最近、テレビCMやインターネット広告で「プログラミングスクール」という言葉をよく見聞きするようになりましたよね。「手に職をつけたい」「将来性のあるスキルを身につけたい」「ITエンジニアに転職してキャリアアップしたい!」そんな風に考えて、プログラミングスクールに興味をお持ちの学生さんや社会人の方も、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
でも、ちょっと待ってください。インターネットで検索してみると、「プログラミングスクール やめとけ」「意味ない」「後悔した」なんて、少し不安になるような言葉も目にすることがあります。本当にスクールに通えば、夢のような未来が待っているのでしょうか?
高額な受講料を支払って、貴重な時間を投資するわけですから、絶対に失敗したくないですよね。今回は、プログラミングスクールの魅力の裏に潜む落とし穴や、入校してから「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないために知っておくべき現実について、詳しく、そして分かりやすく解説していきたいと思います。この記事を読めば、プログラミングスクールが本当にあなたにとって最善の選択なのか、冷静に考えるきっかけになるはずですよ。
この記事でお伝えしたいこと
- プログラミングスクールの基本的な仕組みと、なぜ今人気なのか
- プログラミングスクールを「やめとけ」と言われる7つの具体的な理由
- 高額な受講料、誇大広告、カリキュラムの質に関する疑問点
- 卒業後の就職・転職サポートの実態と、キャリアチェンジの厳しさ
- それでもプログラミングスクールを検討する場合の賢い選び方と心構え
- 後悔しないための情報収集の重要性と、ご自身の適性を見極めるヒント
プログラミングスクールってどんなところ?まずは基本を知ろう
まずはじめに、プログラミングスクールがどんな場所で、何を目指しているのか、基本的なところからご説明しますね。そして、なぜ今の時代に、これほどまでに多くの人がプログラミングスクールに注目しているのか、その背景にも触れてみたいと思います。
プログラミングスクールとは?その目的と種類
プログラミングスクールは、その名の通り、プログラミング言語やWebデザイン、アプリ開発といったITスキルを学ぶための学校のようなものです。未経験者や初心者の方でも、短期間で集中的に知識や技術を習得し、ITエンジニアとしての就職や転職、フリーランスとしての独立、あるいは副業で収入を得ることを目指す方が多く通われています。
スクールの形態も様々で、
- 通学型(オフライン):実際に教室に通って、講師から直接指導を受けるスタイルです。仲間と一緒に学べるメリットがあります。
- オンライン型:インターネットを通じて、自宅などで自分のペースで学習を進めるスタイルです。時間や場所に縛られない利便性があります。
- 短期集中型:数週間から数ヶ月で、集中的に特定のスキルを習得することを目指します。
- 長期型:半年から1年以上かけて、じっくりと幅広い知識を学ぶコースもあります。
- 特化型:Web制作、アプリ開発、AI、データサイエンスなど、特定の分野に特化したカリキュラムを提供しています。
- 総合型:複数の分野を幅広く学べるコースを用意しています。
など、自分の目的やライフスタイルに合わせて選ぶことができます。多くのスクールでは、現役エンジニアが講師を務めていたり、キャリアサポートが付いていたりするのも特徴ですね。
なぜ今、プログラミングスクールが人気なの?その背景にあるもの
では、なぜ今、これほどまでにプログラミングスクールが注目を集めているのでしょうか。その背景には、いくつかの社会的な要因があると考えられます。
- IT人材の深刻な不足:経済産業省の調査によると、日本では2030年には最大で約79万人のIT人材が不足すると予測されています。このため、企業はITスキルを持つ人材を積極的に採用しようとしており、プログラミングスキルが市場価値の高い能力として認識されるようになりました。(参考:IT人材需給に関する調査 – 経済産業省)
- 働き方の多様化と副業ブーム:テレワークの普及や、個人のスキルを活かした副業への関心の高まりから、場所を選ばずに働けるプログラミングスキルを身につけたいと考える人が増えています。
- リスキリングの必要性:デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展により、あらゆる業界でITスキルが求められるようになり、現役の社会人が新しいスキルを習得する「リスキリング」の一環としてプログラミングを選ぶケースも増えています。
- 将来への漠然とした不安:終身雇用制度の崩壊や年金問題など、将来への不安から、専門的なスキルを身につけて自分の力で稼げるようになりたいと考える人が増えていることも一因かもしれません。

こうした背景から、「プログラミングを学べば、明るい未来が開けるかもしれない!」と期待して、多くの方がプログラミングスクールの門を叩いているんですね。でも、その期待が必ずしも現実になるとは限らないのが、難しいところなんです。
プログラミングスクールはやめた方がいい!後悔する7つの深刻な理由
ここからは、プログラミングスクールの利用を慎重に考えた方が良い理由、つまり「やめとけ」と言われる具体的なポイントを7つに絞って、詳しく解説していきます。魅力的な広告や宣伝文句の裏に隠された現実を知ることで、冷静な判断ができるようになるはずです。
【理由1】驚くほど高額な受講費用!本当に元は取れるの?
プログラミングスクールの受講費用は、決して安くありません。むしろ、かなり高額と言えるでしょう。コース内容や期間によって異なりますが、一般的に
- 数ヶ月の短期集中コースでも、数十万円(30万円~70万円程度)
- 半年以上の長期コースや、より専門的な内容になると、100万円を超える
といった費用がかかるのが相場です。これは、学生さんにとってはアルバイト代の大部分が、社会人の方にとってもボーナスが丸々飛んでしまうような金額ですよね。
多くのスクールでは、分割払いや教育ローンを利用できることをアピールしていますが、金利手数料が上乗せされるため、総支払額はさらに膨らみます。また、教材費やパソコンレンタル料などが別途かかる場合もあります。
問題なのは、この高額な投資に見合うだけのスキルが本当に身につき、元が取れるのかどうか、という点です。スクールを卒業してすぐに高収入のエンジニアになれる保証はどこにもありません。むしろ、後述するように、厳しい現実に直面するケースも少なくないのです。

「自己投資だから」と安易に高額な契約をしてしまう前に、本当にその金額を支払う価値があるのか、他の学習方法と比較してどうなのかを、冷静に考える必要があります。費用対効果をしっかりと見極めないと、後で大きな後悔をすることになりかねません。
【理由2】「未経験からエンジニア」の甘い言葉と厳しい現実
多くのプログラミングスクールが、「未経験からでも安心!」「誰でもITエンジニアになれる!」「卒業後は高収入も夢じゃない!」といった、魅力的なキャッチコピーで受講生を募集しています。しかし、この甘い言葉を鵜呑みにしてしまうのは非常に危険です。
確かに、スクールで基礎を学ぶことで、プログラミングの世界への第一歩を踏み出すことは可能です。しかし、数ヶ月程度の学習で、企業が求める即戦力レベルのスキルを身につけるのは、正直なところ非常に難しいのが現実です。
実際に、スクール卒業生の声として、
「スクールでは簡単なWebサイトを作れるようになったけど、いざ就職活動を始めたら、企業が求めるレベルの高さに愕然とした。ポートフォリオも『おもちゃレベル』と酷評され、なかなか内定が出なかった。」(個人のブログより)
「『転職成功率98%』という言葉を信じて入校したが、紹介されたのはSES(客先常駐)や派遣の案件ばかり。しかも、給料も前職より下がってしまった。こんなはずじゃなかった…。」(SNSの投稿より)
といった、厳しい現実を目の当たりにしたという体験談も少なくありません。
「未経験からでもなれる」のは事実かもしれませんが、「誰でも簡単になれる」「すぐに高収入が得られる」というのは幻想に近いと言わざるを得ません。プロのエンジニアとして活躍するためには、スクール卒業後も、地道な努力と継続的な学習が不可欠なのです。
スクールの広告は、あくまで「良い面」を強調していることが多いということを理解し、過度な期待はしないようにしましょう。
【理由3】カリキュラムの質と内容に疑問?本当に実践的なスキルが身につくのか
プログラミングスクールの質を左右する重要な要素の一つが、カリキュラムの内容です。しかし、このカリキュラムの質についても、疑問の声が聞かれることがあります。
- 情報が古い、または偏っている:IT業界の技術トレンドは日進月歩です。しかし、一部のスクールでは、数年前の古い技術や、特定のフレームワークに偏った内容しか教えていないケースがあるようです。これでは、現場で通用するスキルが身につきにくい可能性があります。
- 表面的な知識の詰め込みになりがち:短期間で成果を出そうとするあまり、プログラミングの「なぜそうなるのか」という本質的な理解よりも、コードの書き方やツールの使い方といった表面的な知識の習得に終始してしまうことがあります。これでは、応用力や問題解決能力が養われません。
- 講師の質にばらつきがある:全ての講師が現役のトップエンジニアというわけではありません。中には、実務経験が浅い講師や、教えるスキルが未熟な講師が担当している場合もあるようです。また、オンラインスクールの場合、質問への回答が遅かったり、的確なアドバイスがもらえなかったりするケースも。
- 自習と変わらない内容の可能性:提供される教材が、市販の書籍やオンライン学習サイト(Progateやドットインストールなど)の内容をまとめただけ、というようなスクールも残念ながら存在するようです。これでは、高額な受講料を支払う意味が薄れてしまいますよね。
特に注意したいのは、「〇〇言語コース」といった特定の言語や技術だけを学ぶコースです。もちろん、何か一つを深く学ぶことは大切ですが、それだけでは実際の開発現場で対応できない場面が多く出てきます。データベースの知識、サーバーの知識、バージョン管理システムの使い方など、周辺技術も含めた総合的なスキルが求められるのです。
スクールを選ぶ際には、カリキュラムが最新の技術トレンドに対応しているか、実践的な内容になっているか、講師の質はどうか、といった点をしっかりと確認する必要があります。
【理由4】手厚いサポートの裏側と「自分で考える力」の低下
多くのプログラミングスクールが、「いつでも質問し放題!」「専属メンターが徹底サポート!」といった手厚いサポート体制を売りにしています。これは一見、初心者にとっては心強いシステムのように思えますよね。しかし、この過度なサポートが、かえって「自分で考える力」や「自走力」を削いでしまう可能性があるという指摘もあるんです。
プロのエンジニアとして仕事をする上では、未知の問題に直面した際に、
- 自分で情報を調べる(公式ドキュメントを読む、エラーメッセージで検索する)
- 原因を分析する
- 仮説を立てて試行錯誤する
といった、自力での問題解決能力が非常に重要になります。しかし、スクールで「分からないことがあったらすぐに質問できる」という環境に慣れてしまうと、自分で粘り強く考える前に、安易に答えを求めてしまうクセがついてしまうかもしれません。
もちろん、適切なタイミングでの質問や相談は学習効率を高める上で有効です。でも、メンターが手取り足取り教えてくれる環境にどっぷり浸かってしまうと、いざ一人で開発現場に出た時に、誰も助けてくれない状況で途方に暮れてしまう…なんてことにもなりかねません。
「教えてもらう」ことと「自分で学ぶ」ことのバランスが非常に大切なんです。スクールのサポートはあくまで補助的なものと捉え、主体的に学習を進める姿勢がなければ、本当の意味での実力は身につきにくいでしょう。
【理由5】卒業後のキャリアパスは保証されない!就職・転職サポートの実態
「転職成功率〇〇%!」「有名企業への就職実績多数!」といった謳い文句で、手厚い就職・転職サポートをアピールするプログラミングスクールも多いですよね。しかし、このサポートの実態についても、注意深く見る必要があります。
まず、「転職成功率」という数字のカラクリに注意が必要です。この「成功」の定義が曖昧な場合が多く、
- 正社員だけでなく、派遣社員やアルバイトとしての就職も含まれている。
- 必ずしも本人が希望する職種や企業ではない場合も「成功」とカウントされている。
- スクールが紹介する特定の企業群(いわゆるSES企業など)への就職が大半を占めている。
といったケースが考えられます。SES(システムエンジニアリングサービス)とは、IT企業が自社のエンジニアを他の企業に派遣する業態のことで、必ずしも悪いわけではありませんが、企業の規模や待遇、キャリアパスの面で、自社開発企業やWebサービス企業などと比べて見劣りする場合があるのも事実です。
紹介される求人の質についても、冷静に見極める必要があります。スクールによっては、未経験者でも比較的採用されやすい、いわゆる「入り口」となるような求人(テスト業務や運用保守など、開発業務とは少し異なる職種)を中心に紹介している場合もあります。
また、「転職保証制度」を設けているスクールもありますが、これにも細かい条件(年齢制限、出席率、課題提出状況、指定企業への応募数など)が付いていることが多く、条件を満たせずに保証対象外となるケースや、保証内容が期待したほど手厚くないということも。契約前に、保証の適用条件や内容を隅々まで確認することが不可欠です。

結局のところ、スクールはあくまで「きっかけ」を提供してくれる場所に過ぎず、最終的に希望するキャリアを掴めるかどうかは、本人の努力と実力次第だということを忘れてはいけません。
【理由6】高額な違約金や返金トラブル!辞めたくても辞められないケースも
万が一、プログラミングスクールに入校したものの、「思っていた内容と違った」「ついていけない」「家庭の事情で続けられなくなった」といった理由で中途解約を考えた場合、高額な違約金を請求されたり、返金がほとんどなかったりするトラブルも報告されています。
国民生活センターにも、プログラミングスクールに関する相談が寄せられており、主な相談内容としては、
- 解約を申し出たら、高額な解約料を請求された。
- 「いつでも解約できる」と説明されたのに、実際には厳しい条件があった。
- 返金制度があると聞いていたが、ほとんど返金されなかった。
- 広告内容と実際のサービスが異なっていた。
といったものが挙げられます。(参考:プログラミングスクールなどの情報知識サービスに関する相談が増加-注意喚起情報-国民生活センター)
契約書には、解約条件や返金規定が細かく記載されていますが、文字が小さかったり、専門用語が多くて分かりにくかったりすることも。契約内容を十分に理解しないままサインしてしまうと、後で取り返しのつかないことになる可能性があります。
特に、「全額返金保証」を謳っているスクールでも、その適用条件が非常に厳しく設定されている(例えば、指定された課題を全てクリアし、一定期間内に指定された数の企業に応募し、全て不採用だった場合のみ、など)ケースが多いので注意が必要です。簡単に全額返金されると期待するのは禁物です。
契約前には、必ず契約書を隅々まで読み込み、解約条件や返金規定について納得がいくまで説明を求めるようにしましょう。少しでも不安な点があれば、消費者センターなどに相談することも検討してください。
【理由7】「スクールに通えば安心」という幻想と、独学でも道は開ける可能性
ここまで見てきたように、プログラミングスクールには様々な課題やリスクが存在します。そして、最も根本的な問題の一つが、「スクールに通いさえすれば、なんとかなるだろう」という受け身の姿勢、あるいは幻想を抱いてしまうことかもしれません。
どんなに素晴らしいカリキュラムやサポート体制があったとしても、最終的にスキルを習得し、それを仕事に活かせるかどうかは、本人の主体的な学習意欲と努力にかかっています。スクールは、あくまでその手助けをしてくれるツールの一つに過ぎないのです。
そして、今の時代、プログラミングを学ぶための方法は、スクールだけではありません。インターネット上には、
- Progate(プロゲート):イラスト中心のスライド形式で、ゲーム感覚で楽しく学べる初心者向け学習サイト。
- ドットインストール:3分動画で様々なプログラミング言語やツールの使い方を学べるサイト。
- Udemy(ユーデミー):豊富なジャンルの動画コースが購入できるオンライン学習プラットフォーム。セール時には非常に安価になることも。
- YouTube:多くの現役エンジニアが、無料で質の高い解説動画や講座を公開しています。
- 技術書や専門書:体系的に知識を深めるためには、良質な書籍を読むことも非常に有効です。
といった、無料または低コストで利用できる、質の高い学習リソースが溢れています。

実際に、これらのリソースを効果的に活用し、独学でスキルを習得してエンジニアとして活躍している人もたくさんいます。もちろん、独学には自己管理能力やモチベーション維持の難しさといった課題もありますが、スクールに通うことが唯一の道ではないということは、ぜひ知っておいていただきたいです。
まずは、こうした無料または低コストの教材でプログラミングに触れてみて、本当に自分に向いているのか、独学では難しいと感じるのかを見極めてから、スクールを検討するというのも賢明な判断かもしれませんね。
それでもプログラミングスクールに通うなら?後悔しないための選び方と心構え
ここまで、プログラミングスクールの厳しい側面を中心にお伝えしてきましたが、「それでも、自分にはスクールが必要だ!」「効率的に学びたい!」という方もいらっしゃると思います。その決意は素晴らしいですし、スクールが最適な選択となる場合ももちろんあります。
もし、これらのリスクを理解した上でプログラミングスクールに通うのであれば、後悔する可能性を少しでも減らすために、次のような選び方と心構えをしっかりと持つことをおすすめします。
【対策1】明確な目的意識とキャリアプランを持つ
まず最も大切なのは、「なぜプログラミングを学びたいのか?」「スクールを卒業して、どんな自分になりたいのか?」という目的意識と、具体的なキャリアプランを明確に持つことです。
- 「Webサイトを作れるようになりたい」のか、「スマートフォンアプリを開発したい」のか。
- 「フリーランスとして自由に働きたい」のか、「安定した企業でエンジニアとして成長したい」のか。
- 「年収〇〇万円を目指したい」のか、「社会に貢献できるサービスを作りたい」のか。
目的が曖昧なままスクールに通い始めてしまうと、途中でモチベーションが続かなくなったり、卒業後の進路で迷ってしまったりする可能性があります。具体的な目標があれば、それに合ったスクールやコースを選びやすくなりますし、学習のモチベーション維持にも繋がりますよ。
【対策2】無料カウンセリングや体験レッスンを徹底活用する
ほとんどのプログラミングスクールでは、入校前に無料のカウンセリングや体験レッスンを実施しています。これを複数のスクールで受けて、徹底的に比較検討することが非常に重要です。
カウンセリングでは、
- 自分の目的やキャリアプランを伝え、それに合ったコースを提案してもらう。
- カリキュラムの詳細、講師の質、サポート体制について具体的に質問する。
- 費用や支払い方法、解約条件、返金制度についてもしっかりと確認する。
- 卒業生の進路や、具体的な就職・転職実績について、可能な範囲で教えてもらう。
といったことを行いましょう。体験レッスンでは、実際の教材や学習の進め方、スクールの雰囲気を肌で感じることができます。強引な勧誘をしてくるスクールや、質問に対して曖昧な回答しかしないスクールは避けた方が賢明かもしれませんね。
【対策3】卒業生のリアルな声や評判を多角的に集める
スクールのウェブサイトやパンフレットに載っている「卒業生の声」は、当然ながら良い内容のものが選ばれています。より客観的な情報を得るためには、SNS(X(旧Twitter)など)、個人のブログ、口コミサイト、あるいは知人など、様々なチャネルからリアルな評判を集めることが大切です。
ただし、インターネット上の情報は玉石混交です。良い評判も悪い評判も、全てを鵜呑みにするのではなく、複数の情報源を照らし合わせ、総合的に判断するようにしましょう。もし可能であれば、実際にそのスクールを卒業した人に直接話を聞く機会があれば、それが一番信頼できる情報源になりますね。
【対策4】契約内容(特に費用、解約条件、返金制度)を隅々まで確認する
これは理由6でも触れましたが、契約書の内容は、サインする前に必ず隅々まで目を通し、理解できない点や疑問点は全て解消しておく必要があります。特に、
- 総額でいくらかかるのか(追加費用の有無も確認)
- 支払い方法(分割払いの金利手数料も含む)
- 中途解約する場合の条件と、違約金の額
- 返金保証制度がある場合は、その適用条件と手続き
- 受講期間やサポート期間
といった項目は、トラブルになりやすいポイントですので、念入りに確認しましょう。口頭での説明だけでなく、必ず書面で確認することが大切です。少しでも「おかしいな」「不利かもしれない」と感じたら、その場で契約せず、一旦持ち帰って冷静に検討したり、家族や信頼できる人に相談したりするようにしてください。
【対策5】「受け身」ではなく「主体的」に学ぶ姿勢を貫く
スクールに通うと決めたからには、その環境を最大限に活用し、「受け身」ではなく「主体的」に学ぶ姿勢を貫くことが成功への鍵となります。
- 予習・復習を欠かさず行う。
- 分からないことは、まず自分で調べてみる努力をする。それでも解決しない場合は、具体的に何が分からないのかを整理して質問する。
- 与えられた課題だけでなく、自分でテーマを見つけてオリジナルの作品(ポートフォリオ)作りに積極的に取り組む。
- 他の受講生と交流し、情報交換したり、切磋琢磨したりする。
- 業界の最新情報や技術トレンドにも常にアンテナを張る。

スクールは、あくまで学習の「サポート」をしてくれる場所です。最終的にスキルを自分のものにできるかどうかは、あなた自身の努力と行動にかかっているということを忘れないでくださいね。
【対策6】無料または低コストの学習教材で基礎を学んでから検討する
いきなり高額なスクールに申し込む前に、まずはProgateやドットインストール、Udemyといった無料または低コストで利用できるオンライン学習教材を使って、プログラミングの基礎に触れてみることを強くおすすめします。
実際に自分でコードを書いてみることで、
- プログラミングが本当に自分に向いているのか、楽しいと感じるのか。
- どの分野(Web制作、アプリ開発など)に興味があるのか。
- 独学でもある程度進められそうか、それともやはりスクールのサポートが必要か。
といったことが見えてくるはずです。もし、基礎学習の段階で「これは自分には無理そうだ…」と感じるのであれば、高額な費用を支払う前に気づけて良かった、ということになりますよね。
ある程度の基礎知識を身につけてからスクールに通えば、授業内容の理解もスムーズになりますし、より発展的な質問もできるようになるため、学習効果を最大限に高めることができるでしょう。
プログラミングスクール「やめとけ」と言われる理由の総括と賢い学び方
今回は、プログラミングスクールについて、「やめとけ」と言われる理由や、それでも通う場合に後悔しないための選び方と心構えについて、詳しくお話ししてきました。最後に、この記事のポイントを改めてまとめておきますね。
プログラミングスクール検討時の重要ポイント
- 高額な費用と費用対効果:数十万円以上の投資に見合うリターンが得られるか、慎重な見極めが必要。
- 誇大広告と現実のギャップ:「誰でも簡単になれる」は幻想。卒業後のキャリアは保証されない。
- カリキュラムの質:古い情報や表面的な内容でないか、実践的なスキルが身につくか確認が必要。
- サポート体制への依存リスク:過度なサポートは自走力を削ぐ可能性も。主体的な学習が不可欠。
- 就職・転職サポートの実態:紹介先の質や「転職保証」の条件を鵜呑みにしない。
- 契約トラブルのリスク:高額な違約金や返金問題を避けるため、契約内容は徹底的に確認。
- スクール依存からの脱却:独学という選択肢も視野に入れ、自分に合った学習方法を選ぶ。
- それでも通うなら:明確な目的意識、徹底的な情報収集と比較検討、主体的な学習姿勢、そして契約内容の吟味が後悔しないための鍵。
プログラミングスクールは、使い方によっては、あなたのキャリアを大きく変えるきっかけになる可能性を秘めています。しかし、その一方で、安易な気持ちで飛び込んでしまうと、時間もお金も無駄にしてしまい、後悔だけが残る…ということにもなりかねません。
「やめとけ」という言葉は、決してプログラミング学習そのものを否定するものではなく、スクールという選択肢が孕むリスクや課題を理解せずに、安易に高額な契約をしてしまうことへの警鐘なのだと思います。
大切なのは、魅力的な広告や甘い言葉に惑わされず、ご自身の目的、適性、そして経済状況を冷静に見つめ直し、多角的な情報収集に基づいて、主体的に判断することです。「誰かが言っていたから」ではなく、「自分にとって本当に必要なのか、価値があるのか」をじっくりと考えてみてくださいね。
この記事が、皆さんの賢い学びの一歩を踏み出すため、そして後悔のないキャリア選択をするための一助となれば、私もとても嬉しいです。プログラミングの世界は奥深く、そしてとてもエキサイティングです。あなたに合った方法で、その扉を開いていってくださいね。応援しています!