こんにちは。就職活動、本当にお疲れ様です。人生の大きな岐路に立つ皆さんにとって、この期間は希望と不安が入り混じる時期ですよね。
そんな就職活動をスムーズに進めるために、「就活エージェント」の利用を検討している方もいらっしゃるかもしれません。「履歴書の添削もしてくれるし、非公開求人も紹介してもらえるらしいし、なんだか便利そう!」と、心強く感じている方もいるかもしれませんね。
でも、インターネットで「就活エージェント」と検索すると、「やめとけ」「後悔」「使わない方がいい」といった、少し気になる言葉が一緒に表示されることがあります。これは一体、どういうことなのでしょうか?この記事では、就活エージェントのメリットの裏に隠されたリアルな落とし穴と、「やめとけ」と言われる具体的な理由を、あなたの就職活動が失敗しないように、心を込めて丁寧に解説していきます。
この記事でお伝えしたいこと
- 就活エージェントとは?そのサービス内容と仕組み
- なぜ就活エージェントは「やめとけ」と言われるのか?7つの具体的な理由
- それでも就活エージェントを利用する場合に、どうすれば後悔しないか
- 就活エージェントとの賢い付き合い方を総括
就活エージェントとは?その仕組みと知られざる裏側
まず、「就活エージェント」がどのようなサービスを提供しているのか、基本的なところからご説明しますね。仕組みを理解しておけば、利用する際の注意点も見えてくるはずです。
就活エージェントの基本的なサービス内容
就活エージェントとは、求職者(皆さん)と企業の間を取り持ち、就職・転職をサポートするサービスのことです。主に以下のようなサポートを提供してくれます。
- キャリアカウンセリング:あなたの希望や適性をヒアリングし、キャリアの方向性を一緒に考えてくれます。
- 求人紹介:あなたの希望に合った企業の求人を紹介してくれます。中には、一般には公開されていない「非公開求人」も含まれることがあります。
- 応募書類の添削:履歴書やエントリーシートの添削を行い、より魅力的な書類作成をサポートしてくれます。
- 面接対策:模擬面接を行ったり、企業ごとの面接の傾向や対策を教えてくれたりします。
- 企業との連絡代行:面接日程の調整や、内定後の条件交渉などを、エージェントが企業と皆さんの間に入って行ってくれます。
これらのサービスは、基本的に「無料」で利用できるのが大きな特徴です。なぜ無料なのかというと、皆さんが企業に入社が決まった際に、企業からエージェントに「紹介手数料」が支払われる仕組みになっているからなんです。

なぜ就活エージェントは魅力的に見えるのか
就職活動を進める中で、多くの学生さんが就活エージェントに魅力を感じるのは、主に次のような理由からだと思います。
- 効率的な就活:自分で求人を探す手間が省け、非公開求人にも出会える可能性があるため、効率的に就活を進められると期待されます。
- プロのサポート:履歴書添削や面接対策など、就活のプロからアドバイスをもらえるため、選考突破の確率が上がると感じられます。
- 精神的な支え:就活は孤独な戦いになりがちですが、エージェントが伴走してくれることで、精神的な支えになると感じる人もいます。
- 情報収集の代行:企業の内情や選考のポイントなど、個人では得にくい情報を教えてもらえると期待されます。
こうして見ると、たしかに「使わない手はない!」と思えるほど、メリットばかりに見えますよね。しかし、これらのメリットが、実はデメリットと表裏一体の関係にあるということを、この先で詳しくお話ししていきたいと思います。
就活エージェントはやめた方がいい!勧められない7つの理由
ここからがこの記事の本題です。なぜ、便利に見える就活エージェントが「やめとけ」とまで言われてしまうのでしょうか。その理由を7つに分けて、詳しく見ていきましょう。利用後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、ぜひ知っておいてほしい現実です。
【理由①】紹介される求人が偏りがちで、本当に合う企業が見つからない
就活エージェントが無料でサービスを提供できるのは、皆さんが企業に入社した際に、企業から紹介料をもらう仕組みになっているからだとお話ししましたね。つまり、エージェントにとっての「お客様」は、実は求職者である皆さんではなく、紹介料を支払ってくれる「企業」なんです。
この仕組みの弊害として、エージェントが紹介する求人は、どうしても「エージェントにとって紹介料が高い企業」や「求人の充足を急いでいる企業」に偏りがちになります。皆さんの適性や希望よりも、エージェント側の都合が優先されてしまうことがあるんです。
- 提携企業からの紹介が中心:エージェントが提携している企業(つまり、紹介料を払ってくれる企業)の求人しか紹介されません。世の中には、エージェントを通さずに採用活動をしている優良企業もたくさんあります。
- 不人気・採用難易度の高い企業の求人:なかなか人が集まらない企業や、急な欠員が出た企業など、エージェントが優先的に紹介したい求人が出てくることがあります。それが必ずしも皆さんに合うとは限りません。
- 大量採用の企業:多くの学生を一度に採用したい企業が、エージェントにまとめて依頼しているケースもあります。ここでも、個々の適性よりも「頭数」が優先されてしまうかもしれません。
「こんな会社、自分では絶対探さないな…」と思うような求人ばかり紹介されて、不信感を抱く学生さんは少なくありません。結果的に、本当に自分に合った企業との出会いを逃してしまう可能性もあるんです。

【理由②】エージェントの質にバラつきがあり、担当者ガチャに失敗するリスク
就活エージェントと一言で言っても、担当者によってその質は大きく異なります。キャリアカウンセラーとしての経験や知識、業界への精通度、そして何よりも、あなたの話に真摯に耳を傾けてくれるかどうかに、大きな差があるんです。
- 経験不足の担当者:入社したばかりで就活に関する知識が浅かったり、業界のトレンドに疎かったりする担当者にあたってしまうと、的外れなアドバイスしか得られないことがあります。
- ノルマ優先の担当者:エージェントもビジネスですから、担当者には「何人内定を決めさせるか」というノルマが課されています。このノルマ達成を優先し、皆さんの意向を無視して強引に企業を勧めたり、選考を急かしたりする担当者も残念ながらいるんです。
- 相性の問題:たとえ知識や経験が豊富でも、人としての相性が合わないこともあります。話し方や考え方が合わないと、信頼関係を築くのが難しく、ストレスになってしまいますよね。
「僕が担当してもらったエージェントは、毎回同じようなテンプレ求人ばかり紹介してきて、僕の希望を全然聞いてくれませんでした。面接対策も『頑張ってください』の一言だけで、正直何のために使っているのか分からなかったです。担当を変えてもらうのも面倒で、結局途中で利用をやめました。」(大学生 Bさん)
これはまさに「担当者ガチャ」と呼ばれる現象で、あなたにとって良い担当者に出会えるかどうかは、運に左右される部分も大きいんです。質の低い担当者にあたってしまうと、時間も労力も無駄にしてしまうことになりかねません。
【理由③】企業とエージェントの「利害関係」があなたの利益と反することも
先ほどお話ししたように、エージェントは企業から紹介料をもらうことで成り立っています。この構造が、時に皆さんの利益と相反する形で働くことがあるんです。
- 短期離職へのプレッシャー:企業からエージェントへの紹介料は、入社した人が一定期間(例えば半年や1年)在籍した場合に支払われる、という契約になっていることがあります。そのため、エージェントは皆さんを「内定を取らせること」よりも「企業に確実に入社させ、定着させること」を重視する傾向があります。
- 情報操作の可能性:企業の良い面だけを強調し、残業の多さや人間関係の難しさなど、入社後に苦労する可能性のある情報をあえて伝えない、というケースも残念ながらゼロではありません。
- 選択肢の制限:複数の企業から内定をもらった際、「うちが紹介した企業に行ってほしい」という意図から、他の企業の悪口を言ったり、無理に説得したりすることがあるかもしれません。
エージェントは、あくまでも企業の採用活動をサポートする立場であることを忘れてはいけません。彼らのゴールは「あなたが希望する企業に入社すること」ではなく、「企業が求める人材をマッチングし、紹介料を得ること」にある、という認識を持つことが大切です。
彼らの言葉を鵜呑みにせず、常に冷静な判断を心がける必要がありますよ。

【理由④】依存しすぎて「自分で考える力」が育たず、後々苦労する
就活エージェントは、様々な面でサポートしてくれます。しかし、そのサポートに頼りすぎると、就職活動において最も大切な「自分で考える力」が育たなくなってしまうリスクがあるんです。
- 自己分析の不足:エージェントに「あなたにはこれが向いている」と言われたからと、自分で深く自己分析せずに企業選びを進めてしまう。
- 企業研究の不足:エージェントから聞かされた情報だけで満足し、自分で企業のウェブサイトやIR情報、ニュースなどを調べようとしない。
- 応募書類の丸投げ:添削してもらうのが目的になり、自分で文章を考えて試行錯誤する機会を失う。
- 面接での受け身:エージェントが教えてくれた「模範解答」を丸暗記するだけで、自分の言葉で話す練習をしない。
就職活動は、単に内定を獲得するための期間ではありません。それは、社会人として自立するための「訓練期間」でもあります。自分で情報を取りに行き、分析し、考え、行動する。このプロセスを通じて、問題解決能力や主体性といった、社会で役立つ基礎能力が培われるんです。
エージェントに依存しすぎると、この大切な成長の機会を失ってしまうかもしれません。結果的に、入社後も自分で考えて行動することが苦手になり、仕事で苦労してしまう…なんてことにも繋がりかねませんよ。
【理由⑤】選考フローや対策が画一的で、個性に合わないこともある
就活エージェントは、多くの学生を相手にサービスを提供しています。そのため、どうしても選考フローや対策のアドバイスが、「一般的な型」にはまった画一的なものになりがちです。
例えば、
- 「履歴書はこう書くべき」
- 「面接ではこういう質問が来るから、こう答えるべき」
- 「自己PRは〇〇、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)は△△で話すべき」
といった、マニュアル通りのアドバイスしか得られないことがあります。しかし、皆さんは一人ひとり違う個性や経験を持っていますよね。その個性を最大限に活かすためには、画一的な対策では不十分な場合が多いんです。
「エージェントの言われた通りにESを書いて、面接でも『模範解答』を話していました。でも、なんか自分らしくないな、って違和感があったんです。結局、自分を偽っているようで、どこにも内定が決まらなくて…。もっと自分の言葉で、自分の強みをアピールすればよかったって後悔しています。」(大学生 Dさん)
特に、個性や独創性を重視する企業や業界を目指す場合、エージェントの画一的な対策は、かえって皆さんの魅力を半減させてしまう可能性もあります。型にはまった人材よりも、「あなたらしさ」が伝わる方が、企業は魅力を感じるものですからね。
【理由⑥】内定獲得を急かされ、納得のいく決断ができないプレッシャー
エージェントのビジネスモデルを思い出してください。皆さんが企業に入社して初めて、彼らは紹介料を得られます。そのため、彼らにとって最も重要なのは、「内定を獲得させること」そして「内定承諾をさせること」なんです。
そのため、皆さんが複数の企業から内定をもらった際や、選考に時間がかかっている際に、「今すぐ決断してください」「このチャンスを逃さないでください」と、内定承諾を強く急かされることがあります。
- 「〇〇社は人気企業だから、迷っていると他の人に取られちゃいますよ!」
- 「この条件で内定が出たのは奇跡ですよ!」
- 「早く決めてくれないと、企業側も待てませんよ」
このような言葉で、冷静な判断ができないほど精神的に追い詰められてしまう学生さんもいます。じっくり考える時間もないまま、流されるままに承諾してしまい、後から「本当にこの会社で良かったのかな…」と後悔するケースが後を絶ちません。
「この会社だ!」と心から納得して入社しないと、入社後に必ず後悔することになります。エージェントの言葉に惑わされず、自分のペースで、自分の意思で決断することが何よりも大切なんです。

【理由⑦】ミスマッチな企業への入社で、短期離職に繋がるリスク
これまでの理由を総合すると、最終的に最も恐ろしいのがこのリスクです。エージェントの都合や画一的なサポート、あるいは急かされた結果、本当に自分に合っていない企業に入社してしまうことです。
- 企業文化との不一致:入社してみたら、想像していた雰囲気と全く違った。
- 業務内容のギャップ:「こんな仕事がしたかったわけじゃない」と感じる。
- 人間関係のトラブル:エージェントからは聞かされなかった社内の人間関係に苦しむ。
- 過重労働:「残業は少ない」と言われたのに、実際は毎日深夜まで働かされる。
こうしたミスマッチは、精神的なストレスだけでなく、身体的な健康にも悪影響を及ぼし、最終的に「短期離職」へと繋がってしまうことが多いんです。
厚生労働省のデータによると、新規学卒就職者の3年以内の離職率は、高卒で約36%、大卒で約31%となっています。(出典:厚生労働省 新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者の状況)を公表します)この中には、就活エージェントを利用したことによるミスマッチも少なからず含まれていると考えられます。
短期離職は、あなたの職務経歴に傷をつけ、次の転職活動を不利にしてしまう可能性があります。「時間をかけて就活したのに、結局失敗した」という後悔は、非常に大きなものとなるでしょう。就活エージェントは、皆さんの人生を左右する大きな選択だからこそ、慎重な判断が求められるのです。
それでも就活エージェントを利用するなら|後悔しないための心構え
ここまで、就活エージェントの利用における厳しい現実をたくさんお話ししてきました。もしかしたら、利用をためらってしまった方もいらっしゃるかもしれませんね。
ですが、もし、これらの困難を理解した上で、それでも「就活エージェントの力を借りたい」という強い意志があるのなら、その選択も尊重すべきものだと思います。そんなあなたが後悔しないために、ぜひ心に留めておいてほしいことを3つお伝えします。

【心構え①】「エージェントに依存しない」という強い意志を持つ
エージェントはあくまで「サポート役」です。就職活動の主役は、皆さん自身であることを決して忘れないでください。
エージェントの言葉やアドバイスは、あくまで一つの「参考情報」として受け止め、鵜呑みにしないようにしましょう。「これは本当に自分にとって良いことなのかな?」と、常に立ち止まって考える習慣をつけることが大切です。
紹介された求人にも、自分で積極的に情報を取りに行き、深く企業研究をしてください。彼らはあくまでビジネスなので、彼らの利益と皆さんの利益が完全に一致するとは限らない、という冷静な視点を持つことが、後悔しないための第一歩です。
【心構え②】複数のエージェントを「使い分ける」意識を持つ
「担当者ガチャ」のリスクを回避し、より多くの情報を得るためには、複数の就活エージェントに登録し、それぞれの良いところを使い分けるのが賢明です。
- A社はキャリアカウンセリングが丁寧、B社は非公開求人が豊富、C社は面接対策に強みがある…というように、それぞれのエージェントの得意分野を見極めましょう。
- 担当者との相性が合わないと感じたら、遠慮なく担当変更を申し出る、あるいは他のエージェントに切り替える勇気も必要です。
- 複数のエージェントから情報を得ることで、一つのエージェントだけでは知り得なかった企業に出会えたり、偏った情報に惑わされにくくなったりします。
ただし、複数のエージェントを利用する場合は、同じ企業に重複して応募してしまわないよう、しっかりと管理することが重要です。この使い分けの意識こそが、就活を成功させる鍵なんです。
【心構え③】「自己分析」と「企業研究」は自分自身で徹底する
エージェントが提供するサポートは便利ですが、「自己分析」と「企業研究」だけは、誰にも任せず、自分自身で徹底的に行うようにしてください。これが、ミスマッチを防ぎ、本当に納得のいく就職を実現するための土台となります。
- 自己分析:自分の強み、弱み、興味のあること、嫌なこと、将来どうなりたいか…などを深く掘り下げましょう。エージェントのカウンセリングを受ける前に、自分なりの答えを持っておくことが大切です。
- 企業研究:紹介された企業だけでなく、興味のある企業については、自分で企業のウェブサイト、IR情報、ニュースリリース、SNSなど、あらゆる情報源を駆使して深く調べましょう。実際にその企業の社員に話を聞く機会があれば、積極的に参加することもおすすめです。
「自分で考える力」を養う期間だと捉え、主体的に就職活動を進めることで、エージェントはあくまでその努力を加速させる「ツール」として、最大限に活用することができるはずです。
就活エージェントの利用はやめとけと言われる理由の総括
今回は、就活エージェントというサービスについて、そのメリットの裏にある厳しい現実と、「やめとけ」と言われる理由を詳しく解説させていただきました。
就活エージェントの利用を安易に勧めることができない理由のまとめ
- 理由①:エージェント側の利益優先で、紹介される求人が偏りがちであり、本当に自分に合った企業と出会えない可能性があるから。
- 理由②:担当者の経験や知識、相性に大きなバラつきがあり、質の低い担当者にあたると、時間や労力を無駄にするリスクがあるから。
- 理由③:企業とエージェントの「紹介料」という利害関係が、時に皆さんの利益と相反し、情報操作や選択肢の制限に繋がることがあるから。
- 理由④:サポートに依存しすぎると、「自分で考えて行動する力」が育たず、社会人になってから苦労する原因になるから。
- 理由⑤:選考対策やアドバイスが一般的な型にはまりがちで、皆さんの個性や強みを十分に活かせないことがあるから。
- 理由⑥:内定獲得や承諾を急かされるプレッシャーに晒され、じっくり検討する時間もなく、納得のいく決断ができない可能性があるから。
- 理由⑦:ミスマッチな企業への入社に繋がりやすく、早期離職してしまうことで、その後のキャリアに悪影響を及ぼすリスクがあるから。
就活エージェントは、確かに忙しい就職活動において、皆さんの負担を軽減し、効率を高めてくれる可能性のあるサービスです。
しかし、「これを使えば必ず成功する」という魔法のようなツールではありません。むしろ、その仕組みを理解し、賢く利用しなければ、かえって就職活動を遠回りさせたり、後悔する結果を招いたりするリスクがあることも事実です。
この記事が、あなたが就活エージェントとの付き合い方を冷静に見つめ直し、後悔のない、最良の選択をするための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。あなたの就職活動が、実り多く、輝かしいものになりますように。