NTTデータへの就職を考えていらっしゃる学生さんや、キャリアアップを目指して転職をご検討中の社会人の皆さん、こんにちは。「NTTデータ」と聞くと、日本を代表するIT企業で、安定していてお給料も良さそう、福利厚生も充実していそう…そんなキラキラしたイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
でも、インターネットで少し検索してみると、「NTTデータ やめとけ」とか「激務でつらい」「成長できない」なんていう、ちょっと気になる言葉も目にすることがあって、実際のところはどうなんだろう?と不安に感じてしまうこともあるかもしれませんね。
この記事では、そんな皆さんの疑問や不安に寄り添いながら、NTTデータへの就職を一度立ち止まってじっくりと考えてみるための情報や、入社してから「こんなはずじゃなかった…」と後悔したり、大切なキャリアで失敗したと感じたりしないために知っておくべき厳しい現実について、丁寧に解説していきたいと思います。
この記事でお伝えしたいこと
- NTTデータの事業概要と、日本社会におけるITインフラを支える重要な役割
- NTTデータへの就職を「やめとけ」と言われてしまう具体的な理由5つ
- NTTデータで働く上で覚悟しておくべきことや、ミスマッチが起こりやすいポイント
- それでもNTTデータでITのプロフェッショナルとして社会に貢献したい!という場合の心構えと対策
- NTTデータへの就職で後悔や失敗を避けるために、最終確認しておきたい大切なこと
NTTデータの概要 – 日本を代表するSIerの実像と課題
まずは、NTTデータという会社がどんな会社なのか、基本的なところから一緒に見ていきましょう。皆さんが普段何気なく利用している便利なサービスや社会の仕組みを、実はITの力で裏側からがっちりと支えている、とても大きな存在なんですよ。
NTTデータとは? – 社会インフラを支える巨大IT企業
株式会社NTTデータグループは、1988年に日本電信電話株式会社(NTT)のデータ通信事業本部が分社化して誕生した、日本最大級のシステムインテグレーター(SIer)です。官公庁や自治体、金融機関、製造業、流通業など、本当に幅広い分野のお客様に対して、情報システムの企画・設計・開発から運用・保守までをトータルで提供しています。
皆さんの暮らしに身近なところで言うと、銀行のATMシステムやクレジットカードの決済システム、気象庁の予報システム、さらには選挙の開票システムなど、社会の根幹をなす重要な情報インフラの多くに、NTTデータが深く関わっているんです。まさに、日本の社会基盤をITの力で支える、なくてはならない存在と言えるでしょう。
NTTグループという強固なバックボーンを持ち、国内だけでなく海外にも積極的に事業を展開していて、世界50以上の国と地域でビジネスを行っている、グローバルなIT企業でもあるんですよ。

システムエンジニアやITコンサルタント、プロジェクトマネージャーといった専門職の方々が、日々、複雑で大規模なシステムを構築し、私たちの社会を動かし続けてくださっているんですね。
NTTデータの企業データ – 数字が語る「安定」と「激務」の側面
それでは次に、NTTデータの企業データをいくつか見てみましょう。こうした客観的な数字は、会社の実態を知るための一つの大切な手がかりになります。
項目 | データ | 備考 |
---|---|---|
会社名 | 株式会社NTTデータグループ | |
設立 | 1988年5月23日 | 実質的な事業開始は1995年4月 |
本社所在地 | 東京都江東区豊洲3-3-3 豊洲センタービル | |
代表者名 | 佐々木 裕 | (2024年6月時点) |
資本金 | 1,425億2千万円 | (2024年3月31日現在) |
従業員数(連結) | 約197,893名 | (2024年3月31日現在) |
上場区分 | 上場(東証プライム) | 証券コード: 9613 |
働き方に関するデータも見てみましょう。ある調査によると、以下のようになっています。
- 月平均所定外労働時間(単体): 23.4時間
- 年次有給休暇取得日数(単体): 16.9日(付与日数20.7日なので取得率約81.6%)
月平均残業時間は23.4時間と、IT業界の平均と比較すると、やや落ち着いているように見えるかもしれません。しかし、これはあくまで平均値であり、プロジェクトの繁忙期や担当業務によっては、これを大幅に超えることも十分に考えられます。有給休暇の取得率は81.6%と高い水準で、これは会社としてワークライフバランスを推進しようという姿勢の表れと言えそうですね。ただ、実際に希望通りに取得できるかは、部署や時期にもよるかもしれません。
平均年収については、NTTデータグループの有価証券報告書(2024年3月期)によると、提出会社(株式会社NTTデータグループ単体)の平均年間給与は約870万円と記載されています。これは日本の平均給与と比較するとかなり高い水準であり、「高給取り」というイメージに繋がる要因の一つでしょう。ただし、これはあくまでグループ本社単体の平均であり、職種や年齢、役職、評価によって大きく変動しますし、国内外の子会社などでは条件が異なる点に注意が必要です。
NTTデータグループのIR情報やサステナビリティに関する報告書は、公式サイトで公開されています。企業の財務状況や働き方に関する取り組みについて、より詳しく知りたい方はぜひご覧になってみてくださいね。NTTデータグループ IR情報
世間の評判 – 「エリート集団」「高給激務」イメージと実態のギャップ
NTTデータと聞くと、多くの方が「高学歴なエリートが集まる会社」「給料が高くて安定している」「社会貢献度の高い仕事ができる」といった、非常にポジティブなイメージを抱くのではないでしょうか。実際に、就職人気ランキングでも常に上位に位置する人気企業ですよね。
その一方で、「仕事がとにかく激務で残業が多い」「縦割り文化が強くて動きが遅い」「古い体質が残っているのでは」といった、少しネガティブな評判も耳にすることがあります。「高給の裏にはそれなりの大変さがあるのだろう」と想像する方もいらっしゃるかもしれませんね。
この、華やかなイメージと、そこで働く人たちが実際に感じているかもしれない厳しさとの間にあるギャップが、「NTTデータはやめとけ」という声が一部で聞かれる背景にあるのかもしれません。次の章では、この「やめとけ」と言われる具体的な理由について、もう少し深く掘り下げて見ていきたいと思います。
NTTデータへの就職はやめとけ?お勧めできない厳しい理由5選
ここからは、NTTデータへの就職を一度立ち止まって、じっくりと考え直した方が良いかもしれない、具体的な理由を5つご紹介します。もちろん、これらの点が全ての人にとって決定的なデメリットになるわけではありませんし、NTTデータで働くことの大きな魅力や達成感も間違いなく存在します。ただ、入社後に「こんなはずじゃなかった…」と大切なキャリアで後悔しないためには、少し厳しい視点も持っておくことが、とても大切だと私は思うんです。
【理由1】想像を絶する激務と常態化する長時間労働 – 「ワークライフバランス」の幻想
NTTデータの月平均残業時間は23.4時間(2022年度単体実績)と公表されていますが、これはあくまで全社平均の数字です。IT業界、特に大規模なシステム開発を請け負うSIerの宿命とも言えますが、プロジェクトのフェーズや状況によっては、この数字をはるかに超える長時間労働が常態化するケースも少なくありません。
例えば、金融機関の基幹システム更改や、官公庁の大型案件など、社会的影響が大きく絶対に失敗が許されないプロジェクトでは、納期前の数ヶ月間は連日の深夜残業や休日出勤も覚悟しなければならない場面が出てくるでしょう。また、システム稼働後の予期せぬトラブル対応や、急な仕様変更への対応など、突発的な激務が発生することも日常茶飯事です。
こうした環境では、体力的な消耗はもちろんのこと、精神的なプレッシャーも相当なものになります。「ワークライフバランスを重視したい」と考えている方にとっては、理想と現実の大きなギャップに苦しむことになるかもしれません。有給休暇取得率が高いといっても、繁忙期には休みたくても休めない、という状況に陥る可能性は十分に考えられます。

実際に、社員の方や元社員の方の声として、こんな意見も聞かれます。
「プロジェクトが炎上した時は、月100時間超えの残業も経験した。体力も精神も限界だった。代休は取れても、疲れが抜けきる前に次の繁忙期が来る感じだった。」(IT業界の口コミサイトより)
「高給」と言われる背景には、こうした厳しい労働環境があることも理解しておく必要があります。健康を損なってしまっては元も子もありませんよね。
NTTデータに限らず、大規模SIerで働くということは、ある程度の激務は覚悟する必要があるかもしれません。ご自身の体力やストレス耐性、そして仕事に求めるものをよく考えることが大切です。
【理由2】巨大組織特有の縦割り文化と意思決定の遅さ – 「個」が埋もれる可能性
NTTデータグループは、連結で約20万人もの従業員を抱える、まさに巨大な組織です。これほど大きな組織になると、どうしても部門間の連携が取りにくくなったり、意思決定のプロセスが複雑で時間がかかったりする、いわゆる「大企業病」とも言われるような側面が出てきやすくなります。
特に、歴史のある大企業では、「縦割り文化」が根強く残っていることがあります。自分の所属する部門の利益や権限が優先され、他の部門との情報共有や協力がスムーズに進まない、といったケースも少なくありません。そうなると、会社全体としての一体感が生まれにくく、個々の社員が持つ能力やアイデアが十分に活かされないという、非常にもったいない状況に陥ってしまうこともあります。
何か新しい提案をしようとしても、何段階もの承認プロセス(いわゆる稟議)を経なければならず、その間に市場の状況が変わってしまったり、モチベーションが低下してしまったりすることも考えられます。スピード感が求められるIT業界において、この意思決定の遅さは、時に致命的なハンデとなりかねません。
「若いうちから責任ある仕事を任されたい」「自分のアイデアで会社を動かしたい」というベンチャー志向の強い方や、フラットな組織で自由に意見を言い合える環境を求める方にとっては、NTTデータの組織文化は少し窮屈に感じてしまうかもしれません。「自分は巨大な組織の歯車の一つでしかないのではないか」と、無力感を覚えてしまう瞬間もあるかもしれませんね。

【理由3】レガシーシステムと技術的負債 – 最新技術に触れられない?キャリア停滞リスク
NTTデータが手掛けるシステムの中には、官公庁や金融機関といった、社会の根幹を支える非常に重要なものが数多く含まれています。これらのシステムは、一度構築されると長期間にわたって安定稼働することが求められるため、必然的に古い技術基盤(いわゆるレガシーシステム)で構築・運用されているケースも少なくありません。
もちろん、NTTデータでもAI、クラウド、IoTといった最新技術への取り組みは積極的に行われていますし、そうした分野での新しいプロジェクトも増えています。しかし、配属される部署や担当するプロジェクトによっては、長年使われ続けてきた既存システムの保守・運用や、それに伴う改修作業が業務の中心になる可能性も十分にあります。
そうした場合、COBOLや汎用機といった、市場では需要が減りつつある古い技術に長期間触れることになり、「技術者として最新のスキルを身につけて市場価値を高めたい」と考える方にとっては、キャリアパスに不安を感じるかもしれません。新しい技術を学びたいという意欲があっても、日々の業務に追われてなかなかその機会が得られない、といったジレンマに陥ることも考えられます。
「自分は本当に市場で通用する技術者になれるのだろうか」「このままではキャリアが停滞してしまうのではないか」という「技術的負債」ならぬ「キャリア的負債」を抱えてしまうリスクも、ITエンジニアにとっては無視できないポイントですよね。
実際に、こんな声も聞かれます。
「金融系の部署に配属され、10年以上前のシステムをCOBOLで改修する日々。最新技術の勉強は自分でやるしかないが、業務が忙しくてなかなか時間が取れない。」(転職相談フォーラムの書き込みより)
NTTデータには多様なプロジェクトがありますが、必ずしも自分が希望する最新技術の案件にアサインされるとは限りません。レガシーな技術と向き合う覚悟も必要かもしれませんね。
【理由4】「NTT」ブランド頼みの体質とぬるま湯的環境への懸念 – 成長機会の喪失
NTTデータは、NTTグループという巨大なブランド力と安定した顧客基盤を持っています。特に官公庁や大手企業からの信頼は厚く、継続的に大規模な案件を受注できるのは大きな強みです。しかし、その「安定」が、時に社員の成長意欲を削いでしまう「ぬるま湯」的な環境を生み出してしまうのではないか、という懸念も一部では指摘されています。
常に厳しい競争に晒されている独立系のIT企業や、ハングリー精神旺盛なベンチャー企業と比較すると、NTTデータの一部の部署では、危機感や競争意識が薄く、現状維持を良しとするような雰囲気がないとは言えません。上から言われたことをこなしていれば、ある程度の評価と給与は保証される、といった状況に慣れてしまうと、自ら新しいことに挑戦したり、困難な課題に立ち向かったりする意欲が失われてしまうかもしれません。
「若いうちは苦労してでも、市場で通用する本物の実力をつけたい」「常に新しい知識やスキルを吸収して成長し続けたい」と考える向上心の高い方にとっては、こうした環境は物足りなく感じてしまう可能性があります。「安定」と引き換えに「成長機会」を失ってしまうことにならないか、慎重に考える必要があるでしょう。
もちろん、NTTデータの中にも、高い志を持って自己研鑽に励み、会社を変えようと努力している社員の方々もたくさんいらっしゃいます。しかし、組織全体の文化として、どこか「NTTブランドにあぐらをかいている」ような側面がないとは言い切れない、という声も残念ながら聞かれることがあるんです。
【理由5】グローバル展開の理想と現実 – 海外勤務は一部のエリートのみ?
NTTデータは、積極的にグローバル展開を推進しており、M&Aなどを通じて海外の事業基盤を急速に拡大しています。連結従業員の半数以上が海外拠点の社員であり、「グローバルIT企業」としての姿を鮮明に打ち出しています。将来的に海外で活躍したいと考えている学生さんや社会人の方にとって、これは大きな魅力に映るかもしれませんね。
しかし、実際に新卒や中途で入社した社員が、誰もがすぐに海外案件に携われたり、海外赴任のチャンスを得られたりするわけではないのが現実です。特に若手のうちは、国内のプロジェクトで経験を積むことが優先されるケースが多いでしょう。そして、海外勤務の切符を手にできるのは、語学力はもちろんのこと、専門性や実績、社内での評価など、様々な要素をクリアした一部の優秀な人材に限られる、という厳しい側面もあります。
「グローバルに活躍したい!」という大きな夢を抱いて入社したものの、長年国内のドメスティックな案件に従事し続け、なかなかその機会が巡ってこない…という状況に、理想と現実のギャップを感じてしまう方もいるかもしれません。「いつかは海外へ」という漠然とした期待だけでは、モチベーションを維持するのが難しくなることも考えられます。

もちろん、国内の仕事でもグローバルな視点を持って取り組むことは可能ですし、海外拠点との連携プロジェクトなどもあります。しかし、実際に海外の地で働くことを強く望んでいるのであれば、その実現可能性や具体的なキャリアパスについて、入社前にしっかりと情報収集しておくことが不可欠ですね。
それでもNTTデータで働きたい!後悔しないための心構えと対策
ここまで、NTTデータへの就職について、少し厳しい側面を中心にお伝えしてきました。もしかしたら、「やっぱり自分には向いていないかもしれない…」と不安に感じた方もいらっしゃるかもしれませんね。でも、ちょっと待ってください。これらのネガティブな情報を理解した上で、それでも「NTTデータで社会に貢献したい!」「大規模プロジェクトに挑戦したい!」という強い気持ちをお持ちなのであれば、その熱意を諦める必要は全くありません。
大切なのは、現実をしっかりと受け止め、その上でどうすれば入社後に後悔しない選択ができるかを考え、具体的な準備をすることです。ここでは、それでもNTTデータで働くことを目指す皆さんに、後悔しないための心構えと具体的な対策について、私なりのアドバイスをお伝えしたいと思います。
「なぜNTTデータなのか」強固な志望動機を確立する
まず何よりも大切なのは、「なぜ自分は数あるIT企業の中で、NTTデータで働きたいのか」という志望動機を、これでもかというくらい深く、そして具体的に掘り下げることです。「安定しているから」「給料が良いから」「大手だから安心」といった漠然とした理由だけでは、入社後に厳しい現実に直面したときに、心が折れてしまうかもしれません。
そうではなく、「日本の社会インフラを根底から支えるという使命感に共感した」「世界に影響を与えるような大規模で複雑なプロジェクトに、チームの一員として挑戦したい」「NTTデータが持つ多様なリソースを活用して、特定の分野で専門性を究めたい」といった、具体的で、あなた自身の言葉で語れる、揺るぎない動機を見つけ出すことが重要です。
NTTデータの企業理念や事業戦略、そして手掛けているプロジェクト事例などを徹底的に調べ、ご自身の価値観やこれまでの経験、将来の夢と、どこで共鳴し、どのように貢献できるのかを明確にしましょう。その熱い想いが、先ほど挙げたような厳しい側面を乗り越えるための、大きな原動力になるはずです。
徹底的な情報収集とリアルな実態把握
会社のホームページや採用パンフレットに書かれている情報は、もちろん参考になりますが、それだけでは見えてこない「現場のリアルな声」に触れることが、入社後のミスマッチを防ぐためには非常に重要です。可能であれば、OB・OG訪問をしたり、インターンシップや会社説明会に積極的に参加したりして、実際に働いている社員の方々と直接話す機会をできるだけ多く持ちましょう。
大学のキャリアセンターを通じて紹介してもらったり、社員訪問アプリなどを活用したりするのも良い方法です。その際には、仕事のやりがいや魅力といった良い面だけでなく、「入社前に抱いていたイメージと、実際に働いてみてギャップを感じた点はありますか?」「残業時間の実態や、有給休暇の取りやすさはどうですか?」「若手社員の成長環境や、キャリアパスについて具体的に教えてください」といった、少し踏み込んだ質問も勇気を持ってしてみることをお勧めします。
特に、ご自身が興味のある分野や職種で働いている方、あるいは年齢の近い若手社員の方から話を聞けると、より具体的なイメージが湧きやすいでしょう。複数の社員の方から多角的な情報を得ることで、偏りのない判断ができるようになります。
インターネット上の口コミサイトの情報は、あくまで個人の感想であり、中には偏った意見や古い情報も含まれている可能性があります。鵜呑みにせず、必ず複数の情報源と照らし合わせ、ご自身で真偽を見極めるようにしましょうね。

主体的なキャリア形成とスキルアップの意識
NTTデータのような巨大な組織では、会社が個人のキャリアを全て手取り足取りお膳立てしてくれるわけではありません。特に変化の激しいIT業界で技術者として生き残っていくためには、常に新しい技術トレンドをキャッチアップし、主体的に学び続けるという強い意志と行動力が不可欠です。
会社が提供する研修制度や資格取得支援制度は、もちろん最大限に活用すべきです。しかし、それだけに頼るのではなく、業務外でも技術書を読んだり、オンラインの学習プラットフォームで学んだり、社外の勉強会やセミナーに参加したりと、自己研鑽を怠らないようにしましょう。最新技術に触れる機会が少ない部署に配属されたとしても、自分でアンテナを高く張り、新しい知識を吸収し続ける努力が大切です。
そして、「将来どんなITプロフェッショナルになりたいのか」「どんな分野で専門性を高め、社会に貢献したいのか」といったキャリアビジョンを自分自身で描き、それを実現するためにどう行動すべきかを主体的にデザインしていく意識が重要です。「会社にキャリアを作ってもらう」のではなく、「会社というプラットフォームを活用して、自分でキャリアを切り拓いていく」という気概を持ってくださいね。社内公募制度などがあれば、積極的に手を挙げてみるのも良い経験になるでしょう。
ワークライフバランスの確保と自己管理能力
NTTデータで働く上で、プロジェクトによっては長時間労働を避けられない場面もあるかもしれません。だからこそ、自分自身で意識的にワークライフバランスをコントロールし、心身の健康を維持するための自己管理能力が非常に重要になってきます。
例えば、
- 仕事の優先順位をつけ、効率的に業務を進める工夫をする。
- 有給休暇は計画的に取得し、しっかりとリフレッシュする時間を作る。
- 適度な運動習慣やバランスの取れた食事を心がけ、体調管理を徹底する。
- ストレスを溜め込まないように、自分なりのリフレッシュ方法を見つけておく。
- 悩みや不安を感じたときには、一人で抱え込まずに信頼できる人に相談する。
といったことを、日頃から意識して実践することが大切です。
「やらされる残業」ではなく、質の高いアウトプットを出すために集中して取り組み、結果として残業が必要になる場合でも、それは「主体的な業務遂行の結果」であるべきです。そして、休むべき時にはしっかりと休み、オンとオフのメリハリをつけることが、長く健康に働き続けるための秘訣ではないでしょうか。
社内政治や人間関係構築の重要性も理解する
少し現実的なお話になりますが、NTTデータのような大きな組織でスムーズに仕事を進め、自分のやりたいことを実現していくためには、ある程度の「社内政治力」や、良好な人間関係を構築するコミュニケーション能力も、残念ながら必要になってくる場面があるかもしれません。
縦割り文化が強いのであれば、それを嘆くだけでなく、他部署のキーパーソンと積極的にコミュニケーションを取り、部門を越えた協力体制を築く努力をするのも一つの方法です。自分の意見をしっかりと持ちつつも、相手の立場や意見を尊重し、粘り強く合意形成を図っていくスキルは、どんな組織でも役立つはずです。
もちろん、実力や成果が最も重要であることは言うまでもありません。しかし、「あの人と一緒に仕事がしたい」「あの人の頼みなら聞いてあげよう」と思われるような人間力も、時には大きな武器になるということを、頭の片隅に置いておいても良いかもしれませんね。
NTTデータへの就職はやめとけ?後悔しないためのポイント総括
さて、ここまでNTTデータへの就職について、その魅力と同時に厳しい側面、そして後悔しないための心構えについて、詳しくお話ししてきました。最後に、この記事でお伝えしたかった大切なポイントを、皆さんが最終的な決断をする上でのチェックリストとして、もう一度まとめておきたいと思います。
- NTTデータは、日本の社会インフラを支える非常に大規模でやりがいのある仕事に携われる、安定性とブランド力を兼ね備えた企業ですが、その裏には、プロジェクトによっては過酷な長時間労働、巨大組織特有の縦割り文化や意思決定の遅さ、レガシー技術との関わり、成長機会への懸念、グローバルキャリアの現実といった、覚悟しておくべき厳しい側面も存在します。
- 「NTTブランドだから安心」「高給だから魅力的」といった表面的な理由や、漠然とした憧れだけで就職を決めてしまうと、入社後に理想と現実のギャップに苦しみ、早期離職やキャリアプランの失敗に繋がってしまう危険性も否定できません。
- 最も重要なのは、良い面も悪い面も含めて、NTTデータという会社について徹底的に、そして多角的に調べ、深く理解することです。その上で、ご自身の価値観、仕事に求めるもの、体力やストレス耐性、そして将来のキャリアプランやライフプランと照らし合わせ、本当に自分に合っているのかを冷静に、そして真剣に判断することが何よりも求められます。
- もし、これらの厳しい現実を全て理解した上で、それでもなお「NTTデータで日本のITを支えたい!」「世界を変えるような大規模プロジェクトに挑戦したい!」という揺るぎない情熱と覚悟があるのであれば、ぜひその道に進んでください。その際には、明確な志望動機を持ち、リアルな情報を徹底的に収集し、主体的なキャリア形成とスキルアップの意識を常に持ち続けることが、後悔しないための鍵となります。
- 入社後も、ワークライフバランスを意識した自己管理能力を高め、時には社内での立ち回りも考えながら、常に前向きに、そして主体的に仕事に取り組む姿勢が、充実した職業生活を送るためには不可欠です。
就職活動は、皆さんのこれからの人生を左右する、本当に大きな、そして大切な決断の一つです。この記事が、NTTデータへの就職を真剣に考えていらっしゃる皆さんが、より深く企業を理解し、そして何よりもご自身にとって最良の選択をするための一助となれば、私としてもうれしい限りです。
皆さんの輝かしい未来と、実りあるキャリアを、心から応援しています!