FXはやめとけ!9割が退場する投資で大損しないための7つの教訓

やめとけ

「FX(外国為替証拠金取引)」という言葉、皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。「少ない資金で大きな利益が狙える!」「24時間いつでも取引可能!」「スマホ一つで簡単スタート!」そんな魅力的なキャッチフレーズと共に、インターネット広告や雑誌などで頻繁に目にしますよね。

特に、短期間で資産を増やしたいと考える学生さんや、副収入を得たい社会人の方にとっては、非常に気になる投資対象かもしれません。でも、インターネットで「FX」と検索してみると、「FX やめとけ」「FX 借金」「FX 大損」「FX 9割 退場」なんて、背筋が凍るような、恐ろしい言葉も一緒に表示されることがあるんです。

「え、そんなに危険なの?手軽に儲かる話だと思っていたのに…」と、不安に感じてしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか。一体どうして、そんな声があがってしまうのでしょう?

この記事では、FX(外国為替証拠金取引)について、なぜ一部で、いや多くの経験者から「やめとけ」と言われてしまうのか、どんな点に注意しないと、大切なお金を失うどころか、人生を狂わせるほどの大きな後悔につながってしまうのか、その理由を一つひとつ丁寧に、そして皆さんに分かりやすくご説明していきたいと思います。もちろん、FXで成功し、莫大な利益を上げているトレーダーも存在します。

しかし、それはごく一握りの才能と努力、そして強運に恵まれた人々であり、多くの個人投資家にとっては非常に厳しい世界であるということを、まずご理解いただきたいのです。

今回は、皆さんが安易な気持ちでFXの世界に足を踏み入れ、取り返しのつかない失敗をしないためのお手伝いができれば嬉しいです。お金儲けの話には、必ず裏があるものですからね。

この記事でお伝えしたいこと

  • FX(外国為替証拠金取引)の基本的な仕組みと、なぜ多くの人を惹きつけるのかという表向きの魅力
  • なぜFXが「やめとけ」「9割が退場する」と言われるほど危険なのか、その具体的な7つの理由と、そこに潜む深刻なリスク
  • FXで大損しやすい人の特徴や、初心者が陥りやすい典型的な失敗パターン
  • それでもFXに挑戦したいと考えた場合に、破産を避け、賢明な判断をするための最低限の心構えと、絶対に守るべきルール
  • ご自身の資産状況やリスク許容度、そして性格に、FXという超ハイリスクな取引が本当に合っているのかを見極めるための重要な問いかけ

  1. FX(外国為替証拠金取引)とは?その概要と表向きの魅力
    1. FXの基本的な仕組み
    2. FXが多くの人を惹きつける表向きの魅力
  2. FXはやめとけと言われる7つの深刻な理由(9割が退場する世界の現実)
    1. 【理由①】レバレッジの罠で一瞬にして資金が吹き飛ぶ「強制ロスカット」のリスク
    2. 【理由②】9割が負けて退場すると言われるゼロサムゲームの過酷さ
    3. 【理由③】感情に左右されやすく、冷静な判断が極めて困難だから
    4. 【理由④】「必ず儲かる」という怪しい情報商材や高額セミナーの温床になっているから
    5. 【理由⑤】生活リズムの崩壊と健康被害を招きやすいから
    6. 【理由⑥】家族や友人との人間関係を破壊する危険性も
    7. 【理由⑦】「投資」ではなく「投機(ギャンブル)」に限りなく近いという本質的な危険性
  3. それでもFXに挑戦したいなら?破産を避けるための最低限の鉄則
    1. 【鉄則①】失っても絶対に生活に困らない「余剰資金」の、さらにごく一部で始める
    2. 【鉄則②】レバレッジは極限まで低く(できれば3倍以下、理想は1倍)設定する
    3. 【鉄則③】必ず「損切り(ストップロス)」の注文を入れ、それを絶対に動かさない・取り消さない
    4. 【鉄則④】取引ルールを明確に定め、それを機械的に、感情を排して守り続ける
    5. 【鉄則⑤】まずはデモトレードで徹底的に練習し、少額での実戦経験を積む
    6. 【鉄則⑥】常に学び続ける姿勢と、相場に対する謙虚な気持ちを忘れない
    7. 【鉄則⑦】「向いていない」と感じたら、潔く撤退する勇気を持つこと
  4. FXという名のギャンブルに手を出すべきでない理由総括

FX(外国為替証拠金取引)とは?その概要と表向きの魅力

まずはじめに、「FXって、具体的にどんな取引なの?」「株とはどう違うの?」という方のために、FXの基本的なところからご説明しますね。その仕組みやメリットとされる点を理解することは、なぜそれが大きなリスクにも繋がり得るのかを考える上で非常に大切なんです。

FXの基本的な仕組み

FX(エフエックス)とは、「Foreign Exchange」の略で、日本語では「外国為替証拠金取引(がいこくかわせしょうこきんとりひき)」と言います。

簡単に言うと、異なる2つの国の通貨(例えば、日本円と米ドル、ユーロと米ドルなど)を売買し、その為替レート(通貨の交換比率)の変動によって利益(または損失)を狙う金融商品のことです。「証拠金取引」という名前の通り、実際に取引する金額の全額を用意するのではなく、一定の「証拠金(しょうこきん、保証金とも言います)」をFX会社に預けることで、その証拠金の何倍もの金額の取引(これを「レバレッジをかける」と言います)ができるのが大きな特徴です。

例えば、1ドル=150円の時に、証拠金10万円でレバレッジ10倍の取引をすると、100万円分のドルを買うことができます。もし、その後1ドル=151円に円安ドル高が進んだ場合、100万円分のドルは100万6666円…(計算が複雑なので簡略化しますと、1円の値上がりで1万通貨(1万ドル)取引なら1万円の利益)となり、少ない元手で大きな利益を得られる可能性がある、というわけです。逆に、1ドル=149円に円高ドル安が進めば、同様に大きな損失が発生します。

取引できる通貨ペアは、米ドル/円(USD/JPY)、ユーロ/円(EUR/JPY)、ユーロ/米ドル(EUR/USD)、英ポンド/円(GBP/JPY)など、非常に多くの種類があります。そして、これらの通貨ペアの為替レートは、世界各国の経済状況や金融政策、地政学的なリスクなど、様々な要因によって24時間常に変動しています。

FXが多くの人を惹きつける表向きの魅力

FXが、特に個人投資家の間でこれほどまでに人気を集めているのには、いくつかの「表向きの魅力」があるからだと考えられます。

  • 少額から始められる(レバレッジ効果):最大の魅力は、やはり「レバレッジ」でしょう。少ない証拠金で、その何倍もの金額の取引ができるため、大きな資金がない人でも、大きな利益を狙える「夢」を見せてくれます。日本の個人向けFXでは、最大25倍までのレバレッジが認められています。
  • 24時間取引可能(土日を除く):世界の主要な為替市場(東京、ロンドン、ニューヨークなど)がリレー形式で開いているため、平日はほぼ24時間いつでも取引が可能です。日中仕事をしているサラリーマンや、夜型の生活を送っている人でも、自分の都合の良い時間に取引に参加しやすいというメリットがあります。
  • 売りからも買いからも入れる(円高でも円安でも利益のチャンス):FXは、「安く買って高く売る」だけでなく、「高く売って安く買い戻す(空売り)」ことも可能です。そのため、円高局面でも円安局面でも、相場の方向性を正しく予測できれば利益を出すチャンスがあると言われています。
  • 取引コストが比較的低い(スプレッド):FXの取引コストは、主に「スプレッド」と呼ばれる、売値(Bid)と買値(Ask)の差額です。このスプレッドが非常に狭いFX会社も多く、株式の売買手数料などと比較して、取引コストを低く抑えられると言われることがあります(ただし、スプレッド以外に手数料がかかる場合もあります)。
  • 情報入手の容易さと手軽な取引ツール:インターネット上には為替に関する情報が溢れていますし、多くのFX会社がスマートフォンアプリなど、手軽に取引できるツールを提供しています。「スマホ一つで、いつでもどこでも簡単に取引できる」という手軽さも、人気の要因でしょう。

これらの「メリット」だけを見ると、FXはまるで「誰でも簡単に大儲けできる夢のような投資」のように思えてしまうかもしれません。しかし、これらの魅力の裏には、実は非常に大きなリスクが潜んでいるのです。そのリスクを理解せずに足を踏み入れると、取り返しのつかない事態を招きかねません。


FXはやめとけと言われる7つの深刻な理由(9割が退場する世界の現実)

さて、ここからが本題です。FXの表向きの魅力をご理解いただいたところで、なぜ多くの経験者や専門家から「FXはやめとけ」という、強い警告にも似た声があがってしまうのか、その具体的な理由を7つに絞って、詳しくご説明していきたいと思います。

これらの理由を知ることは、皆さんがFXという非常にリスクの高い取引に手を出す前に、一度立ち止まって冷静に考えるための、何よりも重要なステップとなるはずです。

【理由①】レバレッジの罠で一瞬にして資金が吹き飛ぶ「強制ロスカット」のリスク

FXの最大の魅力とされる「レバレッジ」。少ない資金で大きな取引ができるこの仕組みは、同時にFXの最大の危険性でもあります。なぜなら、レバレッジを高くかければかけるほど、わずかな為替レートの変動でも、証拠金に対して非常に大きな損失が発生する可能性があるからです。

そして、多くのFX会社では、顧客の損失が一定レベルを超えて、預けた証拠金だけではカバーしきれなくなるのを防ぐために、「強制ロスカット(きょうせいロスカット)」という仕組みを導入しています。

これは、含み損が一定の水準(例えば、証拠金維持率が50%を下回った場合など、FX会社によって基準は異なります)に達すると、顧客の意思に関わらず、保有しているポジション(建て玉)が強制的に決済されてしまう制度です。

これにより、理論上は証拠金以上の損失(追証:おいしょう、追加証拠金の略)が発生するのを防ぐことを目的としています。

しかし、この強制ロスカットは、決して投資家を守るためだけの制度ではありません。むしろ、「一瞬にして、預けたお金の大部分、あるいは全てが消えてしまう」という恐怖の引き金にもなり得るのです。

  • 急激な相場変動への対応不可:経済指標の発表時や、大きなニュース(例えば、中央銀行のサプライズな政策変更、地政学的な紛争の勃発など)があった際には、為替レートがほんの数分、時には数秒の間に何円も急騰・急落することがあります。こうした急変時には、損切り注文(あらかじめ損失を限定するために出す注文)が間に合わなかったり、設定していた価格から大きく乖離した不利なレートで約定してしまったり(スリッページと言います)することがあり、強制ロスカットのラインをあっという間に割り込んでしまうことがあります。
  • 「コツコツドカン」の典型:レバレッジを効かせていると、小さな利益をコツコツと積み重ねていても、たった一度の大きな損失で、それまでの利益が全て吹き飛ぶどころか、元本まで大きく割り込んでしまう「コツコツドカン」という典型的な負けパターンに陥りやすいのです。
  • 追証が発生する可能性もゼロではない:強制ロスカットは追証を防ぐための仕組みですが、あまりにも急激な相場変動が起きた場合(例えば、2015年のスイスフランショックのような歴史的な大暴落など)には、ロスカットが間に合わず、預けた証拠金以上の損失が発生し、追加で資金を請求される「追証」が発生するリスクも完全に否定できるわけではありません。

「自分だけは大丈夫」「損切りさえしっかりすれば問題ない」と思っていても、相場の女神は時に非常に残酷です。特に、高いレバレッジをかけて、なけなしのお金で一攫千金を狙おうとするような取引は、もはや投資ではなく、ただのギャンブルと言っても過言ではありません。

そして、そのギャンブルの先に待っているのは、多くの場合、破滅的な結末なのです。

金融庁も、FX取引のリスクについて注意喚起を行っており、特に高いレバレッジ取引の危険性を指摘しています(参考:株式取引やFX取引にご注意!-こんなトラブル・相談も- – 金融庁)。「レバレッジは諸刃の剣」この言葉の意味を、本当に理解していますか?

「FXでレバレッジ25倍で勝負したら、指標発表で一気に逆行して、強制ロスカット。100万円あった証拠金が、わずか数分で10万円に…。もう二度とFXなんてやらない。」(FXで大損した人の体験談ブログより)

このレバレッジによる資金消失リスクが、「FXはやめとけ」と言われる最も大きな、そして最も深刻な理由の一つです。

【理由②】9割が負けて退場すると言われるゼロサムゲームの過酷さ

FX市場は、しばしば「ゼロサムゲーム(あるいはマイナスサムゲーム)」と表現されます。これはどういうことかと言うと、市場全体で見た場合、誰かが利益を得れば、必ず誰かがその分損失を被っている、という構造になっているということです(厳密には、FX会社の手数料やスプレッドがあるので、参加者全体の合計はマイナスになる「マイナスサムゲーム」ですが)。

つまり、株式投資のように、企業が成長し、その価値が上昇することで市場全体のパイが大きくなり、多くの参加者が利益を得られる可能性がある、というのとは根本的に異なるのです。

そして、このゼロサムゲームの世界で勝ち残れるのは、ごく一部のプロのトレーダーや、莫大な資金力と情報網を持つ機関投資家、そして高度なアルゴリズムを駆使するAIトレーディングシステムなどです。

私たちのような個人投資家は、こうした強大な相手と同じ土俵で戦わなければならないのです。それは、まるで素人がプロの格闘家とリングで戦うようなもので、勝ち目があるとは到底思えませんよね。

その結果、FXの世界では、「参加者の9割が1年以内に負けて退場する」「生き残れるのは1割にも満たない」といった厳しい現実が、まことしやかに語られています(この数字に明確な統計的根拠があるわけではありませんが、多くの経験者が肌で感じている実感値と言えるでしょう)。

つまり、ほとんどの個人投資家は、最終的には損失を抱えて市場から去っていく運命にある、ということです。

なぜ、これほどまでに多くの人が負けてしまうのでしょうか?

  • 情報格差:プロのトレーダーは、私たち個人投資家では到底アクセスできないような、高度な情報や分析ツールを持っています。
  • 資金力の差:機関投資家は莫大な資金力で市場を動かすことができます。個人投資家の小さな資金では、彼らの動きに翻弄されるだけです。
  • 心理的な弱さ:人間は、利益が出ている時はすぐに確定したくなり(利小)、損失が出ている時はなかなか損切りできずに塩漬けにしてしまう(損大利小)という、プロスペクト理論で説明されるような心理的なバイアスを持っています。こうした人間の弱さが、FXでは致命傷になりやすいのです。
  • 取引コスト:スプレッドや手数料は、取引を繰り返すたびに確実に発生するコストです。頻繁に売買を繰り返すほど、このコストが利益を圧迫していきます。

「自分だけは特別だ」「勉強すれば勝てるようになるはずだ」と信じたい気持ちは分かります。しかし、FXは、それほど甘い世界ではありません。圧倒的に不利な状況で、百戦錬磨のプロたちと戦わなければならないという現実を、まず受け入れる必要があるのです。

「FX始めて半年。最初はビギナーズラックで少し勝てたけど、その後は負け続き。色々な手法を試したけど、結局トータルではマイナス。やっぱり素人が簡単に勝てる世界じゃなかった。もう潮時かな…。」(FXに挑戦した会社員のSNS投稿より)

この「勝者の陰に、その何倍もの敗者がいる」というゼロサムゲームの構造こそが、多くの人がFXで成功できない根本的な理由なのです。

【理由③】感情に左右されやすく、冷静な判断が極めて困難だから

FX取引は、為替レートという常に変動するものに対して、将来の動きを予測し、お金を賭ける行為です。そこには、どうしても人間の「感情」というものが、良くも悪くも大きく影響してきます。そして、多くの場合、この感情が冷静な判断を狂わせ、破滅的な結果を招く原因となるのです。

FXトレーダーが陥りやすい、代表的な感情の罠としては、以下のようなものがあります。

  • 欲望(Greed):「もっと儲けたい」「一気に大金持ちになりたい」という欲望が強すぎると、リスクを取りすぎたり、利益が出ているのに欲張って利食い(利益確定)のタイミングを逃したりしてしまいます。
  • 恐怖(Fear):損失が出始めると、「もっと損をするのではないか」という恐怖心から、本来損切りすべきポイントで損切りできずに損失を拡大させてしまったり、逆に、わずかな含み益が出ただけで怖くなってすぐに利食いしてしまい、大きな利益を取り逃がしたりします。
  • 希望的観測(Hope):含み損が拡大しているにも関わらず、「いつかは戻るはずだ」「きっと反発するに違いない」といった、根拠のない希望的観測にすがりつき、損切りを先延ばしにしてしまう。これは、最も多くのトレーダーが陥る罠の一つです。
  • 後悔(Regret):「あの時売っておけばよかった」「あの時買っておけばよかった」といった過去の取引に対する後悔の念が、次の取引での判断を誤らせることがあります。例えば、損失を取り返そうと焦って、無謀な取引をしてしまうなど。
  • 興奮・高揚感(Excitement):連続して利益が出たり、大きな利益を得たりすると、自分が天才トレーダーになったかのような錯覚に陥り、冷静さを失って無謀な取引を繰り返してしまうことがあります(いわゆる「ポジポジ病」)。

こうした感情の揺れ動きは、人間である以上、誰にでも起こり得るものです。しかし、FXのように、大切なお金がリアルタイムで増えたり減ったりする状況に直面すると、普段は冷静な人でも、いとも簡単に感情に支配されてしまうのです。そして、感情に基づいたトレードは、ほぼ間違いなく失敗に繋がります

プロのトレーダーは、こうした感情をコントロールするための訓練を積んでいたり、あるいは感情を排してルールに基づいた取引(システムトレード)を行ったりしています。

しかし、一般の個人投資家が、独力で自分の感情を完璧にコントロールし、常に冷静沈着な判断を下し続けるのは、至難の業と言えるでしょう。

「FXで大損した原因は、結局、損切りできなかった自分の弱さ。含み損がどんどん膨らんでいくのを見て、もうパニックになっちゃって、どうすることもできなかった。頭では分かっていても、感情が邪魔をするんだよね…。」(FXで退場した経験者の告白)

「自分は感情に流されない自信がある」と思っている人ほど、実は危険かもしれません。FXは、あなたの心の弱さを、容赦なく突いてくるのです。

【理由④】「必ず儲かる」という怪しい情報商材や高額セミナーの温床になっているから

「FXで簡単に大儲けしたい!」という人々の射幸心を煽り、そこにつけ込もうとする悪質な業者や個人が後を絶たないのも、FX業界の暗部の一つです。

インターネット上には、「FX必勝法」「絶対に負けない自動売買システム(EA)」「月利〇〇%確実!」といった、甘い言葉で誘惑する情報商材や高額セミナーの広告が溢れています。

しかし、冷静に考えてみてください。もし本当にそんな「必ず儲かる方法」が存在するのであれば、それをわざわざ他人に教えるでしょうか?自分でその方法を使って大儲けすれば良いはずですよね。つまり、そうした情報商材やセミナーの多くは、

  • 中身が薄っぺらく、誰でも知っているような情報しか書かれていない。
  • 過去の特定の相場状況ではうまくいったかもしれないが、将来も通用するとは限らない手法である。
  • 誇大広告や虚偽の成果を謳っている。
  • 高額な料金を支払わせることが目的であり、購入後のサポートはほとんどない。
  • 違法な投資助言行為にあたる可能性すらある。

といった、非常に悪質なものである可能性が高いのです。こうした情報に安易に飛びつき、高額な費用を支払ったにも関わらず、全く儲からないどころか、かえって大きな損失を出してしまった、という被害相談も後を絶ちません。国民生活センターなどにも、FX関連の情報商材やセミナーに関するトラブル相談が多数寄せられています(参考:「情報商材や副業のノウハウをうたう高額な契約に注意!」- 国民生活センター)。

「楽して儲けたい」「すぐに結果を出したい」という焦りの気持ちは、こうした悪質な業者の格好の餌食になってしまいます。FXの世界に「聖杯」や「裏技」といったものは存在しません。もし、そんなものを謳う情報に出会ったら、まずは疑ってかかるべきです。地道な勉強と経験、そして厳しい自己規律なしに、FXで成功することはあり得ないのです。

「高いセミナー代払ったのに、全然勝てるようにならなかった…」「自動売買ソフト買ったら、すぐに資金が半分になった…」そんな後悔をする前に、怪しい儲け話には絶対に手を出さないという強い意志を持ちましょう。

【理由⑤】生活リズムの崩壊と健康被害を招きやすいから

FXは、平日はほぼ24時間取引が可能であるため、自分の好きな時間に取引できるというメリットがある一方で、それがかえって生活リズムを大きく乱し、心身の健康を損なう原因にもなり得ます。特に、以下のような状況に陥りやすいので注意が必要です。

  • 深夜・早朝までの取引:日中仕事をしているサラリーマンなどが、帰宅後や就寝前の時間をFX取引に充てることが多いですが、ヨーロッパ市場やニューヨーク市場が活発に動くのは日本の深夜から早朝にかけてです。そのため、少しでも利益を上げようと、ついつい夜更かしをしてしまい、睡眠時間が大幅に削られてしまうことがあります。
  • 常に相場が気になるストレス:ポジションを持っていると、仕事中も、食事中も、そして寝ている間も、常に為替レートの動きが気になってしまい、心が休まらない状態が続くことがあります。スマートフォンで何度もチャートをチェックしてしまう、という人も多いでしょう。
  • 画面の見過ぎによる眼精疲労や肩こり:長時間パソコンやスマートフォンの画面とにらめっこしていると、目が疲れたり、肩や首が凝ったりといった、身体的な不調も現れやすくなります。
  • 不規則な食生活や運動不足:取引に集中するあまり、食事を疎かにしたり、運動する時間がなくなったりして、生活習慣全体が乱れてしまうことも。
  • 精神的な不安定さ:大きな損失を出したり、相場の急変に翻弄されたりすると、イライラしたり、落ち込んだり、不安になったりと、精神的に不安定になりやすくなります。これが、日常生活や人間関係にも悪影響を及ぼすことがあります。

「少しだけなら大丈夫」と思っていても、FXの持つ中毒性や射幸心から、気づいた時にはどっぷりと深みにはまってしまい、生活の全てがFX中心になってしまう…そんな人も少なくありません。

そして、その結果、健康を害し、仕事や家庭生活にも支障をきたし、最終的にはFXからも退場せざるを得なくなる、という悪循環に陥ってしまうのです。

お金を稼ぐために始めたFXで、人生で最も大切な「健康」を失ってしまっては、元も子もありませんよね。FXと健全な生活とのバランスを保つことは、想像以上に難しいということを、肝に銘じておく必要があります。

「FXにハマってから、毎日寝不足で昼間は仕事に集中できないし、イライラして家族にも当たり散らすようになってしまった。お金も減る一方だし、もう何のためにやってるのか分からない…。」(FX歴1年の会社員Eさんの苦悩)

この健康被害のリスクもまた、「やめとけ」と言われる大きな理由の一つです。

【理由⑥】家族や友人との人間関係を破壊する危険性も

FXで大きな損失を出したり、FXにのめり込みすぎたりすることは、あなた自身だけでなく、あなたの大切な家族や友人との人間関係をも破壊してしまう危険性をはらんでいます。これは、決して大げさな話ではありません。

  • 経済的な問題による家庭不和:FXで大きな借金を抱えてしまったり、生活費に手を出してしまったりすると、家族(配偶者や子供、親など)に多大な迷惑と心配をかけることになります。それが原因で、夫婦関係が悪化したり、家庭崩壊に至ってしまったりするケースも。
  • 嘘や隠し事の始まり:FXで損失を出していることを家族に言えずに隠し通そうとしたり、借金をしていることをごまかしたりすると、信頼関係が大きく損なわれます。
  • 性格の変化・孤立:FXのストレスや損失による精神的な不安定さから、以前とは性格が変わってしまい、イライラしやすくなったり、人との付き合いを避けるようになったりして、友人関係が疎遠になってしまうこともあります。
  • 「一発逆転」への執着による周囲への迷惑:FXで負けが込んでいるにも関わらず、「次こそは勝てるはずだ」と、家族や友人からお金を借りようとしたり、怪しい儲け話に他人を巻き込もうとしたりするような行動は、人間関係を決定的に壊してしまいます。
  • 時間の喪失によるコミュニケーション不足:FXに没頭するあまり、家族と過ごす時間や、友人と交流する時間が極端に減ってしまうと、大切な人たちとの絆が薄れていってしまうかもしれません。

お金は確かに大切ですが、それ以上に大切なものが、私たちにはたくさんあるはずです。

家族の笑顔、友との語らい、信頼できる人間関係…これらは、一度失ってしまうと、お金では決して取り戻せないものです。FXというギャンブル性の高い取引にのめり込むことで、こうしたかけがえのないものを危険に晒してしまうということを、あなたは本当に理解していますか?

「自分は大丈夫、ちゃんとコントロールできるから」と思っていても、魔が差す瞬間は誰にでも訪れる可能性があります。そして、その一瞬の過ちが、取り返しのつかない結果を招くこともあるのです。

もし、あなたがFXを始めようと考えているなら、あるいは既に始めているなら、一度立ち止まって、自分にとって本当に大切なものは何なのか、そしてFXがそれにどのような影響を与える可能性があるのかを、真剣に考えてみてください。お金よりも優先すべき価値があるということを、忘れないでほしいのです。

【理由⑦】「投資」ではなく「投機(ギャンブル)」に限りなく近いという本質的な危険性

FXは、しばしば「投資」の一種として語られることがあります。しかし、その実態をよく見ると、特に個人が短期的な値動きを狙って行うFX取引は、本来の意味での「投資(企業の成長や価値創造に資金を投じること)」とは大きく異なり、むしろ「投機(価格変動の差益だけを狙う行為)」、あるいはもっと言えば「ギャンブル」に近い側面が非常に強いと言わざるを得ません。

その理由は、

  • 価値創造性の欠如:FXは、為替レートという「相対的な価格」の変動を予測するものであり、株式投資のように、その取引を通じて新たな価値が創造されたり、経済全体が成長したりするわけではありません。基本的には、誰かの利益が誰かの損失になるゼロサムゲームです。
  • 予測の極端な困難さ:為替レートの短期的な動きは、世界中の経済指標、金融政策、政治情勢、市場参加者の心理など、無数の要因が複雑に絡み合って決定されるため、その動きを正確に予測することは、プロの専門家でも極めて困難です。個人投資家が、限られた情報と知識で太刀打ちできるものではありません。
  • レバレッジによる射幸心の助長:少ない資金で大きなリターンが狙えるレバレッジは、まさにギャンブルの魅力そのものです。「一攫千金」の夢は、多くの人を冷静な判断から遠ざけ、無謀な賭けへと駆り立てます。
  • 中毒性の高さ:短期間で大きな金額が動くスリルや、勝った時の高揚感は、パチンコや競馬といった他のギャンブルと同様に、強い中毒性を持ちます。一度その魅力に取り憑かれると、なかなか抜け出せなくなるのです。

もちろん、為替リスクをヘッジする目的でFXを利用する企業や、長期的な国際分散投資の一環として外貨建て資産を保有する個人もいます。そうした目的であれば、FXも有効な手段の一つとなり得ます。

しかし、多くの個人がイメージするような「FXでデイトレードして儲ける」という行為は、本質的に、丁半博打のようなものに近いと言えるでしょう。そして、胴元(FX会社)は必ず手数料を取るので、長期的には参加者の多くが負けるようにできているのです。

「自分はギャンブルはやらないけど、FXは投資だから大丈夫」と思っているとしたら、それは大きな誤解かもしれません。

その取引が、本当に将来の価値創造に繋がるものなのか、それとも単なる価格の上げ下げを当てるゲームなのか、一度冷静に考えてみる必要があるでしょう。「投機」と「投資」は、似て非なるものなのです。

以上が、「FXはやめとけ」と言われることがある主な7つの理由です。どれも、FXという金融商品が持つ、非常に高いリスクと、それに伴う深刻な結果を示唆しており、決して軽い気持ちで手を出してはいけない世界だということが、お分かりいただけたのではないでしょうか。


それでもFXに挑戦したいなら?破産を避けるための最低限の鉄則

ここまでFXの危険性や、「やめとけ」と言われる理由について、これでもかというほど詳しくお話ししてきました。「もう絶対にFXなんてやらない!」と固く心に誓った方もいらっしゃるかもしれませんね。

しかし、それでもなお、「いや、自分はリスクを理解した上で、どうしてもFXに挑戦してみたいんだ!」という強い意志をお持ちの方も、中にはいらっしゃるかもしれません。あるいは、「FXで失敗してしまったけれど、もう一度だけ、今度こそは…」と考えている方もいるかもしれません。

もし、あなたがそうした強い思いを抱いているのであれば、私はそれを完全に否定することはできません。しかし、お願いですから、これからお話しする「最低限の鉄則」だけは、必ず、絶対に守ってください

これらを守らずにFXの世界に足を踏み入れることは、もはや無謀を通り越して、自ら破滅の道を選んでいるのと同じです。これらの鉄則は、あなたの大切な資産を守り、そして何よりも、あなたの人生を守るための、最後の砦だと思ってください。

【鉄則①】失っても絶対に生活に困らない「余剰資金」の、さらにごく一部で始める

これはもう、FXに限らず、あらゆる投資・投機における大原則中の大原則ですが、FXにおいては、その重要性が格段に増します。

FXに投じるお金は、必ず、「万が一、全て失ってしまったとしても、ご自身の生活や家族の生活、そして将来の計画に、全く、一切支障が出ない」と断言できる範囲の「余剰資金」、それも、その余剰資金の中の、さらにごく一部(例えば1割や2割程度)に限定してください。

  • 生活防衛資金(最低でも生活費の半年~1年分)は、FXとは完全に別の、安全な場所(預貯金など)に確保し、これには絶対に手をつけない。
  • 住宅ローンや教育費、老後のための積立など、将来必ず必要になるお金は、絶対にFXに回さない。
  • 借金をしてまでFXをやろうなどとは、絶対に考えない。友人や家族からお金を借りるのも同様です。
  • 「このお金がなくなったら、もう後がない…」というような、追い詰められた状況でFXをやるのは、自殺行為に等しいです。

「少しでも多くのお金で始めた方が、儲けも大きくなるはずだ」という考えは、FXにおいては非常に危険です。なぜなら、失った時のダメージも、それに比例して大きくなるからです。まずは「失っても許容できる金額」を冷静に設定し、その範囲内で、小さく、慎重に始めること。これが、FXで生き残るための絶対条件です。

【鉄則②】レバレッジは極限まで低く(できれば3倍以下、理想は1倍)設定する

FXの魅力であり、同時に最大の魔物でもある「レバレッジ」。これとの付き合い方が、FXでの生死を分けると言っても過言ではありません。もし、あなたが本気でFXで生き残りたいと考えるなら、レバレッジは、可能な限り低く、低く、設定してください

日本の個人向けFXでは最大25倍まで許容されていますが、これはあくまで「最大」であり、初心者がいきなりこんな高いレバレッジで取引するのは、無謀以外の何物でもありません。

理想を言えば、レバレッジ1倍(つまり、証拠金と同額の取引)から始めるのが最も安全です。これなら、為替レートが急変しても、証拠金以上の損失が出ることは基本的にありません(ただし、スプレッドや手数料は考慮が必要です)。

もし、どうしてもレバレッジをかけたいというのであれば、せいぜい2倍か3倍程度までに抑えるべきです。それでも、為替のボラティリティ(変動率)を考えれば、十分に大きなリスクを取っていることになります。

「レバレッジをかけないと儲からない」というのは、FX業者の宣伝文句か、あるいは既に市場から退場した人の戯言だと考えてください。生き残ることが最優先です。大きく儲けるのは、そのずっとずっと先の話です。

【鉄則③】必ず「損切り(ストップロス)」の注文を入れ、それを絶対に動かさない・取り消さない

FXで最も重要かつ最も難しいのが、「損切り」です。損切りとは、含み損が一定のレベルに達したら、それ以上の損失拡大を防ぐために、潔くポジションを決済し、損失を確定させることです。多くのトレーダーが退場していく最大の原因は、この損切りができないことにあります。

FXで取引を始める際には、エントリー(ポジションを持つ)と同時に、必ず「もし予想が外れて、ここまで価格が逆行したら、迷わず損切りする」という具体的な損切りポイント(逆指値注文、ストップロスオーダー)を設定し、それを注文として入れてください

そして、一度設定した損切り注文は、「もう少し待てば戻るかもしれない」などという甘い期待から、絶対に動かしたり、取り消したりしてはいけません。それは、命綱を自ら断ち切る行為に等しいのです。

損切りは、確かに痛みを伴います。大切なお金が減るのですから、辛くないはずがありません。しかし、その小さな痛みを受け入れることで、将来の致命的な大きな損失を防ぐことができるのです。

「損切り貧乏」という言葉もありますが、損切りできずに一発退場するよりは、はるかにマシです。損切りは、FXで生き残るための必要経費だと割り切りましょう。

【鉄則④】取引ルールを明確に定め、それを機械的に、感情を排して守り続ける

FXで感情に左右されずに取引するためには、自分なりの「取引ルール」を明確に定め、どんな状況であっても、そのルールを機械的に、淡々と守り続けることが不可欠です。この取引ルールには、以下のような項目を含めると良いでしょう。

  • エントリー(ポジションを持つ)の条件:どのようなテクニカル指標やファンダメンタルズ分析に基づいて、どのタイミングで売買を判断するのか。
  • 損切り(ストップロス)のルール:エントリーポイントから何pips(為替レートの最小単位)逆行したら損切りするのか、あるいは特定のテクニカルポイントを割り込んだら損切りするのか。
  • 利益確定(テイクプロフィット)のルール:どの程度の利益が出たら利益を確定するのか。損切り幅とのバランス(リスクリワードレシオ)も考慮しましょう。
  • 1回の取引で許容する最大損失額:証拠金全体の何%までなら、1回の取引で失っても許容できるのか(例えば、2%ルールなど)。
  • 取引する時間帯や通貨ペアの限定:自分の得意な時間帯や、値動きの特徴をよく理解している通貨ペアに絞って取引する。
  • 取引しない条件:重要な経済指標の発表前後は避ける、体調が悪い時や精神的に不安定な時は取引しない、など。

これらのルールを一度決めたら、それを紙に書き出すなどして常に目に見えるところに置き、どんなに「今回は特別だ」「きっとうまくいくはずだ」と思っても、絶対にルールを破らないという強い意志が必要です。感情が入り込む余地をなくし、ロボットのようにルールに従って取引することが、FXで長期的に生き残るための唯一の道かもしれません。

【鉄則⑤】まずはデモトレードで徹底的に練習し、少額での実戦経験を積む

いきなり大切なお金を使ってリアルトレードを始める前に、まずは「デモトレード」で、FXの取引の仕組みや、自分が考えた取引ルールの有効性を、徹底的に検証する期間を設けましょう。

多くのFX会社が、無料で利用できるデモトレード環境を提供しています。デモトレードなら、実際のお金を使わずに、本番と同じような環境で取引の練習ができます。

デモトレードで、最低でも数ヶ月間、安定して利益が出せるようになるまでは、絶対にリアルトレードに移行すべきではありません。そして、もしデモトレードですら勝てないのであれば、残念ながら、あなたにはFXの才能がないのかもしれません。その場合は、潔くFXから手を引く勇気も必要です。

デモトレードである程度の自信がついたら、次に、本当に失っても構わないと思える、ごくごく少額の資金(例えば数万円程度)で、リアルトレードを始めてみましょう

デモトレードとリアルトレードでは、実際のお金がかかっているというプレッシャーから、心理状態が全く異なります。この少額での実戦経験を通じて、自分自身の感情の動きや、取引ルールの有効性を、改めて検証していくのです。

この「デモトレードでの練習」と「少額での実戦経験」というステップを飛ばして、いきなり大きな金額でFXを始めようとするのは、運転免許も持たずに、いきなりF1レースに出場するようなものです。結果は火を見るより明らかですよね。

【鉄則⑥】常に学び続ける姿勢と、相場に対する謙虚な気持ちを忘れない

FXの世界は、常に変化し続けています。過去に通用した手法が、将来も同じように通用するとは限りません。そのため、常に新しい知識や情報を学び続け、自分自身の取引手法を検証し、改善していくという謙虚な姿勢が不可欠です。

  • テクニカル分析・ファンダメンタルズ分析の学習:ローソク足、移動平均線、MACD、ボリンジャーバンドといったテクニカル指標の使い方や、各国の経済指標や金融政策が為替レートに与える影響(ファンダメンタルズ)について、基本的な知識は必ず身につけましょう。
  • 過去の相場検証(バックテスト):自分が考えた取引ルールが、過去の相場データでどのような成績を収めたのかを検証する(バックテスト)ことで、その有効性や改善点を見つけることができます。
  • 取引記録の徹底と反省:全ての取引について、なぜそのタイミングでエントリーし、なぜその結果になったのかを記録し、定期的に振り返って反省点を見つけ、次の取引に活かしていくことが重要です。
  • 相場に対する畏敬の念:相場は、人間の予測をはるかに超えた動きをすることがあります。「相場を完全にコントロールできる」などという傲慢な考えは捨て、常に相場に対して謙虚な気持ちで向き合うことが大切です。

「もう十分に勉強したから大丈夫」ということは、FXの世界にはありません。学びを止めた瞬間から、退場へのカウントダウンが始まると心得ましょう。

そして、どんなに経験を積んでも、「自分はまだ何も分かっていないのかもしれない」という謙虚さを持ち続けることが、長く生き残るための秘訣なのかもしれません。

【鉄則⑦】「向いていない」と感じたら、潔く撤退する勇気を持つこと

そして、これが最も重要かつ、最も難しい鉄則かもしれません。もし、あなたがFXを始めてみて、「これは自分には向いていない」「どうしても勝てない」「精神的に辛すぎる」と感じたのであれば、ある程度の損失が出たとしても、それ以上深追いせずに、潔くFXの世界から撤退する勇気を持つことです。

FXは、残念ながら、全ての人に向いているわけではありません。持って生まれた才能や性格、環境など、様々な要因が複雑に絡み合って、向き不向きが決まる部分もあります。

「もう少し頑張れば、きっと勝てるようになるはずだ」と、ズルズルと損失を拡大させてしまうのは、最も避けなければならない事態です。それは、ギャンブル依存症の入り口にもなりかねません。

「損切り」は取引ごとの小さな撤退ですが、「FXそのものからの撤退」は、人生における大きな、そして賢明な損切りとなり得るのです。

失ったお金は、他の方法で取り戻せるかもしれません。しかし、失った時間や健康、そして大切な人との信頼関係は、簡単には取り戻せません

FX以外にも、世の中にはお金を稼ぐ方法や、人生を豊かにする方法はたくさんあります。一つのことに固執せず、自分に合った道を見つけることが、何よりも大切なのです。

これらの鉄則を守ったからといって、FXで必ず成功できるという保証はどこにもありません。しかし、少なくとも、致命的な失敗を避け、自分自身と大切なものを守るための、最低限の防衛ラインにはなるはずです。どうか、これらの言葉を胸に刻んで、慎重な判断をしてくださいね。


FXという名のギャンブルに手を出すべきでない理由総括

さて、ここまでFX(外国為替証拠金取引)について、「やめとけ」と言われてしまう理由や、それでもFXに挑戦したい場合に守るべき最低限の鉄則など、詳しくお話ししてきました。

最後に、今回の内容をまとめて、皆さんがこの非常にリスクの高い金融商品とどう向き合うべきか、あるいは向き合わないべきか、その最終的な判断をする上で、本当に心に留めておくべきことは何なのか、おさらいをしておきましょう。

今回の記事でお伝えしてきた、「FXはやめとけ」と強く警鐘を鳴らす主な理由は、以下の7点でしたね。

  • 理由①:レバレッジの罠で一瞬にして資金が吹き飛ぶ「強制ロスカット」のリスク
    少ない資金で大きな取引ができる魅力の裏には、一瞬で全てを失う恐怖が潜んでいます。
  • 理由②:9割が負けて退場すると言われるゼロサムゲームの過酷さ
    プロや機関投資家が跋扈する世界で、個人投資家が勝ち続けるのは至難の業です。
  • 理由③:感情に左右されやすく、冷静な判断が極めて困難
    欲望、恐怖、希望的観測といった感情が、合理的な判断を狂わせ、破滅を招きます。
  • 理由④:「必ず儲かる」という怪しい情報商材や高額セミナーの温床
    射幸心を煽る悪質な業者に騙され、さらなる損失を被る危険性があります。
  • 理由⑤:生活リズムの崩壊と健康被害を招きやすい
    24時間取引の魔力とストレスが、心身の健康を蝕む可能性があります。
  • 理由⑥:家族や友人との人間関係を破壊する危険性も
    経済的な問題や精神的な不安定さが、大切な人との絆を断ち切ってしまうことがあります。
  • 理由⑦:「投資」ではなく「投機(ギャンブル)」に限りなく近いという本質的な危険性
    価値創造を伴わないゼロサムゲームであり、長期的な資産形成には不向きです。

これらの理由を改めて見返すと、FXがいかに危険で、多くの人にとって「手を出すべきではない」ものなのか、ご理解いただけたのではないでしょうか。それは、単に「損をするかもしれない」というレベルの話ではなく、時には人生そのものを狂わせてしまうほどの、破壊的な力を持っているのです。

「自分だけは大丈夫」「少しなら儲かるかもしれない」…そんな甘い考えは、FXの世界では通用しません。それは、まるで荒れ狂う大海に、救命胴衣もつけずに小さな手漕ぎボートで漕ぎ出すようなものです。一瞬の幸運に恵まれることはあるかもしれませんが、いずれ必ず、大きな波に飲み込まれてしまうでしょう。

FXという選択肢を考える前に、まず自問自答してほしいのです。

  1. あなたは、本当に「失っても良いお金」だけで勝負できますか? 生活費や将来のための大切なお金に、手を出してしまう誘惑に勝てますか?
  2. あなたは、自分の感情を完璧にコントロールし、どんな状況でも冷静沈着な判断を下し続けることができますか? 欲望や恐怖に打ち勝つ強さを持っていますか?
  3. あなたは、FXで勝つために必要な、膨大な時間と労力をかけた学習と検証、そして厳しい自己規律を、長期間にわたって継続する覚悟がありますか?
  4. あなたは、FXで万が一大きな損失を被ったとしても、その責任を全て自分で負い、誰のせいにもせずに、そこから立ち直るだけの精神的な強さを持っていますか?
  5. そして何よりも、あなたは、FXというギャンブル性の高い取引に、あなたの大切な時間、お金、健康、そして人間関係を危険に晒してまで、本当に挑戦する価値があると考えていますか?

もし、これらの問いに対して、一つでも「いいえ」という答えがあるのであれば、あるいは少しでも迷いがあるのであれば、私は、あなたに「FXはやめておきなさい」と、強く、そして心からアドバイスしたいです。

世の中には、もっと安全で、もっと着実に資産を形成する方法がたくさんあります。例えば、長期的な視点での株式投資(インデックスファンドなどへの積立投資)、NISAやiDeCoといった税制優遇制度の活用、あるいは自分自身のスキルアップへの投資などです。

これらは、FXのような一攫千金の夢は見せてくれないかもしれませんが、あなたの将来をより確かなものにしてくれる可能性を秘めています。

「やめとけ」という言葉は、時に厳しい響きを持つかもしれません。しかし、それは、あなたに不幸な道を歩んでほしくないという、切なる願いが込められた言葉でもあるのです。どうか、FXという甘美な響きの裏に隠された、深刻なリスクから目を背けず、ご自身の未来のために、賢明で、そして何よりも安全な選択をしてくださいね。

この記事が、皆さんのFXという金融商品に対する正しい理解を深め、そして何よりも、皆さんお一人おひとりが、安易な儲け話に惑わされることなく、ご自身の資産と人生を守るための、賢明な判断をするための一助となれたなら、これほど嬉しいことはありません。

皆さんの未来が、ギャンブルではなく、堅実な努力と計画によって、豊かで幸多きものとなることを、心から願っています!

UTA

会社員。営業職で着実に成果を上げ、年収は本業と副業合わせて1,X00万円。副業は投資とライティング。妻と小学生の娘と3人暮らし。休日は家族サービスと自己研鑽に励む。趣味は映画鑑賞。

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