デザイナーズマンションはやめとけ!おしゃれだけど後悔?住む前に知るべき7つの罠

やめとけ

「デザイナーズマンションって、なんだか響きがおしゃれで憧れる!」「普通のマンションとは違う、個性的な空間で暮らしてみたい!」そんな風に考えて、デザイナーズマンションへの入居を夢見ている学生さんや、新生活に胸を膨らませている社会人の方も、きっとたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

でも、インターネットで「デザイナーズマンション やめとけ」とか「デザイナーズマンション 後悔」「住みにくい」なんて、ちょっと気になる言葉を目にすることもありませんか?「本当にデザイナーズマンションって、快適に暮らせるのかな…?」「おしゃれなだけで、実は不便なんじゃないの…?」と、不安に思ってしまうかもしれません。

この記事では、デザイナーズマンションでの暮らしに関心をお持ちの皆さんに向けて、なぜ安易な気持ちで選んでしまうと後悔に繋がってしまうことがあるのか、その具体的な理由を7つ、そして、それでもデザイナーズマンションに住みたいと強く願う方のために、どんな点に注意して、どう賢く物件を選べば良いのかを、私なりに詳しく、そして分かりやすく解説していきたいと思います。決してデザイナーズマンションそのものを全面的に否定したいわけではないんですよ。ただ、その洗練されたデザインの裏には、知っておいてほしい大切なことがあるんです。

この記事でお伝えしたいこと

  • デザイナーズマンションってどんな物件?一般的なマンションとの違いと魅力
  • なぜデザイナーズマンションへの入居を「やめとけ」と言われることがあるのか、具体的な7つの理由
  • それでもデザイナーズマンションに住みたい場合に後悔しないための賢い物件選びと注意点
  • デザイナーズマンションで失敗しないための最終チェックポイント
  1. デザイナーズマンションってどんな物件? その定義と魅力の裏側
    1. デザイナーズマンションの定義と一般的な特徴
    2. 「おしゃれで個性的」の魅力と、住み心地の現実
    3. どんな人が向いている? デザイナーズマンションを選ぶということ
  2. ここが問題!デザイナーズマンションはやめた方がいい7つの理由
    1. 【理由1】家賃・初期費用が高い! – デザイン料が上乗せされる現実
    2. 【理由2】使い勝手が悪い奇抜な間取り – おしゃれだけど生活しづらい?
    3. 【理由3】夏は暑く、冬は寒い? – 断熱性・気密性の問題と光熱費の高騰
    4. 【理由4】騒音問題に悩まされる可能性 – 音が響きやすい構造と生活音トラブル
    5. 【理由5】掃除やメンテナンスが大変! – 特殊な素材や形状の落とし穴
    6. 【理由6】設備の故障や不具合時の対応が特殊? – 専用部品や業者探しの困難さ
    7. 【理由7】「おしゃれ疲れ」する可能性も – 奇抜さよりも落ち着ける空間が恋しくなる?
  3. それでもデザイナーズマンションに住みたいあなたへ – 後悔しないための賢い選び方
    1. 本当にデザイナーズマンションがあなたに合っているか?ライフスタイルと価値観の再確認
    2. 内見時のチェックポイント!「おしゃれ」の裏にある「暮らしやすさ」を見抜く
      1. 空間・間取りについて
      2. 設備・素材について
      3. 周辺環境・その他
    3. メリット・デメリットを天秤にかけ、妥協点を見つける
    4. 賃貸なら「お試し期間」と割り切るのも一つの手
  4. 【総括】デザイナーズマンションで後悔しないために – やめた方がいい理由の再確認

デザイナーズマンションってどんな物件? その定義と魅力の裏側

まずは、「デザイナーズマンション」がどんな物件なのか、一般的なマンションとはどう違うのか、基本的なところから一緒におさらいしてみましょうか。

「建築家がデザインしたおしゃれなマンションでしょ?」というイメージをお持ちの方が多いと思いますが、その定義や特徴を改めて確認しておくことで、この後のお話もより深く理解していただけると思います。

デザイナーズマンションの定義と一般的な特徴

実は、「デザイナーズマンション」という言葉には、明確な法的な定義があるわけではありません。一般的には、著名な建築家やデザイナーが設計・デザインを手がけたマンションや、従来の発想にとらわれない独創的なコンセプトやデザインが施されたマンションのことを指すことが多いようです。

主な特徴としては、以下のような点が挙げられます。

  • 外観・内装のデザイン性の高さ:コンクリート打ちっ放しの壁、ガラス張りのバスルーム、メゾネットタイプ、スキップフロア、吹き抜け、大きな窓、特徴的な照明など、個性的で洗練されたデザインが魅力です。
  • 素材へのこだわり:無垢材のフローリング、ステンレスキッチン、タイル張りの壁など、一般的なマンションではあまり使われないような、質感の高い素材が用いられていることがあります。
  • 空間の独創性:間取りや空間構成に工夫が凝らされ、開放感があったり、逆に隠れ家のような雰囲気だったりと、住む人のライフスタイルを刺激するような空間が提供されていることがあります。
  • 希少性・ステータス性:物件数が限られており、デザイン性の高さから「おしゃれな人が住んでいそう」といったイメージがあり、一種のステータス性を感じる人もいるかもしれません。

「自分らしい、こだわりの空間で暮らしたい」と考える人にとっては、非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。雑誌やドラマに出てくるような、おしゃれな生活を夢見る方もいらっしゃるかもしれませんね。

「おしゃれで個性的」の魅力と、住み心地の現実

デザイナーズマンションの最大の魅力は、なんといってもその「デザイン性の高さ」と「個性的な空間」ですよね。「こんな部屋に住んでみたい!」と、一目惚れしてしまうような物件に出会えるかもしれません。

友人を招いた時に「わぁ、素敵なお部屋だね!」と褒められたり、毎日その空間で過ごすこと自体が喜びになったりするのは、デザイナーズマンションならではの醍醐味と言えるでしょう。

でも、その「おしゃれさ」や「個性」が、時として日常生活における「住み心地」や「実用性」と、必ずしも両立するとは限らない、という現実も知っておく必要があります。

デザインを優先するあまり、

  • 収納が極端に少ない
  • 生活動線が考慮されていない
  • 断熱性や防音性が低い
  • 家具の配置が難しい

といった問題が生じることがあるのです。

「見た目は最高だけど、なんだか暮らしにくい…」そんな風に感じてしまう可能性があることも、頭の片隅に入れておく必要があるんですね。

不動産情報サイトSUUMOなどでも、「デザイナーズマンション特集」といった形で物件が紹介されていますが、写真や間取り図だけでなく、実際に住んだ人の口コミなども参考に、メリットとデメリットの両面から検討することが大切ですよ。

どんな人が向いている? デザイナーズマンションを選ぶということ

では、どんな人がデザイナーズマンションに向いているのでしょうか?

一般的には、

  • デザインや空間に対する強いこだわりがある人
  • 多少の不便さよりも、おしゃれさや個性を優先できる人
  • 生活感のない、スッキリとした暮らしを好む人
  • インテリアや家具選びにもこだわりたい人
  • 一般的な間取りやデザインに飽き足らない人

といった方が、デザイナーズマンションでの暮らしを楽しめる可能性が高いと言えるでしょう。

逆に、「何よりも実用性や機能性を重視したい」「収納はたくさん欲しい」「生活動線がスムーズな方がいい」と考える方にとっては、デザイナーズマンションは少し期待外れに終わってしまうかもしれません。

次の章では、こうしたデザイナーズマンションの特性を踏まえつつ、なぜ安易に「やめた方がいい」と言われることがあるのか、その具体的な理由について7つのポイントに絞って詳しく掘り下げていきたいと思います。憧れだけで決めてしまう前に、ぜひ知っておくべき大切なことなんです。

ここが問題!デザイナーズマンションはやめた方がいい7つの理由

それでは、ここからが本題です。なぜ、おしゃれで個性的な空間が魅力のはずのデザイナーズマンションが、時として「やめとけ」「後悔した」「住みにくい」と言われてしまうことがあるのでしょうか。その具体的な理由を7つ、詳しく解説していきますね。

これらは、デザイナーズマンションを選ぶ際に必ず考慮しなければならない、現実的な課題です。ご自身のライフスタイルや価値観と照らし合わせながら、じっくりと考えてみてください。

【理由1】家賃・初期費用が高い! – デザイン料が上乗せされる現実

デザイナーズマンションを選ぶ上で、まず最初に直面するのが経済的な負担の大きさです。

一般的に、同じ立地や広さ、築年数の一般的なマンションと比較して、デザイナーズマンションの家賃は高めに設定されているケースが多いです。これは、建築家やデザイナーへの設計料、こだわりの素材や建材のコスト、そして何よりも「デザイン性」という付加価値が家賃に上乗せされているためと考えられます。

家賃だけでなく、敷金や礼金といった初期費用も、家賃に比例して高くなる傾向があります。また、物件によっては「デザイン料」や「設計監理料」といった名目で、別途費用が発生する場合もあるかもしれません。

「おしゃれな部屋に住みたいけど、毎月の家賃が高くて生活が苦しい…」「初期費用が高すぎて、家具を揃えるお金がなくなっちゃった…」なんてことになっては、元も子もありませんよね。

実際に、都心部の人気エリアにあるデザイナーズマンションの家賃相場を調べてみると、同条件の一般的なマンションよりも1割~数割程度高い、というデータも見受けられます。(具体的な家賃相場は、不動産情報サイトなどでご確認ください。)

「デザイン」という目に見えない価値に対して、どれだけの費用を支払う覚悟があるのか、ご自身の経済状況と照らし合わせて慎重に判断する必要があります。「家賃は収入の3分の1まで」といった一般的な目安も参考にしつつ、無理のない範囲で物件を選びましょう。

【理由2】使い勝手が悪い奇抜な間取り – おしゃれだけど生活しづらい?

デザイナーズマンションの大きな魅力の一つが、独創的で個性的な間取りです。しかし、その「個性」が、時として日常生活における「使い勝手の悪さ」に繋がってしまうことがあるんです。

例えば、

  • 収納スペースが極端に少ない、あるいは全くない:デザイン性を優先するあまり、クローゼットや押し入れといった収納がほとんど設けられていない物件があります。生活感を出さないためには良いかもしれませんが、普段使うものや季節ものの置き場所に困ってしまいますよね。
  • 生活動線が考慮されていない:見た目はおしゃれでも、実際に生活してみると、「キッチンからダイニングまで遠い」「洗濯機置き場からバルコニーまで遠い」「トイレやお風呂の位置が不便」といった、日々の家事や生活の流れがスムーズにいかない間取りも。
  • 家具の配置が難しい:壁が斜めだったり、柱が部屋の真ん中にあったり、窓が特殊な形だったりすると、手持ちの家具がうまく配置できなかったり、置ける家具の種類が限られてしまったりします。せっかくのおしゃれな空間も、家具がちぐはぐだと台無しですよね。
  • デッドスペースが多い:デザイン性を追求した結果、部屋の隅や通路などに、うまく活用できない「デッドスペース」が生まれてしまうことも。家賃を払っているのに、使えない空間があるのはもったいないですよね。
  • ガラス張りのバスルームなど、プライバシーへの配慮不足:見た目は開放的でスタイリッシュですが、来客時や同居人がいる場合に、プライバシーが確保しにくいデザインも。

「見た瞬間に一目惚れしたけど、住んでみたら不便なことだらけだった…」そんな後悔の声は、デザイナーズマンションでは比較的よく聞かれる話です。

「デザイン性」と「実用性」のバランスが、自分にとって許容できる範囲なのかどうか、内見の際には、ただ「おしゃれ!」と感動するだけでなく、実際にそこで生活する自分を具体的にイメージしながら、隅々までチェックすることが非常に重要です。

【理由3】夏は暑く、冬は寒い? – 断熱性・気密性の問題と光熱費の高騰

デザイナーズマンションでよく採用される、コンクリート打ちっ放しの壁や、大きな窓、吹き抜けといったデザインは、確かにおしゃれで開放的な空間を演出してくれます。しかし、これらのデザインは、断熱性や気密性の面では不利になることがあり、結果として「夏は暑く、冬は寒い」という住みにくさに繋がる可能性があるのです。

  • コンクリート打ちっ放しの壁:コンクリートは熱を伝えやすいため、外気の影響を受けやすく、夏は室内に熱がこもりやすく、冬は底冷えしやすいと言われています。適切な断熱処理が施されていないと、冷暖房効率が著しく低下します。
  • 大きな窓・ガラス張りの面積が多い:窓は壁に比べて熱が出入りしやすい部分です。大きな窓やガラス張りの面積が多いデザインは、夏は日差しが強く差し込んで室温が上昇しやすく、冬は窓際から冷気が伝わってきやすい傾向があります。ペアガラスやLow-Eガラスなどが採用されていれば多少は改善されますが、それでも限界があります。
  • 吹き抜けや高い天井:空間が広いため、冷暖房が効きにくく、特に冬場は暖かい空気が上に逃げてしまい、足元が冷えやすくなります。シーリングファンなどで空気を循環させる工夫が必要になることも。

これらの結果、冷暖房費が一般的なマンションよりも高額になってしまうケースも少なくありません。「家賃が高い上に、光熱費まで高いなんて…」と、経済的な負担が二重にのしかかってくる可能性も。

見た目のおしゃれさだけでなく、断熱材の種類や施工状況、窓の性能(ペアガラスか、Low-Eガラスかなど)、換気システムの種類などを、可能な範囲で確認することが大切です。特に、最上階や角部屋、窓が多い部屋などは、外気の影響を受けやすいので注意が必要ですね。

「夏はサウナみたいで、冬は冷蔵庫みたい…エアコンをガンガンつけないと過ごせない」なんてことになったら、せっかくのおしゃれな空間も台無しです。

【理由4】騒音問題に悩まされる可能性 – 音が響きやすい構造と生活音トラブル

デザイン性を優先した結果、防音性や遮音性が犠牲になっているデザイナーズマンションも、残念ながら存在します。

例えば、

  • コンクリート打ちっ放しの壁:コンクリート自体は遮音性が高い素材ですが、壁が薄かったり、適切な防音処理が施されていなかったりすると、隣の部屋の生活音や話し声が聞こえてきやすい場合があります。また、音が反響しやすく、室内で出した音が響いてしまうことも。
  • 床材の選択:デザイン性の高いフローリング材(特に無垢材など)の中には、音が響きやすいものもあります。下の階への足音や物音が気になったり、逆に上の階からの音に悩まされたりする可能性も。
  • 間仕切り壁の薄さ:部屋と部屋を仕切る壁が薄いと、隣室の音が筒抜けになってしまうことも。
  • 吹き抜けやスキップフロア:空間が繋がっているため、音が家全体に響き渡りやすい構造です。家族間でもプライバシーを保ちにくいかもしれません。

「隣の人のテレビの音がうるさくて眠れない…」「自分の生活音が下に響いていないか、いつも気を使ってしまう…」そんな騒音トラブルは、精神的なストレスも大きく、快適な生活を著しく妨げます。

内見の際には、壁を軽く叩いてみて音の響き具合を確認したり、可能であれば隣や上下の部屋に人がいる時間帯に音の聞こえ方をチェックしたりするのが理想的です。また、不動産会社の担当者に、過去に騒音トラブルがなかったかなども、正直に聞いてみると良いでしょう。

静かで落ち着いた生活を求める方にとっては、この騒音問題は非常に大きなデメリットになり得ます。

【理由5】掃除やメンテナンスが大変! – 特殊な素材や形状の落とし穴

おしゃれなデザインやこだわりの素材は、見た目は美しいですが、その反面、日常の掃除やメンテナンスに手間がかかることがあります。

  • コンクリート打ちっ放しの壁:表面がザラザラしているためホコリが付きやすく、掃除機や雑巾での掃除がしにくい場合があります。また、結露しやすくカビが発生しやすいというデメリットも。
  • 大きな窓やガラス張りの部分:窓拭きが大変です。特に手が届きにくい高い位置にある窓や、吹き抜け部分の窓などは、専門業者にクリーニングを依頼しないとキレイにならないことも。
  • 無垢材のフローリング:木の温もりがあり魅力的ですが、水濡れや傷に弱く、定期的なワックスがけなどのメンテナンスが必要になる場合があります。
  • ステンレスキッチン:スタイリッシュですが、水垢や指紋が目立ちやすく、こまめな拭き掃除が欠かせません。
  • 特殊な形状の照明器具や設備:電球交換がしにくかったり、掃除がしにくい形状だったりすることも。
  • スキップフロアやメゾネット:段差が多いため、掃除機をかけるのが大変だったり、お掃除ロボットが使えなかったりする場合があります。

「おしゃれだけど、掃除のことを考えると気が重い…」「キレイを保つのが大変で、だんだん部屋が汚れてきちゃった…」なんてことにもなりかねません。

ズボラな方や、掃除にあまり時間をかけたくない方にとっては、デザイン性の高さが、逆に日々のストレスの原因になってしまう可能性もあるのです。

内見の際には、見た目だけでなく、「この素材は掃除しやすいかな?」「この窓は自分で拭けるかな?」といった、メンテナンスのしやすさという視点でも、物件をチェックしてみてくださいね。

【理由6】設備の故障や不具合時の対応が特殊? – 専用部品や業者探しの困難さ

デザイナーズマンションでは、一般的なマンションではあまり見かけないような、特殊なデザインの設備(キッチン、バスルーム、トイレ、照明器具、建具など)や、海外製の部品が使われていることがあります。

これらは、見た目はおしゃれで個性的ですが、万が一、故障したり不具合が生じたりした場合に、修理や交換が通常よりも難しかったり、費用が高額になったりする可能性があるのです。

  • 専用部品の入手困難:特殊なデザインの設備や海外製の部品は、国内で簡単に入手できない場合があり、取り寄せに時間がかかったり、すでに廃盤になっていて交換部品が見つからなかったりすることも。
  • 修理できる業者が限られる:一般的な設備業者では対応できず、その設備を専門に扱っている業者や、そのマンションを設計した建築家・デザイナー経由で手配しなければならない場合も。そうなると、修理費用も高くなりがちです。
  • 修理に時間がかかる:部品の取り寄せや専門業者の手配に時間がかかり、故障したまま長期間不便な生活を強いられる可能性も。

「お風呂のシャワーヘッドが壊れたけど、特殊な海外製だから、部品が届くまで1ヶ月もシャワーが使えなかった…」なんて、笑えない話も実際にあり得るのです。

普通のマンションなら、近くの水道屋さんや電気屋さんに頼めばすぐに対応してもらえるようなトラブルでも、デザイナーズマンションの場合は、そう簡単にはいかないかもしれません。

入居前に、その物件で使われている設備が、一般的なものなのか、特殊なものなのか、そして万が一故障した場合の連絡先や対応フローはどうなっているのかを、管理会社や大家さんに確認しておくことが大切ですね。特に、中古のデザイナーズマンションを購入する場合は、この点はより慎重にチェックする必要があります。

【理由7】「おしゃれ疲れ」する可能性も – 奇抜さよりも落ち着ける空間が恋しくなる?

入居した当初は、その斬新なデザインや個性的な空間に心を奪われ、「毎日が楽しい!」「こんな部屋に住めて幸せ!」と感じるかもしれません。

しかし、人間の感覚というのは不思議なもので、どんなに刺激的なものでも、毎日目にしていると徐々に慣れてきてしまうものです。そして、時にはその「奇抜さ」や「非日常感」が、逆に疲れの原因になってしまうこともあるのです。

「最初はカッコいいと思っていたコンクリート打ちっ放しの壁も、なんだか冷たくて落ち着かない…」
「大きな窓は開放的だけど、外からの視線が気になって、いつもカーテンを閉めっぱなし…」
「複雑な間取りは面白いけど、結局、シンプルで使いやすい部屋が一番リラックスできるのかも…」

そんな風に、「おしゃれ疲れ」とでも言うべき状態に陥り、もっと普通で、温かみのある、落ち着ける空間が恋しくなってしまう人もいるようです。

特に、自宅で仕事をする時間が増えたり、家族構成が変わったりと、ライフスタイルが変化した時に、その「デザイン性の高さ」が、かえって生活の足かせになってしまうことも考えられます。

住まいは、日々の疲れを癒し、安心してくつろげる場所であるべきですよね。その「くつろぎ」と「おしゃれさ」のバランスが、自分にとってどこにあるのか。そして、そのバランスは、時間が経っても変わらないものなのか。

一時の憧れや流行に流されず、本当に自分が長く心地よく暮らせる空間とは何かを、じっくりと考えてみることが大切なのかもしれませんね。

それでもデザイナーズマンションに住みたいあなたへ – 後悔しないための賢い選び方

ここまで、デザイナーズマンションを選ぶ際に注意しておきたいポイントや、「やめとけ」と言われることがある理由について、詳しくお話ししてきました。もしかしたら、「やっぱりデザイナーズマンションはやめておこうかな…」「思っていたよりデメリットが多いな…」と、少し気持ちが揺らいでしまった方もいらっしゃるかもしれませんね。

でも、これらの課題やリスクを理解した上で、それでも「どうしても、あの洗練された空間で暮らしてみたい!」「自分の個性を表現できる住まいが良い!」という強い想いをお持ちの方も、きっといらっしゃると思います。そのこだわりは、とても素晴らしいものですし、本当に気に入った空間で暮らせる喜びは、何物にも代えがたいですよね。

そんな皆さんに向けて、この章では、デザイナーズマンションを選んで後悔しないために、どんな点に注意して、どんな賢い選び方をすれば良いのか、具体的なアドバイスをお伝えしたいと思います。

本当にデザイナーズマンションがあなたに合っているか?ライフスタイルと価値観の再確認

まず、何よりも大切なのは、ご自身のライフスタイルや価値観を再確認し、それが本当にデザイナーズマンションという選択肢と合致しているのかを、もう一度冷静に考えてみることです。

なんとなく「おしゃれだから」「自慢できそうだから」といった表面的な理由だけで選んでしまうと、後で「こんなはずじゃなかった…」と後悔する可能性が高まってしまいます。

以下の点を、もう一度じっくりと考えてみてください。

  • あなたが住まいに求める一番大切なものは何ですか?(デザイン性? 実用性? 経済性? 立地? 静かさ? コミュニティ?)
  • 現在の、そして将来のライフスタイルは?(一人暮らしか、二人暮らしか、家族が増える予定はあるか? 在宅ワークは多いか? 趣味や持ち物は多いか?)
  • デザインのために、どこまでなら妥協できますか?(収納の少なさ? 家賃の高さ? 掃除の手間? 多少の住みにくさ?)
  • あなたは、どちらかというと「見た目重視」ですか、それとも「機能性重視」ですか?
  • 「生活感のない暮らし」に憧れますか、それともある程度「生活感のある温かい暮らし」が好きですか?

これらの問いに正直に答えていくことで、自分にとって本当にデザイナーズマンションが必要なのか、そして、もし住むならどんな点に注意すべきかが見えてくるはずです。

例えば、「とにかくミニマリストで、持ち物も少なく、デザイン性の高い空間でクリエイティブな仕事をしたい」という方なら、多少家賃が高くても、収納が少なくても、デザイナーズマンションは最高の選択になるかもしれません。でも、「家族が増えて、子供も小さいから、安全性と収納力、そして掃除のしやすさが最優先!」という方にとっては、一般的なファミリー向けマンションの方が適している可能性が高いですよね。

勢いで決めてしまう前に、一度立ち止まって、ご自身の心の声に耳を傾けてみてください。

内見時のチェックポイント!「おしゃれ」の裏にある「暮らしやすさ」を見抜く

気になるデザイナーズマンションが見つかったら、必ず内見に行きましょう。そして、その際には、ただ「わぁ、おしゃれ!」と感動するだけでなく、実際にそこで生活する自分を具体的にイメージしながら、以下の点を厳しくチェックすることが非常に重要です。

空間・間取りについて

  • 生活動線はスムーズか?(キッチン、リビング、寝室、バスルーム、トイレなどの配置は、日々の生活で動きやすいか?)
  • 収納スペースは十分か?どこにあるか?(クローゼット、押し入れ、シューズボックス、パントリーなど。今持っているものが全て収まりそうか?季節ものの置き場所はあるか?)
  • 家具の配置はしやすいか?(手持ちの家具が置けるか、どんな家具なら合うか、デッドスペースは多くないか?)
  • 窓の大きさ、位置、方角は?(日当たりはどうか、風通しはどうか、外からの視線は気にならないか、カーテンやブラインドは設置しやすいか?)
  • コンセントや照明スイッチの位置と数は十分か?(使いやすい位置にあるか、延長コードだらけにならないか?)

設備・素材について

  • キッチン、バスルーム、トイレの使い勝手は?(シンクの広さ、コンロの数、収納、シャワーの水圧、換気扇の性能など。デザイン優先で使いにくい点はないか?)
  • 壁、床、天井の素材は何か?(コンクリート打ちっ放しなら断熱・防音は大丈夫そうか? フローリングの傷つきやすさや手入れの方法は? 壁紙の汚れやすさは?)
  • 冷暖房設備は整っているか?その効率は?(エアコンの設置場所や能力は適切か? 吹き抜けがあるならシーリングファンはあるか?)
  • セキュリティはしっかりしているか?(オートロック、防犯カメラ、モニター付きインターホンなど。)

周辺環境・その他

  • 騒音はどうか?(窓を閉めた状態、開けた状態で、外の音はどれくらい聞こえるか? 上下左右の部屋の生活音はどうか?可能であれば、時間帯を変えて何度か確認できると理想的。)
  • 共用部分(エントランス、廊下、ゴミ置き場など)は清潔に管理されているか?
  • 管理会社の対応はどうか?(内見時に質問してみて、誠実に対応してくれるか。)

これらの点を、まるで自分がそこに住んでいるかのように、細かくシミュレーションしながらチェックすることで、「おしゃれだけど、実は住みにくいかも…」という物件を見抜くことができるはずです。メジャーやメモ帳、スマートフォン(写真撮影用)を持っていくと便利ですよ。

メリット・デメリットを天秤にかけ、妥協点を見つける

どんな物件にも、メリットとデメリットがあります。デザイナーズマンションも例外ではありません。「デザインは最高だけど、収納が少ない」「駅からは遠いけど、家賃は手頃」など、全てが完璧に自分の理想通り、ということは稀でしょう。

大切なのは、自分にとって何が譲れないポイントで、何なら妥協できるのか、その優先順位を明確にすることです。

例えば、

  • 「家賃が多少高くても、このデザインと立地は譲れない!」
  • 「収納は少ないけど、持ち物を減らしてミニマルに暮らすから問題ない!」
  • 「夏暑くて冬寒いのは困るけど、光熱費を多めに見積もって、窓断熱シートなどで対策すればなんとかなりそう!」
  • 「掃除は大変そうだけど、こまめに掃除する習慣をつければ大丈夫!」

といったように、デメリットを認識した上で、それに対する自分なりの対策や覚悟があれば、後悔する可能性は低くなります。

逆に、「デザインは気に入ったけど、やっぱり家賃が高すぎる…」「この間取りじゃ、どうしても手持ちの家具が置けない…」といった、自分にとって致命的なデメリットがある場合は、どんなに魅力的なデザインでも、見送る勇気が必要かもしれません。

不動産会社の担当者にも、正直に自分の希望や懸念点を伝え、一緒に妥協点を探ってもらうのも良いでしょう。プロの視点から、思わぬ解決策や代替案を提案してくれるかもしれません。

「完璧な物件」を求めすぎると、いつまで経っても決まらない、ということにもなりかねません。自分なりの「合格ライン」をどこに引くか、冷静に判断することが大切ですね。

賃貸なら「お試し期間」と割り切るのも一つの手

もし、デザイナーズマンションに住んでみたいけれど、本当に自分に合うか不安…という場合は、賃貸物件で、まずは「お試し期間」として短期間住んでみるというのも、一つの賢い方法かもしれません。

分譲マンションを購入してしまうと、後から「やっぱり合わなかった…」と思っても、簡単に住み替えることはできませんよね。売却するにも手間と時間がかかりますし、損失が出る可能性もあります。

しかし、賃貸であれば、契約期間(通常は2年間)が終われば、更新せずに別の物件に引っ越すことができます。もちろん、引っ越し費用や手間はかかりますが、購入に比べればリスクは格段に低いです。

「まずは2年間、憧れのデザイナーズマンションで暮らしてみて、本当に気に入ったら長く住むことを考えよう。もし合わなければ、その経験を活かして、次はもっと自分に合った物件を探そう。」

そんな風に、ある程度割り切って考えてみるのも、後悔を減らすためには有効なアプローチかもしれませんね。

ただし、賃貸の場合でも、初期費用(敷金、礼金、仲介手数料、前家賃など)はそれなりにかかりますし、短期間で引っ越しを繰り返すと、その都度費用が発生します。その点は、しっかりと予算計画に入れておく必要がありますよ。

また、人気のあるデザイナーズマンションは空きが出にくいこともありますので、根気強く物件を探す必要もあるかもしれません。

【総括】デザイナーズマンションで後悔しないために – やめた方がいい理由の再確認

さて、今回はデザイナーズマンションについて、「やめとけ」と言われることがある理由を中心に、その魅力と注意点、そしてもし住む場合の賢い選び方などをお話ししてきました。

個性的で洗練されたデザインが魅力のデザイナーズマンションですが、その一方で、家賃の高さ、使い勝手の悪さ、住環境の問題など、おしゃれさだけではカバーしきれない現実的な課題も少なくないことをご理解いただけたでしょうか。

最後にもう一度、デザイナーズマンションへの入居を慎重に考えるべき理由をまとめておきますね。

  • 理由1:家賃・初期費用が高い!
    デザイン料が上乗せされ、経済的な負担が大きくなる可能性があります。
  • 理由2:使い勝手が悪い奇抜な間取り
    おしゃれでも、収納不足や生活動線の悪さで、暮らしにくいことがあります。
  • 理由3:夏は暑く、冬は寒い可能性
    デザイン優先で断熱性・気密性が低く、光熱費が高騰することも。
  • 理由4:騒音問題に悩まされる可能性
    音が響きやすい構造で、隣室の生活音や自分の出す音に悩むことがあります。
  • 理由5:掃除やメンテナンスが大変!
    特殊な素材や形状は、日常の手入れに手間と時間がかかることがあります。
  • 理由6:設備の故障や不具合時の対応が特殊な可能性
    専用部品の入手困難や修理業者が限られるなど、トラブル対応が大変なことも。
  • 理由7:「おしゃれ疲れ」する可能性も
    奇抜さや非日常感が、かえって落ち着かない原因になることがあります。

これらの点をしっかりと理解し、ご自身のライフスタイルや価値観、そして何よりも「住まいに何を求めるのか」という本質的な問いと向き合った上で、それでも「デザイナーズマンションで暮らしたい!」という強い想いがあるのなら、その選択はきっとあなたにとって、かけがえのない豊かな経験をもたらしてくれるでしょう。その際には、この記事でお伝えしたような賢い物件選びのポイントを参考にして、後悔のない、快適でおしゃれな暮らしを実現してくださいね。

大切なのは、見た目の美しさや憧れだけで判断するのではなく、そこで実際に「生活する」という現実をしっかりと見据え、メリットもデメリットも全て受け入れる覚悟を持つことです。

この記事が、皆さんのより良い住まい選びと、心地よい毎日への、ささやかなお手伝いになれば、私も心から嬉しく思います。

UTA

会社員。営業職で着実に成果を上げ、年収は本業と副業合わせて1,X00万円。副業は投資とライティング。妻と小学生の娘と3人暮らし。休日は家族サービスと自己研鑽に励む。趣味は映画鑑賞。

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