ウェディングプランナーはやめとけ!憧れだけでは続かない過酷な現実と後悔する6つの理由

やめとけ

結婚式という、人生で最も輝かしい瞬間をプロデュースするウェディングプランナー。新郎新婦様の夢を形にし、感動の1日を創り上げるお仕事は、多くの方にとって憧れの職業の一つかもしれませんね。テレビドラマや映画でも、キラキラとしたウェディングプランナーの姿が描かれることもあります。

でも、インターネットで検索してみると、「ウェディングプランナー やめとけ」とか「きつい」「大変」なんて、少し気になる言葉も目にすることがありますが、本当のところはどうなのでしょうか?

この記事では、ウェディングプランナーというお仕事について、その華やかなイメージの裏にある現実や、もし「やめとけ」と言われるとしたらどんな理由があるのか、そしてもし本気で目指すならどんな点に注意して、どんな覚悟が必要なのかを、心を込めて、そして詳しくご説明していきたいと思います。

どうぞ、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

この記事でお伝えしたいこと

  • ウェディングプランナーというお仕事の基本的な内容と、その魅力、そして抱かれがちな誤解について
  • なぜ「ウェディングプランナーはやめとけ」と言われることがあるのか、その具体的な6つの理由
  • それでもウェディングプランナーという道を選ぶなら、後悔しないために知っておくべき心構えと具体的なステップ
  • ウェディングプランナーとして活動していく上での課題と、将来に向けてどのように向き合っていくべきか

ウェディングプランナーとは?その光と影、そして誤解

まずはじめに、「ウェディングプランナー」がどのようなお仕事なのか、基本的なところからご説明させていただきますね。そして、多くの方が魅力を感じる点と、そこにはどんな現実が待っているのか、光と影の両面から見ていきましょう。

ウェディングプランナーの仕事内容の基本

ウェディングプランナーは、結婚式を挙げたいと考えている新郎新婦様にとって、夢や希望を形にするための最も身近なパートナーです。

お二人の馴れ初めや結婚式に対する想いを丁寧にヒアリングし、会場選びから始まり、招待状の準備、衣裳選び、お料理、お花、写真・映像、演出、引出物選び、当日の進行管理まで、結婚式に関わるあらゆることをトータルでサポートし、プロデュースしていくのが主なお仕事内容になります。

具体的には、以下のような業務を多岐にわたって行います。

  • 新規接客・ヒアリング:結婚式場を訪れたお客様に会場の魅力をご案内し、お二人のご希望や予算などを詳しく伺います。
  • プランニング・提案:お二人の想いを元に、オリジナルの結婚式のコンセプトや具体的なプランを提案します。見積もりの作成も重要な業務です。
  • 各種手配業務:衣裳、ヘアメイク、装花、写真・映像、司会者、音響、引出物など、結婚式に必要な様々なアイテムや専門業者さんとの打ち合わせ、手配を行います。
  • 打ち合わせ:挙式当日まで、新郎新婦様と何度も打ち合わせを重ね、準備を進めていきます。時には、ご両親様との打ち合わせに参加することもあります。
  • 書類作成・事務作業:契約書、見積書、発注書、進行表など、多くの書類を作成・管理します。
  • 結婚式当日の運営・サポート:挙式・披露宴がスムーズに進行するように、全体の指揮を執り、各セクションのスタッフと連携しながら、新郎新婦様を一番近くでサポートします。予期せぬトラブルにも臨機応変に対応する力が求められます。

まさに、結婚式という一大イベントの企画から実行までを一貫して手がける、総合プロデューサーのような役割を担っているんですね。お客様の「こんな結婚式がしたい」という漠然としたイメージを、具体的な形にしていく創造性と実行力が問われるお仕事です。

ウェディングプランナーの華やかな魅力

ウェディングプランナーのお仕事には、大変なことも多い一方で、他では得難い大きな魅力とやりがいがあります。

  • 人生最高の瞬間に立ち会える感動:新郎新婦様やゲストの皆様の笑顔や涙、そして「ありがとう」という感謝の言葉を直接いただけるのは、何物にも代えがたい喜びです。自分が関わった結婚式で、たくさんの人が幸せな気持ちになっているのを目の当たりにできるのは、大きな達成感につながります。
  • お客様との深い信頼関係:数ヶ月から時には1年以上もの間、新郎新婦様と密に関わり、一緒に結婚式を創り上げていく中で、深い信頼関係が生まれます。まるで家族の一員のように、お二人の大切な門出をサポートできるのは、この仕事ならではの醍醐味でしょう。
  • 創造性を活かせる:お二人の個性や想いを反映させたオリジナルのウェディングを企画・提案できるのは、とてもクリエイティブで楽しい作業です。自分のアイデアが形になり、人を感動させることができるのは、大きな魅力ですよね。
  • 多様な知識やスキルが身につく:結婚式に関する専門知識はもちろん、接客マナー、提案力、交渉力、コミュニケーション能力、トラブル対応能力など、幅広いスキルが自然と身についていきます。これは、他の分野でも活かせる貴重な財産になるかもしれません。
  • 常に新しいトレンドに触れられる:ウェディング業界は、常に新しいスタイルやトレンドが生まれています。最新のドレスや装花、演出などをいち早くキャッチし、お客様に提案できるのも、この仕事の面白さの一つです。

こうした点から、「ウェディングプランナーって素敵!」「私も誰かを幸せにする仕事がしたい!」と憧れを抱く方が多いのも、とてもよく理解できます。

しかし現実は厳しい?ウェディングプランナーを取り巻く誤解

ただ、こうした華やかなイメージの裏には、知っておかなければならない厳しい現実も存在します。「毎日キラキラしていて、おしゃれで、感動に包まれている」…そんなイメージだけでこの世界に飛び込んでしまうと、「こんなはずじゃなかった…」と大きなギャップを感じてしまうかもしれないのです。

例えば、「お客様の笑顔がやりがい」というのは事実ですが、その笑顔のためには、見えないところで膨大な準備や調整、時にはクレーム対応といった泥臭い仕事もたくさんこなさなければなりません。

また、「感動的な仕事」というイメージが先行しがちですが、実際には体力勝負の側面も強く、精神的なタフさも非常に求められます。

「人の幸せのお手伝いができるなんて、なんて素敵なお仕事なんだろう!」と思う一方で、「でも、その裏にはどんな苦労があるのかな?」と少し不安に感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。この後、もう少し詳しく「やめとけ」と言われる理由について、一緒に見ていきましょう。


ウェディングプランナーはやめとけ!お勧めできない6つの理由

さて、ここからは本題である「ウェディングプランナーはやめとけ」と言われることがある具体的な理由について、一つひとつ掘り下げてご説明していきたいと思います。

もちろん、これは全ての人に当てはまるわけではありませんし、ウェディングプランナーというお仕事を否定するものでもありません。ただ、憧れだけでこの道に進むと、後で「こんなはずじゃなかった…」と後悔してしまう可能性もある、ということを知っていただきたいのです。

【理由1】想像を絶する激務!長時間労働と休日出勤の常態化

ウェディングプランナーのお仕事と聞いて、まず覚悟しておかなければならないのが、その「労働時間の長さ」と「休日の取りにくさ」です。これは、この仕事を目指す上で避けては通れない現実かもしれません。

結婚式は、土曜日、日曜日、祝日に行われることがほとんどですよね。そのため、ウェディングプランナーにとって、週末や祝日は最も忙しい稼ぎ時であり、基本的に休むことはできません。友人や家族と休みが合わず、プライベートの予定が立てにくいというのは、多くの方が最初に直面する悩みの一つです。

そして、平日はどうかというと、新規のお客様への会場案内やプラン説明、既に契約されているお客様との打ち合わせが中心となります。お客様のお仕事終わりに来館されることも多いため、打ち合わせが夜遅くまで及ぶことも日常茶飯事です。

打ち合わせが終わった後も、見積書の作成や業者への発注連絡、翌日の準備など、事務作業は山積み…。気づけば終電間際、なんてことも決して珍しくありません。

さらに、結婚式当日は、朝早くから夜遅くまで、新郎新婦様に付きっきりでサポートします。準備段階から緊張感は続きますし、披露宴が終わってお客様をお見送りした後も、片付けや精算業務などが待っています。1日中立ちっぱなしで動き回ることも多く、体力的な負担も相当なものです。

厚生労働省の「毎月勤労統計調査」などを見ても、宿泊業、飲食サービス業(ブライダル産業もここに分類されることが多いです)の月間総実労働時間は他産業と比較しても長い傾向が見られることがあります。

もちろん企業によって差はありますが、「定時で帰れることは稀」「残業は当たり前」という声も、残念ながら現場からはよく聞かれます。

ウェディングプランナーの仕事は、お客様の人生の特別な日を創り上げるという大きなやりがいがある一方で、自分の時間を犠牲にしなければならない場面が多いということを、しっかりと理解しておく必要があります。体力に自信がない方や、ワークライフバランスを重視したい方にとっては、非常に厳しい環境かもしれません。

【理由2】精神的プレッシャーとの戦い!お客様の人生を左右する責任の重圧

ウェディングプランナーが担う責任は、想像以上に大きいものです。それは、新郎新婦様にとって「一生に一度」のかけがえのない大切な日を任されているということに他なりません。

「絶対に失敗できない」というプレッシャーは、常にウェディングプランナーの肩にのしかかっています。一つひとつの選択が、結婚式全体の雰囲気や満足度を左右しますし、万が一、手配ミスや伝達漏れがあれば、取り返しのつかない事態になりかねません。お客様の期待が大きければ大きいほど、そのプレッシャーも増していきます。

また、新郎新婦様だけでなく、ご両家のご両親様やご親族、そして多くのゲストの皆様の想いも背負っています。世代間の価値観の違いや、さまざまな人間関係の中で、時には板挟みになるような難しい調整役を求められることもあります。お客様の多様な要望に応えようとすればするほど、調整は複雑になり、精神的な負担も大きくなりがちです。

予算の管理もシビアです。「素敵な結婚式にしたい」という夢と、「限られた予算の中で何とかしたい」という現実の間で、お客様と一緒に悩み、最適なバランスを見つけ出すのは簡単なことではありません。時には、予算のことでお客様と気まずい雰囲気になってしまうこともあるかもしれません。

実際に、元ウェディングプランナーの方からは、こんな声も聞かれます。

「お客様の夢を叶えたい一心で頑張っていましたが、常に『何か見落としはないか』『これで本当にご満足いただけるだろうか』という不安と隣り合わせでした。結婚式が無事に終わって、お客様に喜んでいただけた時の達成感は大きいのですが、それまでの精神的なプレッシャーは本当に大きかったです。夜も仕事のことが頭から離れず、眠れないこともありました。」

感動の裏には、計り知れないほどの責任感と、それに伴う精神的なストレスがあることを忘れてはいけません。感情のコントロールや、ストレスを上手に解消するスキルも、この仕事を続ける上では不可欠と言えるでしょう。

繊細な方や、プレッシャーに弱いと感じる方にとっては、心が疲弊してしまう可能性も考えられます。

【理由3】給与と見合わない?労働時間と責任に対する報酬の現実

「人の幸せに貢献できる素晴らしい仕事だから、きっとお給料も良いはず!」…そんな風に期待されている方もいらっしゃるかもしれませんが、残念ながら、ウェディングプランナーの給与水準は、その労働時間や責任の重さと比較すると、必ずしも高いとは言えないのが現実のようです。

厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査」などを見ても、宿泊業、飲食サービス業(ブライダル産業が含まれることが多い)の平均賃金は、全産業平均と比較して低い傾向にあります。

もちろん、勤務する企業の規模や地域、個人の経験や実績によって給与は大きく異なりますし、インセンティブ制度(成約件数やオプション販売額に応じて報奨金が支払われる制度)を導入している企業もあります。

しかし、基本給がそれほど高くない場合、インセンティブで大きく稼げるのは一部の優秀なプランナーに限られることも多く、多くの場合は、長時間の残業や休日出勤に見合うだけの十分な対価が得られているとは感じにくい、という声も聞かれます。

「やりがいはあるけれど、このお給料でこの働き方は正直きつい…」と感じてしまう方も少なくないのです。

特に、新人のうちは覚えることも多く、一人前になるまでは給与も低い傾向にあります。その間に、仕事の厳しさや待遇面での不満から、早期に離職してしまう人もいるのが実情です。

求人情報を見る際には、基本給だけでなく、残業代の扱いやインセンティブ制度の詳細、賞与の実績などをしっかりと確認することが大切です。また、「みなし残業代(固定残業代)」が含まれている場合は、それが何時間分の残業に相当するのか、超過分はきちんと支払われるのかといった点も、入社前に確認しておきたいポイントですね。

お客様に最高のサービスを提供するためには、プランナー自身が心身ともに満たされていることも重要です。しかし、「感動」や「やりがい」だけでは、生活は成り立ちません。経済的な安定という面で、厳しい現実があることも理解しておく必要があるでしょう。

【理由4】厳しいノルマと競争!理想と現実のギャップに苦しむ日々

ウェディングプランナーのお仕事は、お客様の夢を形にするクリエイティブな側面がある一方で、企業に所属している以上、営業的な側面も非常に強いということをご存知でしょうか。これが、理想と現実のギャップに苦しむ原因の一つになることがあります。

多くの結婚式場やプロデュース会社では、ウェディングプランナーに対して、

  • 新規顧客の獲得数(来館数や成約数)
  • 成約率
  • オプション商品(料理のグレードアップ、高価なドレス、追加の演出など)の販売額
  • 顧客単価

といった形で、具体的な数値目標、つまり「ノルマ」が課せられることが一般的です。これらの目標達成度が、評価や給与(特にインセンティブ)に直結することも少なくありません。

そのため、時には「お客様のため」という純粋な気持ちと、「会社の売上のため」という目標達成へのプレッシャーとの間で、葛藤を感じることもあるかもしれません。「本当はもっとお客様の希望に寄り添いたいけれど、予算を上げてもらわないと自分の評価が…」といったジレンマに悩むプランナーもいるのです。

また、社内では他のプランナーとの競争も存在します。誰がより多くの契約を獲得したか、誰がより高い単価の結婚式をプロデュースしたか、といったことが常に比較される環境に身を置くことになります。

こうした競争がモチベーションにつながる人もいるかもしれませんが、プレッシャーに感じてしまう人や、お客様本位の提案がしにくくなってしまう人もいるでしょう。

「お客様と一緒に、心から満足できる結婚式を創り上げたい」という純粋な想いでこの仕事を選んだ人ほど、こうした営業色の強い現実に直面した時、「私がやりたかったのは、こんなことじゃなかった…」と理想とのギャップに苦しみ、失望してしまう可能性があります。

もちろん、企業として利益を追求するのは当然のことですし、お客様に適切な価値を提供し、その対価をいただくことはプロとして当たり前のことです。しかし、そのバランス感覚が非常に重要であり、ノルマ達成だけが目的化してしまうような環境では、本来のウェディングプランナーとしてのやりがいを見失ってしまうかもしれませんね。

【理由5】体力勝負の世界!華やかさの裏にある地道な力仕事と準備

ウェディングプランナーと聞くと、ドレスやタキシードに身を包んだ新郎新婦様の隣で、優雅に微笑んでいる…そんな華やかなイメージを持たれる方も多いかもしれません。しかし、そのイメージとは裏腹に、実際のお仕事はかなりの体力勝負なんです。

結婚式当日はもちろんのこと、準備段階から、プランナーは会場内を駆け回ります。

  • 会場設営・確認:テーブルセッティングの最終チェック、引出物や席札の配置、ウェルカムスペースの飾り付けなど、細部にわたって確認し、時には自ら作業を手伝うこともあります。
  • 備品運搬:お客様が持ち込まれたウェルカムグッズや手作りアイテム、ドレスや小物の運搬、引き出物の仕分けや移動など、意外と力仕事も多いのです。重い荷物を運ぶことも珍しくありません。
  • 長時間の立ち仕事:新規のお客様への会場案内、お客様との打ち合わせ、そして結婚式当日のアテンドなど、長時間立ちっぱなしでいることが非常に多いです。ヒールを履いて動き回る女性プランナーにとっては、足腰への負担もかなりのものです。
  • 広大な会場の移動:大きなホテルや専門式場では、打ち合わせサロン、衣裳室、チャペル、披露宴会場、親族控室、事務所などが離れていることも多く、一日に何度もこれらの場所を行き来することになります。

特に結婚式当日は、朝早くから準備に入り、新郎新婦様のお迎え、挙式・披露宴中のサポート、お見送り、そして後片付けまで、息つく暇もないほど動き回ります。食事もろくに取れないこともありますし、常に神経を張り詰めている状態が続きます。

このような日常業務をこなしながら、複数の結婚式を同時進行で担当しているわけですから、その体力的な負担は想像に難くありません。「華やかさの裏には、地道で泥臭い努力と体力が必要不可欠」ということを、しっかりと理解しておく必要があります。

体力に自信がない方や、デスクワーク中心の仕事をイメージしている方にとっては、この体力的な厳しさが、仕事を続けていく上での大きな壁となるかもしれませんね。

【理由6】キャリアパスの限定性と将来への不安?業界の課題

ウェディングプランナーとして働き始めた後、どのようなキャリアを歩んでいけるのか、そして業界全体の将来性はどうなのか、という点も気になるところですよね。この点において、いくつかの課題や不安要素が挙げられます。

まず、キャリアパスの選択肢が比較的限られているという点が挙げられます。一般的には、

  1. ウェディングプランナーとして経験を積む
  2. チーフプランナーやリーダーといった役職に就き、後輩の指導やチームマネジメントを行う
  3. 支配人やマネージャーといった管理職を目指す

といったステップが考えられます。また、独立してフリーランスのウェディングプランナーとして活動したり、自分で結婚式場やプロデュース会社を立ち上げたりする道もありますが、これはかなりの実力と実績、そして経営能力が求められるため、誰にでも開かれている道ではありません。

もし、プランナーとしての現場業務から離れたいと考えた場合や、体力的な問題で現場が厳しくなった場合に、社内で他の職種(例えば、マーケティングや広報、人事など)にキャリアチェンジできる機会が、必ずしも多いとは言えないのが現状です。

そのため、年齢を重ねた時の働き方について、不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。

さらに、ブライダル業界全体の将来性についても、いくつかの課題が指摘されています。

  • 少子化の影響:結婚するカップルの数が減少傾向にあることは、市場全体の縮小につながる可能性があります。
  • 結婚式のスタイルの多様化・小規模化:かつてのような大人数を招いた盛大な披露宴だけでなく、「ナシ婚」や家族だけのアットホームな食事会、フォトウェディングなど、結婚式の形が多様化し、小規模化する傾向にあります。これにより、一件あたりの単価が下がる可能性も考えられます。
  • 情報化社会の影響:インターネットで簡単に情報収集ができるようになったため、プランナーに頼らず自分たちで結婚式を準備するカップルも増えています。プランナーの介在価値が問われる時代とも言えるでしょう。
  • 景気変動の影響:結婚式は高額な買い物であり、景気の影響を受けやすいという側面もあります。

もちろん、こうした変化に対応し、新しい価値を提供し続けることで、業界もプランナー自身も成長していくことは可能です。例えば、「経済産業省の特定サービス産業動態統計調査」などを見ると、コロナ禍で大きな影響を受けたブライダル業界ですが、徐々に回復の兆しを見せているデータもあります。しかし、こうした業界全体の動向や課題を理解した上で、長期的な視点で自分のキャリアを考えていく必要があるでしょう。

ブライダル業界で役立つ資格としては、国家検定である「ブライダルコーディネート技能検定」などがあります。こうした資格を取得することで、専門性を高め、キャリアアップにつなげる努力も大切ですね。


それでもウェディングプランナーを目指したいあなたへ贈るアドバイス

ここまで、ウェディングプランナーというお仕事の厳しい側面や、「やめとけ」と言われる理由について詳しくお話ししてきました。もしかしたら、「やっぱり私には無理かもしれない…」と不安に思われた方もいらっしゃるかもしれません。

でも、もしあなたがこれらの現実を理解した上で、それでも「ウェディングプランナーとして、新郎新婦様の幸せを創り上げたい!」という強い気持ちをお持ちなのであれば、その情熱は本当に素晴らしいものだと思います。ここからは、そんなあなたに向けて、後悔しないために知っておいてほしい心構えや、具体的なステップについてお伝えしたいと思います。

覚悟を持って飛び込むための心構え

まず何よりも大切なのは、「ウェディングプランナーは、キラキラした憧れだけでは務まらない仕事だ」という現実をしっかりと受け止め、それでも挑戦する覚悟を持つことです。

  • 心からの「おもてなしの精神」と「利他の心」を持つ:自分のためではなく、新郎新婦様やゲストの皆様に心から喜んでいただきたい、という強い想いが、困難を乗り越える原動力になります。
  • 体力と精神的なタフさを養う:長時間労働やプレッシャーに負けない体力と精神力を日頃から意識して鍛え、ストレスを上手にコントロールする方法を身につけましょう。
  • 高いコミュニケーション能力を磨き続ける:お客様の想いを正確に汲み取る傾聴力、自分の考えを分かりやすく伝える表現力、そして多様な関係者と円滑に連携する調整力が不可欠です。
  • 常に学び続ける謙虚な姿勢を持つ:ウェディングのトレンドは常に変化しますし、お客様の価値観も多様です。現状に満足せず、新しい知識やスキルをどん欲に吸収し続ける姿勢が大切です。
  • どんな状況でも最後までやり遂げる責任感:一度引き受けた仕事は、どんな困難があっても最後まで責任を持ってやり遂げるという強い意志が必要です。

「誰かのために尽くしたい」「感動を創り出したい」という純粋な気持ちと、プロフェッショナルとしての厳しい自己管理能力、そして何よりも強い情熱が、この仕事を続ける上での土台となるでしょう。

失敗しないための準備と情報収集

覚悟が決まったら、次は具体的な準備と情報収集です。憧れだけで飛び込むのではなく、しっかりと現実を見据えた上で行動しましょう。

  • 業界・企業研究を徹底的に行う:ブライダル業界全体の動向や課題、そして自分が興味のある企業の理念や社風、働きがい、待遇などを多角的に調べましょう。企業のウェブサイトだけでなく、実際にその式場で結婚式を挙げた人の口コミなども参考になるかもしれません。
  • インターンシップやアルバイトを経験してみる:可能であれば、ブライダル業界でのインターンシップやアルバイトを経験してみるのが一番です。現場の雰囲気や仕事の厳しさを肌で感じることで、自分に向いているかどうかを判断する貴重な材料になります。
  • OB・OG訪問や現役プランナーの話を聞く:実際にウェディングプランナーとして働いている先輩や、専門学校の先生などに話を聞く機会を作りましょう。仕事のやりがいだけでなく、大変なことや苦労なども率直に聞いてみることで、よりリアルな情報を得られます。
  • 専門学校やスクール選びは慎重に:もし専門学校やブライダルスクールに通うことを考えているなら、カリキュラム内容、講師の質、就職実績、学費などを複数の学校で比較検討しましょう。オープンキャンパスに参加して、自分の目で確かめることが大切です。
  • 関連資格の取得を検討する:「ブライダルコーディネート技能検定」や、色彩、フラワー、サービス接遇に関する資格など、自分のスキルアップにつながる資格取得を目指すのも良いでしょう。ただし、資格が全てではないことも理解しておきましょう。

情報を集め、自分自身と向き合い、本当にこの道に進むべきなのか、冷静に判断する時間を持つことが、後悔しないための第一歩です。

ウェディングプランナーとして輝き続けるための秘訣

ウェディングプランナーとして長く活躍し、お客様からも信頼される存在になるためには、いくつかの秘訣があります。

  • 常に「お客様視点」を忘れない:どんな時も、新郎新婦様の気持ちに寄り添い、「お二人にとって何が一番大切か」を考え抜く姿勢が、感動を生み出す源泉です。
  • 自分自身の「強み」や「個性」を活かす:多くのプランナーがいる中で、あなたならではの強みや個性を活かした提案ができるようになると、お客様からの信頼も厚くなります。例えば、特定のテーマのウェディングが得意、手作りアイテムの提案が豊富、ユーモアを交えたコミュニケーションが得意など、自分らしさを大切にしましょう。
  • チームワークを大切にする:結婚式は、プランナー一人では決して創れません。多くの専門スタッフ(シェフ、パティシエ、フローリスト、ヘアメイク、カメラマン、司会者、サービススタッフなど)との連携が不可欠です。お互いを尊重し、感謝の気持ちを持って協力し合うことで、より素晴らしい結婚式が実現します。
  • ワークライフバランスを意識する:どんなにやりがいのある仕事でも、自分の心と体を壊してしまっては元も子もありません。オンとオフの切り替えを上手に行い、趣味や休息の時間を大切にすることで、仕事へのモチベーションも維持しやすくなります。
  • 小さな成功体験を積み重ね、自信につなげる:最初から完璧なプランナーはいません。日々の業務の中で、一つひとつ丁寧に取り組み、お客様からの「ありがとう」を励みに、少しずつ自信をつけていくことが大切です。

これらのことを心に留めながら、日々お客様と真摯に向き合い、自分自身も成長し続ける努力をしていけば、きっと多くの新郎新婦様にとって、かけがえのない存在になれるはずです。


ウェディングプランナーはやめとけと言われる理由の総括と未来への提言

今回は、「ウェディングプランナーはやめとけ」と言われることがある背景や、その具体的な理由、そしてもしこの道を目指すならば知っておくべき覚悟やステップについて、詳しくお話しさせていただきました。

最後に、この記事のポイントを改めてまとめさせていただきますね。

  • ウェディングプランナーの仕事は、人生最高の瞬間に立ち会える感動がある一方で、長時間労働や休日出勤が常態化しやすい激務であるという現実があります。
  • お客様の一生に一度のイベントを任されるため、精神的なプレッシャーや責任の重圧は非常に大きいです。
  • 労働時間や責任の重さに対して、給与水準が必ずしも高いとは言えず、やりがいだけでは続けられないと感じる人もいます。
  • 新規顧客獲得やオプション販売などの厳しいノルマや社内競争があり、理想と現実のギャップに苦しむことがあります。
  • 華やかなイメージとは裏腹に、会場設営や備品運搬など、地道な力仕事も多く、体力勝負の側面が強いです。
  • キャリアパスの選択肢が限られていたり、業界全体の将来性への不安を感じたりすることもあります。
  • それでも目指すなら、強い情熱と覚悟を持ち、徹底的な情報収集と準備を行い、常に学び続ける姿勢と高いコミュニケーション能力を磨くことが不可欠です。

ウェディングプランナーというお仕事は、決して楽な道ではありません。しかし、それ以上に、人の心からの「ありがとう」に触れ、誰かの人生におけるかけがえのない記憶を創り上げるという、計り知れないほどの喜びと達成感を得られる仕事でもあります。

もしあなたが、この記事を読んでなお、「それでも私はウェディングプランナーとして、たくさんの笑顔と感動を届けたい」という熱い思いを強く持たれたのであれば、その志は本当に尊いものだと思います。

その情熱を胸に、今日お話しした厳しい現実もしっかりと心に刻み、夢に向かって慎重に、そして力強く一歩を踏み出してみてください。

あなたの未来が、たくさんの幸せな笑顔で満たされることを心から願っています。最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

UTA

会社員。営業職で着実に成果を上げ、年収は本業と副業合わせて1,X00万円。副業は投資とライティング。妻と小学生の娘と3人暮らし。休日は家族サービスと自己研鑽に励む。趣味は映画鑑賞。

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