「『手軽に出会える』『運命の人が見つかるかも』…最近、スマートフォンで簡単に始められるマッチングアプリの広告をよく見かけますよね。なんだか、新しい出会いの形として、とても魅力的に感じるかもしれません。」
「でも、インターネットで『マッチングアプリ やめとけ』とか『マッチングアプリ 危険』なんて言葉を検索すると、不安になるような情報もたくさん出てきます。本当に安全に、素敵な出会いを見つけられるのかしら?って、ちょっと心配になりませんか?」
「もしかしたら、あなたもマッチングアプリを使ってみようかな、と考えているかもしれませんね。この記事では、そんな期待と不安が入り混じるマッチングアプリについて、なぜ『やめとけ』と言われることがあるのか、その理由を一つ一つ丁寧に、そして分かりやすくお伝えしていきたいと思います。」
「この記事を読めば、マッチングアプリの華やかなイメージの裏に潜むリスクや注意点が分かって、後悔しないための賢明な判断ができるようになるはずです。ぜひ最後までお付き合いくださいね。」
この記事でお伝えしたいこと
- マッチングアプリの基本的な仕組みと、近年の利用状況の広がり
- なぜ多くの人がマッチングアプリの利用を「やめた方がいい」と言うのか、その具体的な7つの罠
- マッチングアプリに潜む、サクラや業者、個人情報漏洩、時間やお金の浪費、精神的疲弊などの危険性
- それでもマッチングアプリを利用する場合に、後悔しないために絶対に押さえておくべき注意点と対策
- マッチングアプリ以外の出会いの方法との比較の重要性
マッチングアプリとは?その概要と知っておくべき実態
まずはじめに、「マッチングアプリ」という言葉はよく聞くけれど、具体的にどんなものなの?という方もいらっしゃるかもしれませんので、簡単にご説明しますね。
近年、私たちの生活に急速に浸透してきたこのサービス、一体どんな仕組みで、どんな実態があるのでしょうか。
マッチングアプリの基本的な仕組みと種類
マッチングアプリとは、インターネットを利用して、恋人や結婚相手、あるいは共通の趣味を持つ友人など、新しい出会いを求める人同士を結びつける(マッチングさせる)ことを目的としたアプリケーションサービスのことです。
基本的な流れは、多くのアプリで共通しています。
- まず、自分のプロフィール(年齢、職業、趣味、自己紹介文、写真など)を登録します。
- 次に、他の利用者のプロフィールを検索・閲覧し、気になる相手に「いいね!」などのアプローチを送ります。
- 相手からも「いいね!」が返ってくるなど、お互いに興味を持つと「マッチング成立」となり、アプリ内でメッセージのやり取りができるようになります。
- メッセージ交換を重ねて、お互いのことをより深く知った上で、実際に会ってみる、というステップに進むのが一般的です。
マッチングアプリには、様々な種類があります。大きく分けると、以下のようなタイプに分類できるんですよ。
- 恋活・婚活系アプリ:恋愛や結婚を真剣に考えている人向けのアプリです。詳細なプロフィール項目や、価値観診断機能などがあるものも。
- デーティングアプリ:もう少し気軽な出会いや、デート相手を探すことを目的としたアプリです。海外発のものも多く、フランクな雰囲気のものが主流です。
- 趣味・共通点系アプリ:特定の趣味や共通の関心事(例:ゲーム、アニメ、旅行、スポーツなど)を通じて繋がることを目的としたアプリです。
- 再婚活・シンママパパ向けアプリ:離婚経験のある方や、お子さんがいる方の出会いをサポートすることに特化したアプリもあります。
このように、自分の目的やライフスタイルに合わせて、様々なアプリを選ぶことができるようになっています。
近年注目される背景と市場の動向
マッチングアプリは、ここ数年で急速に利用者を増やし、市場も大きく成長しています。
その背景には、いくつかの要因が考えられます。
- スマートフォンの普及:いつでもどこでも手軽にアクセスできるスマートフォンが、マッチングアプリの利用を後押ししました。
- ライフスタイルの変化:職場や学校以外での出会いの機会が減少していると感じる人が増え、新しい出会いの手段として注目されています。
- 価値観の多様化:恋愛や結婚に対する考え方が多様化し、より自分に合った相手を効率的に探したいというニーズが高まっています。
- コロナ禍の影響:対面での出会いが難しくなった時期に、オンラインでの出会いの需要が拡大しました。
- 広告・宣伝の活発化:テレビCMやウェブ広告などでマッチングアプリを目にする機会が増え、利用への心理的なハードルが下がってきたことも影響しているでしょう。
実際に、MMD研究所が2023年に発表した調査によると、マッチングサービス・アプリの利用経験がある人は約3割にのぼり、特に20代~30代の若い世代での利用が広がっていることが分かります。(参考:MMD研究所「2023年マッチングサービス・アプリの利用実態調査」)
このように、マッチングアプリは現代の主要な出会いのツールの一つとして、社会に定着しつつあると言えるかもしれませんね。
マッチングアプリに寄せられる期待と危険な罠
「普段の生活では出会えないような人と出会えるかも」「自分にぴったりの相手が見つかるかも」…マッチングアプリには、そんな大きな期待が寄せられています。
確かに、効率的に多くの異性と接点を持つことができ、普段の行動範囲では巡り合えないような人と繋がるチャンスがあるのは、マッチングアプリの大きな魅力です。
しかし、その手軽さや匿名性の裏には、注意しなければならない「危険な罠」も潜んでいることを忘れてはいけません。
例えば、
- 真剣な出会いを求めていない、遊び目的の人。
- 既婚者や恋人がいるのに、それを隠して利用している人。
- 個人情報を悪用しようとしたり、金銭を騙し取ろうとしたりする悪質な業者やサクラ。
- 相手を精神的に傷つけたり、ストーカー行為に及んだりする危険な人物。
こうした人たちと遭遇してしまう可能性もゼロではないんです。
「簡単に出会える」というメリットの裏側には、「簡単に危険にも近づける」というリスクが常に存在していることを、まずはしっかりと心に留めておく必要があります。
「自分は大丈夫だろう」という過信は禁物なんですよ。
マッチングアプリはやめとけ!使うべきでないこれだけの理由
さて、ここからが本題です。なぜマッチングアプリは「やめとけ」と言われてしまうことがあるのでしょうか?その理由を、具体的に7つの罠として詳しく見ていきましょう。
これらの理由を知ることで、マッチングアプリを利用する前に、一度立ち止まって冷静に考えるきっかけになるはずです。
【理由1】サクラや業者の存在!時間とお金を搾取される巧妙な手口
マッチングアプリで最も警戒すべき存在の一つが、「サクラ」や「業者」と呼ばれる悪質なユーザーです。
彼らは、真剣な出会いを求めているわけではなく、以下のような目的でアプリに潜んでいます。
- サクラ:主にアプリ運営会社が雇っている(あるいは黙認している)ケースで、会員数を多く見せかけたり、有料会員に誘導したりするために、魅力的なプロフィールで一般ユーザーにメッセージを送り、やり取りを続けさせようとします。
- 業者:外部の悪質な事業者が、一般ユーザーになりすましてアプリに登録し、他の有料サイトへ誘導したり、個人情報を抜き取ったり、マルチ商法や投資詐欺などに勧誘したりすることを目的としています。
これらのサクラや業者は、非常に巧妙な手口で近づいてきます。
- プロフィールが完璧すぎる:モデルのような美男美女の写真を使っていたり、年収が高すぎたり、自己紹介文がどこか不自然だったりします。(最近はAI生成の画像を使うケースも)
- すぐにLINE IDや連絡先を聞きたがる:アプリ内でのやり取りは監視されている可能性があるため、すぐに外部の連絡手段に移行させようとします。
- 話が噛み合わない、コピペのような文章:大量の人に同じようなメッセージを送っているため、会話の内容が薄かったり、質問に的確に答えられなかったりします。
- 不自然な日本語:海外の業者が翻訳ツールを使ってやり取りしている場合、日本語の表現がおかしいことがあります。
- すぐに会いたがる、あるいは逆に全く会おうとしない:目的が他にあるため、不自然なタイミングで会う約束をしたり、逆にメッセージのやり取りだけで引き延ばしたりします。
- 投資や副業の話をしてくる:「簡単に儲かる話がある」などと言って、怪しい投資話やビジネスに勧誘してきます。

もし、サクラや業者と気づかずにやり取りを続けてしまうと、時間やお金を無駄にするだけでなく、個人情報が悪用されたり、犯罪に巻き込まれたりする危険性もあります。
国民生活センターにも、マッチングアプリに関する相談が多数寄せられており、その中にはサクラや業者による被害も含まれています。例えば、「有料ポイントを使わせるためにメッセージのやり取りを引き延ばされた」「別の高額なサイトに誘導された」といった事例です。(参考:独立行政法人国民生活センター)
「マッチングアプリでいい感じになった人がいたんだけど、急に投資の話ばかりするようになって…。調べてみたら典型的な業者だったみたい。時間返してほしい。」
(X(旧Twitter)の投稿より)
こうした悪質なユーザーを完全に見抜くのは難しいですが、少しでも「怪しいな」と感じたら、深入りせずに距離を置く勇気が大切です。
【理由2】個人情報漏洩のリスク!あなたのプライバシーは大丈夫?
マッチングアプリを利用するということは、ある程度の個人情報をインターネット上に公開するということです。これには、常に情報漏洩のリスクが伴うことを理解しておかなければなりません。
アプリに登録する情報としては、
- 氏名(ニックネームの場合も多いですが、本人確認で本名を提出することも)
- 年齢、生年月日
- 居住地域(都道府県、市区町村など)
- 職業、勤務先(詳細に書く人も)
- 学歴
- 年収
- 顔写真
- 趣味、ライフスタイルに関する情報
- メッセージのやり取りの内容
など、多岐にわたります。これらの情報が、もし悪意のある第三者の手に渡ってしまったら、どうなるでしょうか?
- ストーカー被害:居住地域や勤務先、写真などから個人が特定され、ストーカー行為の対象になる可能性があります。
- なりすまし・不正利用:あなたの情報を使って、別のSNSアカウントが作られたり、他のサービスで不正利用されたりするかもしれません。
- 職場や知人への露見:意図せず、勤務先の人や友人にアプリを利用していることがバレてしまうことも。特に顔写真を公開している場合は注意が必要です。
- アプリ運営会社からの情報流出:サイバー攻撃などにより、アプリ運営会社が保有する大量の会員情報が流出する事件も過去には発生しています。
多くのマッチングアプリでは、個人情報保護のための対策(SSL/TLSによる通信の暗号化、プライバシーマークの取得、24時間監視体制など)を講じていますが、100%安全とは言い切れません。
自分自身でも、公開する情報は最小限に留める、特定されやすい写真は避ける、推測されやすいパスワードは使わないなど、自衛策を講じることが非常に重要です。
「みんな使っているから大丈夫だろう」という安易な考えは捨てて、常に自分のプライバシーを守る意識を持つようにしましょう。
【理由3】時間とお金の浪費!「いいね」とメッセージに追われる日々
マッチングアプリは、手軽に始められる反面、気づかないうちに多くの時間とお金を費やしてしまうことがあります。
まず、時間についてです。
- プロフィール作成:自分を魅力的に見せるためのプロフィール作成には、意外と時間がかかります。自己紹介文を考えたり、写真を厳選したり…。
- 相手探しと「いいね」送信:毎日多くの新規会員が登録され、たくさんのプロフィールをチェックし、「いいね」を送る作業は、終わりが見えません。
- メッセージのやり取り:複数の相手と同時進行でメッセージを交換するのは、かなりの時間と労力を要します。相手に合わせて話題を考えたり、返信のタイミングを気にしたり…。
- アポの調整:実際に会う約束を取り付けるまでも、日程調整などで手間がかかります。
こうした作業に毎日数時間も費やしてしまい、「気づいたらアプリばかり見ていて、他のことが手につかない…」なんてことになりかねません。「いいね疲れ」「メッセージ疲れ」という言葉もあるくらいです。
次にお金についてです。多くのマッチングアプリは、男性がメッセージ交換など主要な機能を利用するためには、月額数千円程度の有料会員になる必要があります(女性は無料の場合が多い)。
- 月額料金:一般的な相場は3,000円~5,000円程度ですが、複数月プランで割安になることも。しかし、すぐに良い出会いがあるとは限らず、結果的に何か月も課金し続けるケースも。
- オプション料金:より多くの相手にアピールするためのブースト機能や、追加の「いいね」送信、メッセージ付き「いいね」など、さらに課金が必要なオプションも用意されています。
- ポイント購入:特定の機能を利用するために、都度ポイントを購入する必要があるアプリもあります。
「いつか素敵な人に出会えるはず…」と期待して、気づけば数万円、数十万円もアプリに費やしてしまった、という話も珍しくありません。

もちろん、これらの時間やお金が、本当に価値のある出会いに繋がるのなら良いのですが、必ずしも投資した分だけのリターンがあるとは限らないのが、マッチングアプリの厳しい現実でもあるのです。
【理由4】精神的疲弊!期待と失望の繰り返しで心がすり減る
マッチングアプリは、手軽に出会いのチャンスを広げられる一方で、精神的な負担も大きいという側面があります。
「いいね」を送ってもなかなかマッチングしなかったり、マッチングしてもメッセージが続かなかったり、既読スルーされたり…。こうした経験は、自己肯定感を低下させ、精神的に疲弊させてしまうことがあります。
特に、以下のような状況は精神的なダメージが大きいかもしれません。
- いいねがもらえない、マッチングしない:「自分は魅力がないのかな…」と落ち込んでしまう。
- メッセージが途絶える、既読スルーされる:「何か失礼なことを言ったかな?」「自分に興味がなくなったのかな?」と不安になる。
- ドタキャンされる:楽しみにしていた約束を直前にキャンセルされると、大きなショックを受ける。
- 相手の嘘や裏切りが発覚する:プロフィールに嘘があったり、実は既婚者だったりした場合の精神的ダメージは計り知れません。
- 比較による劣等感:他の魅力的なユーザーと自分を比べてしまい、劣等感を抱いてしまう。
- 「いつになったら良い人に出会えるんだろう…」という焦り:成果が出ないと、焦りや無力感に苛まれる。
マッチングアプリでは、相手の顔や反応が直接見えないため、コミュニケーションが一方的になりがちです。そのため、些細なことで誤解が生じたり、相手の真意が分からず不安になったりすることも多いのです。
「マッチングアプリ、頑張ってメッセージしてたのに急に返信こなくなった。結構へこむ。もう疲れたからやめようかな。」
(個人のブログより)
こうした期待と失望のサイクルを繰り返すうちに、心がすり減ってしまい、恋愛そのものに臆病になってしまう人もいます。
手軽な出会いを求めて始めたはずなのに、気づけば精神的にボロボロ…なんてことにならないように、自分の心の状態を常に気にかけることが大切です。
【理由5】期待外れの出会い…理想と現実のギャップにがっかり
マッチングアプリのプロフィールは、多かれ少なかれ「自分を良く見せよう」という意識が働いています。そのため、実際に会ってみたら、「あれ?プロフィールの印象と全然違う…」とがっかりしてしまうケースは少なくありません。
よくある「期待外れ」のパターンとしては、
- 写真と実物が違う:加工アプリで過度に修正された写真や、何年も前の写真を使っている。スタイルが良く見える角度の写真だけを載せているなど。
- 自己紹介文やメッセージとのギャップ:プロフィールでは誠実そうだったのに、実際に会ったら態度が高圧的だったり、逆にメッセージでは面白かったのに、会ったら無口だったり。
- 価値観や話が合わない:メッセージでは盛り上がったのに、実際に会って話してみると、どうしても価値観が合わなかったり、会話が弾まなかったりする。
- マナーが悪い:店員さんへの態度が悪かったり、食事のマナーが気になったり、遅刻してきたり。
- 目的が違うことが発覚:真剣な出会いを求めていたのに、相手は遊び目的だった、あるいは勧誘目的だったなど。
もちろん、プロフィール通りの素敵な人に出会えることもあります。しかし、アプリ上での印象と、実際に会った時の印象が必ずしも一致するとは限らないということは、覚悟しておいた方が良いでしょう。
何人もの人と会っても、なかなか「この人だ!」と思える相手に出会えず、「時間と労力を無駄にした…」と感じてしまうこともあるかもしれません。
理想を高く持ちすぎるのも良くありませんが、あまりにも期待外れな出会いが続くと、マッチングアプリそのものに不信感を抱いてしまうのも無理はありませんね。
【理由6】危険人物との遭遇リスク!ヤリモク、既婚者、犯罪者も…
マッチングアプリには、残念ながら、真剣な出会いを求めている人ばかりではありません。中には、下心を持った「ヤリモク(体目的)」の人や、素性を隠した「既婚者」、さらには犯罪目的の危険人物が紛れ込んでいる可能性も否定できません。
これらの危険人物に遭遇してしまうと、精神的な傷を負うだけでなく、深刻なトラブルに巻き込まれる恐れもあります。
注意すべき危険人物の例:
- ヤリモク(体目的):言葉巧みに近づき、早い段階で会おうとしたり、お酒を飲ませようとしたり、二人きりの空間(自宅やホテルなど)に誘い込もうとしたりします。
- 既婚者・恋人がいる人:独身と偽って登録し、遊び相手を探しています。土日は会えない、夜は連絡が取れない、プライベートな話を避けるなどの特徴があることも。
- 勧誘目的(宗教、マルチ商法など):親切な人を装って近づき、親密になったところで、怪しいセミナーや商品購入に誘ってきます。
- 金銭目的(ロマンス詐欺など):言葉巧みに恋愛感情を抱かせ、信頼させたところで、「病気の治療費」「事業の資金」などと嘘をつき、金銭を騙し取ろうとします。国際ロマンス詐欺も問題になっています。
- 性犯罪目的:デートDVや性的暴行など、深刻な性犯罪に発展するケースも報告されています。
- ストーカー:断った後もしつこく連絡してきたり、個人情報を調べてつきまとったりするケースもあります。

警察庁の統計によると、出会い系サイト(マッチングアプリを含む)に起因する事犯の検挙件数は依然として発生しており、特に児童が被害に遭うケースも後を絶ちません。(参考:警察庁「サイバー空間をめぐる脅威の情勢等」)
多くのマッチングアプリでは、24時間監視体制や違反報告機能、ブロック機能などを設けて安全対策に努めていますが、危険人物を完全に排除することは非常に難しいのが現状です。自分の身は自分で守るという意識が何よりも大切です。
【理由7】事件・トラブル事例が後を絶たない現実
これまで述べてきたようなリスクが、実際に深刻な事件やトラブルに発展してしまった事例は、残念ながら後を絶ちません。
新聞やニュースなどでも、マッチングアプリをきっかけとした以下のような事件が報道されることがあります。
- 詐欺事件:ロマンス詐欺で多額の金銭を騙し取られた。
- 性犯罪事件:性的暴行やわいせつ行為の被害に遭った。
- ストーカー事件:執拗なつきまといや脅迫を受けた。
- 殺人事件:最悪の場合、命に関わる事件に発展したケースも。
- 個人情報関連のトラブル:リベンジポルノの被害に遭ったり、個人情報をネット上に晒されたりした。
- 金銭トラブル:デート費用の負担を巡るトラブルや、貸したお金が返ってこないなど。
国民生活センター越境消費者センター(CCJ)には、海外の事業者との間のロマンス詐欺に関する相談も寄せられているようです。特に、マッチングアプリで知り合った外国人から投資話を持ちかけられ、金銭を騙し取られるといった手口が報告されています。(参考:国民生活センター越境消費者センター)
もちろん、これはマッチングアプリで出会った全ての人が危険だという意味ではありません。多くの人が安全に利用し、素敵な出会いを見つけているのも事実です。
しかし、こうした事件やトラブルは決して他人事ではなく、誰にでも起こりうる可能性があるということを、強く認識しておく必要があります。
「自分だけは大丈夫」という根拠のない自信は捨てて、常に最悪の事態を想定し、慎重に行動することが、自分自身を守るために不可欠なのです。
それでもマッチングアプリを使うなら?後悔しないための注意点
ここまで、マッチングアプリをおすすめしない理由をたくさんお伝えしてきました。読んでいるうちに、「やっぱりマッチングアプリはやめておこうかな…」と思った方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、今の時代、マッチングアプリが有効な出会いの手段の一つであることも確かです。もし、それでも「自分はマッチングアプリを使ってみたい!」という強い気持ちがあるなら、後悔しないために、以下の点に細心の注意を払って利用するようにしてくださいね。
安全なアプリ選びのポイント~信頼できる運営かを見極める~
まず最も大切なのは、安全対策がしっかりとなされている、信頼できるマッチングアプリを選ぶことです。どのアプリを使うかで、安全性は大きく変わってきます。
以下のポイントをチェックしてみましょう。
- 本人確認(年齢確認)が必須か:運転免許証や健康保険証などによる公的な本人確認を必須としているアプリは、なりすましや未成年者の利用を防ぐ上で重要です。18歳未満の利用が禁止されているかどうかも確認しましょう。
- 24時間365日の監視体制:不適切な投稿や悪質なユーザーを監視し、迅速に対応してくれる体制があるか。
- 違反報告・ブロック機能:不快なユーザーや規約違反のユーザーを運営に報告したり、自身でブロックしたりできる機能は必須です。
- プライバシーマークやTRUSTeマークの取得:個人情報の取り扱いが適切であることの第三者認証を受けているか。
- 運営会社の情報が明記されているか:会社の所在地や連絡先がきちんと公開されているか。透明性の高い運営を行っているかを見極めましょう。
- サクラや業者対策を明言しているか:どのような対策を講じているか、具体的に示しているアプリは信頼性が高いと言えます。
- 利用規約やプライバシーポリシーが整備されているか:これらをしっかりと読み、理解しておくことも大切です。
料金が極端に安いアプリや、審査が甘すぎるアプリは、悪質なユーザーが集まりやすい傾向があるので注意が必要です。「無料だから」という理由だけで安易に選ぶのは避けましょう。
プロフィール作成の注意点~個人情報を守りつつ魅力を伝える~
プロフィールは、あなたをアピールするための大切なものですが、同時に個人情報を守る上でも非常に重要です。
- 個人が特定できる情報は載せない:本名フルネーム、詳細な住所、勤務先の正式名称、最寄り駅、よく行く場所などは絶対に書かないようにしましょう。
- 写真は慎重に選ぶ:
- 顔写真は、はっきりと写っているものの方がマッチングしやすいですが、悪用されるリスクも考慮しましょう。
- 背景に自宅や職場が特定できるものが写り込んでいないか確認してください。
- 制服や名札が写っている写真は避けましょう。
- SNSなどで使用している写真と同じものは、個人特定に繋がる可能性があるので避けた方が無難です。
- 自己紹介文は具体的に、かつぼかして書く:趣味や好きなこと、価値観などを具体的に書くのは良いですが、個人が特定されるようなエピソードは避けましょう。
- 嘘は書かない:自分を良く見せたい気持ちは分かりますが、嘘は後で必ずバレますし、トラブルの原因になります。誠実なプロフィールを心がけましょう。
- ネガティブな内容は避ける:愚痴や不満、他人への批判などは、良い印象を与えません。ポジティブな内容を心がけましょう。
魅力的なプロフィールを作ることは大切ですが、それ以上に自分の安全を守ることを最優先に考えてくださいね。
メッセージ交換での警戒点~相手の言動から危険を察知する~
マッチング後のメッセージ交換は、相手を知るための重要なステップですが、ここでも警戒を怠ってはいけません。
- すぐにLINEや他の連絡先を聞きたがる相手は要注意:アプリ外でのやり取りは運営の監視が届かないため、業者がよく使う手口です。ある程度アプリ内でやり取りをして、信頼できる相手だと判断してからにしましょう。
- 個人情報をしつこく聞いてくる:詳細な住所、勤務先、家族構成、貯金額など、プライベートな情報を根掘り葉掘り聞いてくる相手には警戒が必要です。
- 話が噛み合わない、不自然な日本語:サクラや海外の業者の可能性があります。
- 自慢話やお金の話が多い:投資話や副業に勧誘してくる業者の特徴かもしれません。
- プロフィールと矛盾したことを言う:言っていることが二転三転する相手は信用できません。
- 性的な話題を露骨に出してくる:ヤリモクの可能性が高いです。不快に感じたらすぐにやり取りを中止しましょう。
- 「会いたい」としつこく迫ってくる:こちらのペースを考えずに強引に会おうとする相手は危険です。
- 少しでも「おかしいな」「怖いな」と感じたら、迷わずブロック・通報する:自分の直感を信じることが大切です。
メッセージの段階で相手の不審な点に気づくことができれば、多くのトラブルを未然に防ぐことができます。
実際に会う際の注意点~安全を最優先した初デートの心得~
メッセージ交換を重ね、いよいよ実際に会う約束をする際には、安全を最優先に考えた行動を心がけましょう。
- 最初は昼間の人目のある場所で会う:公園やカフェなど、明るくオープンな場所を選びましょう。夜に会う場合でも、人気のない場所や個室は避けてください。
- 初対面で車や密室(相手の家など)に行くのは絶対に避ける:何が起こるか分かりません。逃げ場のない空間には行かないようにしましょう。
- 自分の交通手段で現地集合・現地解散する:相手の車で送迎してもらうのは避け、万が一の時にすぐに帰れるようにしておきましょう。
- 会う前に、友人や家族に「誰とどこで会うか」を伝えておく:万が一の事態に備えて、第三者に情報を共有しておくことは非常に重要です。
- 貴重品は自分でしっかり管理する:席を立つ際などは、荷物を置きっぱなしにしないようにしましょう。
- お酒の飲みすぎに注意する:判断力が鈍り、危険な状況に陥りやすくなります。相手に勧められても、自分のペースを守りましょう。
- 少しでも不安や危険を感じたら、すぐにその場を離れる:「相手に悪いかな…」などと遠慮する必要はありません。自分の安全が第一です。言い訳をしてでも、すぐに立ち去りましょう。
- 初デートの時間は短めに設定する:最初は1~2時間程度のお茶やランチなど、短時間で切り上げられるようにしておくと、万が一相手と合わなかった場合でも負担が少ないです。

最初のデートは、相手を見極めるための「面接」のようなものだと考えて、慎重すぎるくらいでちょうど良いのです。
トラブルに巻き込まれた場合の対処法~一人で悩まず相談する~
どんなに注意していても、残念ながらトラブルに巻き込まれてしまう可能性はゼロではありません。もし万が一、何らかのトラブルに遭遇してしまったら、一人で悩まずに、信頼できる人や専門機関にすぐに相談することが大切です。
- アプリ運営会社に報告・相談する:規約違反のユーザーやトラブルの内容を具体的に報告しましょう。証拠となるメッセージのスクリーンショットなども保存しておくと良いでしょう。
- 友人や家族に相談する:身近な人に話を聞いてもらうだけでも、精神的に楽になることがあります。
- 警察に相談する:ストーカー行為、脅迫、詐欺、性被害など、犯罪の可能性がある場合は、ためらわずに最寄りの警察署や相談窓口(#9110)に相談してください。
- 消費生活センターに相談する:金銭的なトラブルや悪質な勧誘などについては、消費生活センター(局番なしの188)が相談に乗ってくれます。
- 弁護士に相談する:法的な対応が必要な場合は、弁護士に相談することも検討しましょう。法テラスなど、無料相談窓口もあります。
「恥ずかしい」「自分にも非があったかも…」などと思って、一人で抱え込んでしまうと、事態が悪化してしまうこともあります。あなたは決して一人ではありません。勇気を出して助けを求めることが、解決への第一歩です。
マッチングアプリはやめとけ!その危険性と賢明な判断のための総括
さて、ここまでマッチングアプリについて、なぜ「やめとけ」と言われるのか、その多くの理由と、それでも利用する場合の注意点について、詳しくお話ししてきました。
最後に、この記事でお伝えしたかった大切なポイントをまとめておきますね。
マッチングアプリの利用を慎重に考えるべき理由の総括
- サクラや業者の巧妙な罠:時間やお金を搾取されたり、悪質な勧誘を受けたりするリスクがあります。
- 個人情報漏洩の危険性:あなたのプライバシーが脅かされ、ストーカーやなりすましの被害に遭う可能性があります。
- 時間とお金の浪費:気づけばアプリに多くの時間とお金を費やし、他の大切なことが疎かになることも。
- 精神的な疲弊:期待と失望の繰り返しで心がすり減り、自己肯定感が低下してしまうことがあります。
- 理想と現実のギャップ:プロフィールの印象と実際の相手が大きく異なり、がっかりすることが少なくありません。
- 危険人物との遭遇リスク:ヤリモク、既婚者、さらには犯罪目的の人物と出会ってしまう可能性があります。
- 後を絶たない事件・トラブル:詐欺や性被害、ストーカーなど、深刻なトラブルに巻き込まれる事例が実際に起きています。
これらの理由から、「手軽に出会えるから」「みんな使っているから」といった安易な気持ちでマッチングアプリに手を出すのは、大きなリスクを伴うと言わざるを得ません。
もし、それでもマッチングアプリを利用するのであれば、
- 安全なアプリを慎重に選ぶこと。
- 個人情報の管理を徹底し、公開する情報は最小限にすること。
- メッセージのやり取りで相手をよく見極め、少しでも怪しいと感じたら深入りしないこと。
- 実際に会う際は、安全を最優先し、昼間の人目のある場所を選ぶなど、細心の注意を払うこと。
- 万が一トラブルに巻き込まれたら、一人で抱え込まずにすぐに相談すること。
といった点を常に心に留め、「自分の身は自分で守る」という強い意識を持つことが何よりも大切です。
そして、マッチングアプリが全てではありません。職場や学校、友人からの紹介、趣味のサークル、社会人イベントなど、現実の世界にも出会いのチャンスはたくさんあります。視野を広げて、自分に合った出会いの形を見つけることも考えてみてくださいね。
この記事が、あなたの賢明な判断の一助となり、安全で素敵な出会いを見つけるためのお役に立てれば、とても嬉しいです。