住まい選びの一助となれば、私もとても嬉しいです。快適で安心できる新生活を送るために、じっくりと考えて、最良の選択をしてくださいね。