最近、健康や美容に関心のある方々の間で「ピラティス」がとても人気ですよね。しなやかで美しい身体づくりや、心身のバランスを整える効果が期待できるとあって、多くの方がスタジオに通ったり、オンラインで楽しまれたりしています。
そして、ピラティスの魅力に触れるうちに、「私もピラティスインストラクターになりたい!」と憧れを抱く方も少なくないのではないでしょうか。でも、インターネットで検索すると「ピラティス インストラクター やめとけ」「後悔した」なんて言葉も目にすることがあって、少し不安になりますよね。
今回は、ピラティスインストラクターというお仕事について、なぜ「やめとけ」と言われることがあるのか、その理由を詳しく、そして分かりやすく解説していきたいと思います。この記事を読めば、憧れだけでは見えない現実や、後悔しやすいポイントが分かり、ご自身が本当に目指すべき道なのか、冷静に考えるきっかけになるはずです。
この記事でお伝えしたいこと
- ピラティスインストラクターの基本的なお仕事内容とその魅力
- ピラティスインストラクターを目指すことを「やめた方がいい」と言われる7つの具体的な理由
- 資格取得にかかる高額な費用と時間、そしてその後の厳しい現実
- それでもピラティスインストラクターを目指したい場合の心構えと具体的な対策
- 後悔しないためのキャリア選択のヒントと、ご自身の適性を見極める大切さ
ピラティスインストラクターってどんなお仕事?概要と魅力
まずはじめに、ピラティスインストラクターがどんなお仕事なのか、基本的なところからご説明しますね。ピラティスそのものについても少し触れておきましょう。
ピラティスとは?その効果と人気の背景
ピラティスは、20世紀初頭にドイツ人のジョセフ・H・ピラティスさんという方が考案したエクササイズメソッドなんです。もともとは、第一次世界大戦で負傷した兵士のリハビリテーションのために開発されたものなんですよ。
呼吸法を意識しながら、主に体幹(コア)の筋肉を鍛え、身体の柔軟性やバランス能力を高めることを目的としています。ピラティスを行うことで、具体的には次のような効果が期待できると言われています。
- 姿勢の改善:背骨や骨盤の位置を整え、美しい姿勢へと導きます。
- 肩こりや腰痛の緩和:インナーマッスルを強化し、身体の歪みを改善することで、慢性的な不調の軽減が期待できます。
- しなやかな身体づくり:筋肉をバランス良く鍛えるため、引き締まった、かつ柔軟性のある身体を目指せます。
- 集中力アップとストレス軽減:深い呼吸と動きへの集中は、精神的な安定にもつながると言われています。
最近では、健康志向の高まりや、モデルさんやアスリートの方々が実践していることなどから、幅広い年代の方に支持されるようになりました。特に、身体への負担が少なく、自分のペースで続けられる点が人気の理由かもしれませんね。
ピラティスインストラクターの仕事内容
では、ピラティスインストラクターは具体的にどんなお仕事をしているのでしょうか。主な内容は以下の通りです。
- グループレッスンの指導:複数名の生徒さんに対して、マットピラティスや専用マシンを使ったピラティスのレッスンを行います。
- プライベートレッスンの指導:マンツーマンで、個々の目的や身体の状態に合わせたオーダーメイドの指導を行います。
- レッスン準備:レッスンの流れ(シークエンス)を考えたり、使用する音楽を選んだり、教材を準備したりします。
- 顧客管理とカウンセリング:生徒さんの進捗状況を把握し、目標達成のためのアドバイスやカウンセリングを行います。
- スタジオ運営業務:スタジオによっては、清掃、受付、電話応対、集客のためのSNS更新やイベント企画なども担当することがあります。
- 自己研鑽:常に新しい知識や技術を学ぶため、研修会やワークショップに参加したり、関連書籍を読んだりします。

ただ単にエクササイズを教えるだけでなく、生徒さん一人ひとりと向き合い、心身両面からサポートする、とても奥の深いお仕事なんですね。
ピラティスインストラクターの魅力とやりがい
ピラティスインストラクターのお仕事には、大変な面もありますが、もちろん大きな魅力ややりがいもあります。
- 人の健康や美をサポートできる喜び:生徒さんの姿勢が良くなったり、痛みが改善されたり、「ありがとう」と感謝されたりした時には、大きな達成感を感じられます。
- 自分自身の成長:解剖学や運動生理学などの専門知識を深め、指導スキルを磨くことで、自分自身も成長できます。
- 自分自身の健康・美容意識の向上:常に人に見られる立場であるため、自然と自分自身の健康管理や体型維持への意識も高まります。
- 働き方の柔軟性:スタジオに正社員として勤務するだけでなく、フリーランスとして独立したり、業務委託で複数のスタジオを掛け持ちしたりと、比較的自由な働き方を選べる可能性があります。
このように、人の役に立てる実感や自己成長、そしてライフスタイルに合わせた働き方ができる点は、ピラティスインストラクターの大きな魅力と言えるでしょう。でも、この魅力的な側面の裏には、厳しい現実も隠れていることがあるんです。
ピラティスインストラクターはやめた方がいい!後悔する7つの理由
ここからは、ピラティスインストラクターを目指す上で知っておくべき、厳しい現実や「やめとけ」と言われる具体的な理由を7つに絞って解説していきます。憧れだけでは見過ごしがちなポイントですので、しっかり確認していきましょう。
【理由1】資格取得費用が高額で時間もかかる現実
ピラティスインストラクターとして活動するためには、多くの場合、専門の養成コースを受講し、資格を取得する必要があります。しかし、この資格取得には決して安くない費用と、ある程度の時間が必要になるんです。
資格には、マットピラティス(マットの上で行うエクササイズ)の指導資格や、リフォーマー、キャデラックといった専用マシンを使った指導資格など、様々な種類があります。国際的に認知されている有名なライセンスもあれば、各団体が独自に発行しているものもあります。
費用の目安としては、マットピラティスの資格だけでも数十万円、マシンピラティスも含む総合的な資格になると100万円を超えることも珍しくありません。これには、受講料のほかに、教材費、試験料、場合によっては実技練習のためのスタジオレンタル料などが含まれます。

取得にかかる期間も、数ヶ月で取得できる短期集中型のコースもあれば、1年以上の時間をかけてじっくり学ぶコースもあります。働きながら資格取得を目指す場合は、さらに長い期間が必要になることも覚悟しておかなければなりません。
そして大切なのは、資格はあくまでスタートラインだということです。資格を取ったからといって、すぐに人気インストラクターになれるわけではありません。むしろ、そこからが本当の学びの始まりで、継続的なスキルアップが求められるのです。
この初期投資の大きさと時間の拘束は、特に学生さんや、これからキャリアチェンジを考えている社会人の方にとっては、大きなハードルになるかもしれませんね。
【理由2】収入が不安定で思ったより稼げない実態
「インストラクターって、なんだか華やかで収入も良さそう」というイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、現実はそう甘くありません。特に駆け出しの頃は、思ったよりも収入が低い、または不安定であるという声が多く聞かれます。
ピラティスインストラクターの働き方には、主に以下のような形態があります。
- 正社員:ピラティススタジオやフィットネスクラブに雇用される形です。月給制で安定はしていますが、給与水準は他の専門職と比べて高いとは言えない場合が多いようです。厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」などを参考に、一般的なスポーツインストラクターの給与水準を調べてみるのも良いでしょう。
- 業務委託:スタジオと契約し、1レッスンあたりいくら、という形で報酬を得ます。1レッスンあたりの単価は数千円程度が相場ですが、担当できるレッスン数や集客状況によって収入が大きく変動します。
- フリーランス:自身でスタジオを経営したり、個人で生徒さんを集めてレッスンを行ったりする形です。収入の上限はありませんが、集客、営業、経理など、全てを自分で行う必要があり、成功するのは簡単ではありません。
特に業務委託やフリーランスの場合、福利厚生やボーナス、有給休暇などがないことがほとんどです。また、レッスンのキャンセルが出たり、生徒さんが集まらなかったりすると、収入に直結してしまいます。
「平日の昼間は生徒さんが集まりにくく、レッスン数を増やせない」「時給換算したら、アルバイトの方が稼げるかもしれない…」といった悩みを抱えるインストラクターも少なくないのが実情です。人気が出て、多くの生徒さんから支持されるようになれば高収入も夢ではありませんが、それはほんの一握りだということを理解しておく必要があります。
安定した収入を得るまでには時間がかかることを覚悟し、生活費などを考慮した上で慎重に判断することが大切です。
【理由3】常に学び続ける必要性と知識・技術のアップデート
ピラティスインストラクターは、一度資格を取ったら終わり、というわけにはいきません。常に新しい知識や技術を学び続け、自分自身をアップデートしていく努力が求められます。
人の身体はとても複雑で、ピラティスの効果を最大限に引き出すためには、解剖学や運動生理学といった専門知識の深い理解が不可欠です。また、ピラティスのエクササイズや指導法も日々進化していますし、新しい研究成果も発表されます。
さらに、生徒さんのニーズも多様化しています。例えば、
- マタニティピラティス(妊婦さん向け)
- シニアピラティス(高齢者向け)
- アスリート向けのパフォーマンス向上を目的としたピラティス
- 特定のリハビリテーションを目的としたピラティス
など、特定の対象や目的に特化した知識やスキルが求められることもあります。これらの専門性を高めるためには、追加で研修を受けたり、ワークショップに参加したりする必要があり、その費用も基本的には自己負担となることが多いのです。
学び続ける情熱と、そのための時間的・経済的な投資を惜しまない姿勢がなければ、インストラクターとして長く活躍することは難しいかもしれません。この継続的な学習意欲とコストを負担できるかどうかも、重要な判断ポイントになりますね。
【理由4】体力勝負!身体的な負担と自己管理の大変さ
ピラティスインストラクターは、生徒さんに見本を見せながら指導するため、実はかなりの体力勝負なお仕事なんです。レッスンの種類や強度にもよりますが、1日に何本もレッスンを担当すると、想像以上に体力を消耗します。
また、インストラクター自身が「ピラティスの効果を体現する存在」として見られることも多いため、常に自分の体型を維持したり、コンディションを整えたりといった徹底した自己管理が求められます。これは、精神的にもプレッシャーになることがあります。
デモンストレーションで同じ動きを何度も繰り返すことによる身体への負担や、無理な動きによる怪我のリスクもゼロではありません。特に、人気が出てレッスン数が増えてくると、自分のメンテナンスの時間が取りにくくなるというジレンマも生じやすいです。
華やかに見えるレッスンの裏では、地道なトレーニングや体調管理が不可欠であり、それを継続する強い意志と体力が求められるのです。体力に自信がない方や、自己管理が苦手な方にとっては、想像以上に厳しい世界かもしれません。
【理由5】集客のプレッシャーとコミュニケーション能力の重要性
どれだけ素晴らしい指導スキルを持っていても、生徒さんが集まらなければインストラクターとしての仕事は成り立ちません。特にフリーランスや業務委託で働く場合、集客は常に付きまとう大きな課題です。
スタジオ勤務の正社員であっても、個人の集客目標やスタジオ全体の売上目標に対するプレッシャーを感じる場面はあります。自分のレッスンに継続して来てもらうためには、指導力だけでなく、生徒さん一人ひとりと良好な関係を築き、レッスンの楽しさや効果を実感してもらう工夫が必要です。
具体的には、
- SNSやブログでの情報発信
- 体験レッスンの実施や口コミの促進
- 生徒さんのモチベーションを維持するための声かけや励まし
- 生徒さんの悩みや要望に耳を傾けるカウンセリングスキル
といった、コミュニケーション能力やマーケティングの知識も求められます。様々な年齢層や目的を持つ生徒さんに対して、それぞれに合った対応をする柔軟性も重要です。
「ピラティスを教える技術さえあれば大丈夫」と考えていると、集客の壁にぶつかってしまうかもしれません。クレーム対応や、時には生徒さん同士の人間関係の調整など、レッスン以外の部分で気苦労が絶えないこともあります。
人と接することが好きで、相手の気持ちを汲み取り、円滑なコミュニケーションが取れる能力は、ピラティスインストラクターにとって不可欠な資質と言えるでしょう。
【理由6】労働時間とプライベートのバランスが取りにくい
ピラティスインストラクターの仕事は、生徒さんの都合に合わせてレッスンを行うため、勤務時間が不規則になりがちです。特に、会社員や学生さんが通いやすい平日の早朝や夜間、そして土日にレッスンが集中する傾向があります。
レッスンの時間以外にも、
- レッスンの準備(シークエンス作成、教材準備など)
- 生徒さんへの連絡や事務作業
- スタジオの清掃や片付け
- 自身のトレーニングや勉強の時間
など、目に見えない時間も多く費やしています。そのため、1日の拘束時間が長くなったり、休日が不定期になったりすることも珍しくありません。
友人や家族と予定を合わせにくくなったり、自分のプライベートな時間を確保するのが難しくなったりすることもあるでしょう。体力だけでなく、時間管理能力や、不規則な生活リズムへの適応力も求められます。
「好きなことを仕事にしているのだから、多少の犠牲は仕方ない」と思えるうちは良いかもしれませんが、長期的に見ると、ワークライフバランスの乱れが心身の不調につながる可能性も否定できません。この点も、事前にしっかりと考えておく必要がありますね。
【理由7】「好き」だけでは続けられない?理想と現実のギャップ
「ピラティスが大好きだから、インストラクターになりたい!」という純粋な気持ちは、とても大切です。しかし、「好き」という気持ちだけでは、必ずしも仕事を長く続けられるとは限らないのが現実です。
ピラティスを「趣味」として楽しむことと、「仕事」としてプロフェッショナルに行うことの間には、大きな違いがあります。仕事である以上、そこにはビジネスとしての側面が必ず伴います。
- 利益の追求:スタジオの経営を維持し、自身の生活を成り立たせるためには、収益を上げることを考えなければなりません。
- 顧客満足度の向上:生徒さんに満足してもらい、継続して通ってもらうための努力が必要です。時には、自分のやりたいことよりも、生徒さんの要望を優先しなければならない場面もあるでしょう。
- 地味な業務:レッスンの華やかさとは裏腹に、事務作業、清掃、集客活動など、地味で根気のいる業務も多くあります。
実際にインストラクターとして働き始めると、こうした理想と現実のギャップに直面し、「こんなはずじゃなかった…」と感じてしまう方も少なくありません。
「ピラティスをすることは大好きだったけど、仕事にしたら生徒さんの集客のことや、毎月の収入のことばかり考えるようになって、純粋に楽しめなくなってしまいました。もっとキラキラした世界だと思っていたのに…。」(元ピラティスインストラクターAさんのブログより)
憧れだけでこの世界に飛び込むと、思わぬ壁にぶつかり、挫折してしまう可能性があります。「好き」という気持ちを原動力にしつつも、仕事としての厳しさを理解し、それを受け入れる覚悟が必要です。
それでもピラティスインストラクターを目指すなら?後悔しないための心構えと対策
ここまで、ピラティスインストラクターというお仕事の厳しい側面を中心にお伝えしてきましたが、「それでもやっぱり諦めたくない!」「困難を乗り越えてでも挑戦したい!」という強い気持ちをお持ちの方もいらっしゃると思います。
もし本気で目指すのであれば、後悔する可能性を少しでも減らすために、次のような心構えと対策をしっかりと行うことをおすすめします。
【対策1】自己分析と明確な目標設定
まずは、「なぜ自分はピラティスインストラクターになりたいのか?」という動機や目的を深く掘り下げてみましょう。そして、ご自身の強みや弱み、適性を客観的に分析することが大切です。
- ピラティスのどんな点に魅力を感じ、それをどう伝えたいのか?
- 体力やコミュニケーション能力、継続的な学習意欲は十分に備わっているか?
- どんなインストラクターになりたいか?(例:特定の層をターゲットにする、リハビリに特化するなど)
- 短期的な目標(例:1年以内に資格を取得し、週2回レッスンを持つ)と、長期的なキャリアプラン(例:5年後には独立して自分のスタジオを持つ)を具体的に描いてみましょう。
自分自身を深く理解し、明確な目標を持つことで、困難に直面したときにもブレずに進む力になりますよ。
【対策2】資格選びは慎重に!情報収集と比較検討
資格取得は大きな投資ですので、どの団体のどんな資格を選ぶかは非常に重要です。複数の選択肢を比較検討し、自分に合ったものを選びましょう。

チェックすべきポイントは以下の通りです。
- 団体の信頼性と実績:歴史があり、国際的に認知されている団体か、卒業生の評判はどうかなど。
- カリキュラム内容:解剖学や指導法など、学びたい内容が網羅されているか、実技と座学のバランスはどうか。
- サポート体制:資格取得後のフォローアップや、就職支援はあるか。
- 費用と期間:総額でいくらかかるのか、自分のライフスタイルで無理なく通える期間か。
- 講師の質:経験豊富で、尊敬できる講師から学べるか。
説明会に参加したり、実際にその団体のレッスンを受けてみたりして、雰囲気を確認することも大切です。焦らずじっくりと情報を集め、納得のいく選択をしてくださいね。
【対策3】まずは副業から始める、小さくスタートする
いきなり会社を辞めてピラティスインストラクター一本で生計を立てようとするのは、リスクが高いかもしれません。可能であれば、まずは副業として小さく始めてみることをおすすめします。
- 現在の本業を続けながら、週末だけ養成コースに通ったり、資格取得後に数時間だけレッスンを担当したりする。
- 経験豊富なインストラクターのアシスタントとして、現場での学びを深める。
こうすることで、収入面での不安を軽減しながら、実際にインストラクターとしての適性があるかどうかを見極めることができます。また、現場でしか得られない貴重な経験を積むこともできます。
スモールステップで始めることで、もし「自分には合わないかもしれない」と感じた場合でも、方向転換がしやすくなりますよ。焦らず、着実にステップアップしていくことが大切です。
【対策4】現役インストラクターに話を聞く
養成コースのパンフレットやウェブサイトだけでは分からない、現場のリアルな声を聞くことは非常に有益です。機会があれば、現役のピラティスインストラクターに直接話を聞いてみましょう。
- 仕事のやりがいだけでなく、苦労している点や大変なこと。
- 実際の収入や働き方、一日のスケジュール。
- 資格取得の経験談や、その後のキャリアパス。
ワークショップやイベントに参加した際に質問してみたり、信頼できるスタジオのインストラクターさんに相談してみたりするのも良いかもしれません。SNSを通じてコンタクトを取る場合は、相手への配慮を忘れずに、丁寧にお願いするようにしましょう。
一人だけでなく、複数のインストラクターさんから話を聞くことで、より多角的な視点から情報を得られ、偏ったイメージを持つことを避けられますよ。
【対策5】継続的な学びと自己投資を覚悟する
何度もお伝えしていますが、ピラティスインストラクターは資格を取って終わりではありません。むしろ、そこからがスタートです。常に新しい知識や技術を学び続け、自分自身をアップデートしていく姿勢が不可欠です。
そのためには、
- 定期的な研修やワークショップへの参加
- 関連書籍や専門誌の購読
- 他のインストラクターのレッスンを受けること
といった自己投資が必要になります。これらの費用や時間をあらかじめ見込んでおき、計画的に取り組む覚悟を持ちましょう。学び続けることは大変ですが、それが自身のスキルアップや生徒さんへのより良い指導につながり、結果としてインストラクターとしての価値を高めることになるのです。
【対策6】ビジネススキルも磨く意識を持つ
特にフリーランスとして活動したいと考えている場合は、指導スキルだけでなく、ビジネススキルも磨く必要があります。

具体的には、
- 集客・マーケティング:SNSの活用法、ブログ発信、チラシ作成、イベント企画など。
- コミュニケーション・カウンセリング:生徒さんのニーズを引き出し、信頼関係を築く力。
- 営業力:自分のレッスンの魅力を伝え、入会や継続につなげる力。
- 会計・税務の基礎知識:確定申告や経費管理など、お金に関する知識。
これらのスキルは、一朝一夕に身につくものではありません。日頃から意識して学んだり、必要であれば専門家の助けを借りたりすることも考えましょう。「教えるのが上手い」だけでは、ビジネスとして成功するのは難しいという現実を理解しておくことが大切です。
ピラティスインストラクターを「やめとけ」と言われる理由の総括
今回は、ピラティスインストラクターというお仕事について、憧れだけでは見えない厳しい現実や、「やめとけ」と言われる理由、そしてそれでも目指す場合の心構えや対策について詳しくお話ししてきました。最後に、この記事のポイントを改めてまとめておきますね。
ピラティスインストラクターを目指す上での重要ポイント
- 高額な資格費用と時間の投資:資格取得には数十万円から百万円以上の費用と、数ヶ月から1年以上の時間が必要です。
- 不安定な収入と集客の難しさ:特に駆け出しの頃は収入が不安定で、集客に苦労することが多いです。
- 絶え間ない学びの必要性:解剖学や新しい指導法など、常に知識と技術をアップデートし続ける必要があります。
- 身体的・精神的な負担:体力勝負であり、自己管理能力が問われます。レッスン以外の業務も多いです。
- 「好き」だけでは乗り越えられない壁:ビジネスとしての側面や、理想と現実のギャップに直面することがあります。
- 安易な選択は後悔につながる可能性:情報収集や自己分析を怠ると、後で「こんなはずじゃなかった」となることも。
- それでも目指すなら、十分な準備と覚悟が必要:明確な目標設定、慎重な資格選び、現役の声を聞くなどの対策が重要です。
ピラティスインストラクターは、人の健康と美をサポートできる、とてもやりがいのある素晴らしいお仕事です。しかし、その裏には、経済的な負担、時間的な拘束、体力的な厳しさ、そして常に学び続ける努力が求められるという現実があります。
「やめとけ」という言葉は、こうした厳しい側面を知らずに安易な気持ちで目指してしまうことへの警鐘なのかもしれませんね。大切なのは、魅力的な部分だけでなく、大変な部分もしっかりと理解した上で、ご自身の適性や覚悟を問い直し、「それでもやりたい」と心から思えるかどうかです。
この記事が、ピラティスインストラクターという道を選ぶかどうか、冷静に、そして深く考えるための一助となれば、私もとても嬉しいです。ご自身のキャリアを慎重に選び、後悔のない、充実した未来を築いていってくださいね。応援しています。