街を走るSUVの中でも、ひときわスタイリッシュで洗練されたデザインが目を引くマツダCX-5。「魂動(こどう)デザイン」と呼ばれる生命感あふれるフォルムや、人馬一体と評される運転する楽しさ、そして力強いクリーンディーゼルエンジンなど、多くの魅力で人気を集めているクロスオーバーSUVですよね。
学生さんからファミリー層、そして運転好きのベテランドライバーまで、幅広い世代に支持され、「いつかはCX-5に乗ってみたい!」と憧れている方も多いのではないでしょうか。
でも、インターネットで「CX-5」と検索してみると、「CX-5 やめとけ」「CX-5 後悔」「CX-5 買ってはいけない」なんて、ちょっとドキッとするような言葉も一緒に表示されることがあるんです。「え、そんなに人気なのに、何か問題があるの…?」と、不安に感じてしまった方もいらっしゃるかもしれません。一体どうして、そんな声があがってしまうのでしょう?
この記事では、マツダCX-5について、なぜ一部で「やめとけ」と言われてしまうのか、どんな点に注意しないと購入後に大きな後悔につながってしまうのか、その理由を一つひとつ丁寧に、そして皆さんに分かりやすくご説明していきたいと思います。
もちろん、CX-5には素晴らしい魅力がたくさん詰まっていますし、多くのオーナーさんが満足のいくカーライフを送っています。でも、今回はあえて「やめとけ」と言われる側面から、皆さんが大切な車選びで失敗しないためのお手伝いができれば嬉しいです。人気車種だからこそ、購入前の情報収集はとっても大切ですからね。
この記事でお伝えしたいこと
- マツダCX-5の基本的な概要と、なぜ多くの人を惹きつけるのかという人気の秘密
- なぜCX-5が「やめとけ」「買うな」と言われることがあるのか、その具体的な6つの理由と背景
- CX-5を購入して後悔しやすいケースや、知っておくべき潜在的なリスク
- それでもCX-5に乗りたいと考えた場合に、失敗を避け、賢明な判断をするための重要な注意点と選び方のコツ
- ご自身のカーライフの目的や価値観に、CX-5という選択が本当に合っているのかを見極めるためのヒント
CX-5とは?その概要と人気の秘密
まずはじめに、「CX-5って、どんな車なの?」「マツダの他のSUVとはどう違うの?」という方のために、CX-5の基本的なところからご説明しますね。
その成り立ちや特徴、そしてなぜこれほどまでに多くの人々から支持されているのかを知ることは、今回のテーマを深く理解する上でとても大切なんですよ。
CX-5の基本的な紹介
マツダCX-5は、マツダが製造・販売しているクロスオーバーSUVです。
初代モデルは2012年に登場し、マツダの新世代技術群である「SKYACTIV TECHNOLOGY(スカイアクティブ テクノロジー)」と、生命感あふれるダイナミックなデザインテーマ「魂動(こどう)-SOUL of MOTION」を全面的に採用した最初の市販モデルとして、大きな注目を集めました。まさに、その後のマツダ車の方向性を決定づけた、記念すべき一台と言えるでしょう。
現行モデルは2017年に登場した2代目にあたり、初代のコンセプトを継承しつつ、デザインや走行性能、質感、安全性能など、あらゆる面でさらなる進化を遂げています。マツダのSUVラインナップの中では、コンパクトなCX-3やCX-30と、より大型のCX-8やCX-60との間に位置する、いわばミドルサイズの主力SUVとしての役割を担っています。
CX-5の大きな特徴としては、やはりその美しいデザインが挙げられます。日本の伝統的な美意識にも通じる、余計なものを削ぎ落としたシンプルかつダイナミックな造形は、他のSUVとは一線を画す存在感を放っていますよね。
また、エンジンラインナップも多彩で、効率的で力強い走りを実現するガソリンエンジン「SKYACTIV-G」に加え、特に日本では、トルクフルで経済性に優れるクリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D」が高い人気を集めています。
インテリアも、ドライバー中心のコクピットデザインや、上質な素材感など、所有する喜びを満たしてくれる作り込みがなされています。そして、マツダが追求する「人馬一体」の走り。
これは、ドライバーの意のままに車が反応し、まるで自分の体の一部であるかのように操れる、心地よい運転感覚のことを指します。CX-5も、SUVでありながら、その走りの良さには定評があるんですよ。
CX-5が多くの人を惹きつける人気の秘密
CX-5が、長年にわたり多くの人々から愛され、国産ミドルサイズSUVの代表格として高い人気を維持しているのには、いくつかの理由があると考えられます。
- 際立って美しい「魂動デザイン」:生命感とダイナミズムを感じさせる、彫りの深いエクステリアデザインは、他のどのSUVにも似ていない、CX-5ならではの強い個性と美しさを持っています。「ソウルレッドクリスタルメタリック」に代表される深みのあるボディカラーも、その魅力を一層引き立てていますよね。
- 「人馬一体」を追求した運転する楽しさ:マツダがこだわり続ける、ドライバーの意図に忠実に応答するハンドリング性能や、アクセル操作に対する自然な加速感は、SUVというカテゴリーを超えた運転の楽しさを提供してくれます。
- クリーンディーゼルエンジンの魅力:力強いトルクによる余裕のある走りと、優れた燃費性能を両立するクリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D」は、CX-5の大きな魅力の一つです。長距離ドライブが多い方や、燃料費を抑えたい方から特に支持されています。
- 質感の高い内外装:クラスを超えたと言われる上質なインテリアの素材感や、細部までこだわった作り込みは、所有する満足感を高めてくれます。
- 充実した先進安全技術:マツダの安全思想「MAZDA PROACTIVE SAFETY(マツダ・プロアクティブ・セーフティ)」に基づき、衝突被害軽減ブレーキや各種運転支援システムなど、先進の安全技術が積極的に採用されている点も、安心感を求めるユーザーに評価されています。
- 国産車としての信頼性とコストパフォーマンス:輸入SUVと比較すると、車両価格や維持費の面で比較的手が届きやすく、また国産車ならではの信頼性の高さも魅力です。

このように、CX-5は単に実用的なSUVというだけでなく、デザインや走り、そして所有する喜びといった、感性に訴えかける価値を重視するユーザーにとって、非常に魅力的な選択肢となっているんですね。
CX-5はやめとけと言われる6つの深刻な理由
さて、ここからが本題です。CX-5の魅力は十分に理解できるものの、なぜ一部で「CX-5はやめとけ」「買ってはいけない」という、購入をためらわせるような声があがってしまうのでしょうか。
その具体的な理由を6つに絞って、詳しくご説明していきたいと思います。これらの理由を知っておくことは、皆さんがCX-5を購入して後悔しないために、非常に重要になってくるはずです。
【理由①】ディーゼルエンジン特有のDPF問題とメンテナンスコストへの懸念
マツダCX-5の大きな魅力の一つであるクリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D」。
力強い走りと優れた燃費性能で人気ですが、その一方で、ディーゼルエンジン特有のメンテナンス、特に「DPF(Diesel Particulate Filter:ディーゼル微粒子捕集フィルター)」に関する問題は、購入前に必ず理解しておくべき重要なポイントです。
DPFとは、ディーゼルエンジンから排出されるPM(粒子状物質、いわゆるスス)をフィルターで捕集し、燃焼させて除去する装置のことです。このDPFが正常に機能することで、クリーンな排気を実現しているんですね。
しかし、このDPFの「再生(フィルターに溜まったススを燃焼させること)」が、特定の運転条件下ではうまくいかず、以下のような問題を引き起こす可能性があるのです。
- DPF再生頻度の増加・再生時間の長期化:特に、市街地での短距離走行や低速走行が多い乗り方(チョイ乗り)を繰り返していると、DPFにススが溜まりやすく、再生が頻繁に、かつ長時間行われるようになります。再生中は燃費が悪化したり、エンジンの回転数が上がったりすることがあります。
- DPFの詰まり・警告灯の点灯:再生がうまく完了しない状態が続くと、DPFがススで完全に詰まってしまい、警告灯が点灯したり、エンジンの出力が低下したりすることがあります。
- エンジンオイルの希釈:DPF再生時には、燃料を多めに噴射して排気温度を上げるため、その一部がエンジンオイルに混入し、オイルが燃料で薄まってしまう「オイル希釈」という現象が起こりやすくなります。オイル希釈が進行すると、オイルの潤滑性能が低下し、エンジンに悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、ディーゼル車はガソリン車よりもエンジンオイル交換の頻度が高くなる傾向にあります(マツダもオイル交換時期の管理を推奨しています)。
- 高額な修理・交換費用:DPFが完全に詰まってしまった場合、洗浄や交換が必要になることがありますが、その費用は非常に高額(DPF交換で数十万円かかることも)です。また、インジェクター(燃料噴射装置)の不具合など、他のディーゼル特有のトラブルが発生した場合も、修理費用が高くつくことがあります。

マツダも、DPF再生がより効率的に行われるように技術改良を重ねていますが、それでもチョイ乗りが多いユーザーにとっては、DPF問題は依然として悩みの種となる可能性があります。
「ディーゼルは燃費が良いから経済的」と安易に考えていると、予想外のメンテナンスコストや、DPF再生の煩わしさに直面することになるかもしれません。特に、年間走行距離が短い方や、主に市街地での使用が中心の方は、本当にディーゼルエンジンがご自身の使い方に合っているのか、慎重に検討する必要があります。
「CX-5のディーゼル、最初は良かったんだけど、最近は街乗りばっかりだからか、DPF再生が頻繁に入るようになった。そのたびに燃費も悪くなるし、ちょっとストレス…。オイル交換も早めにしないといけないみたいだし、思ったより維持費かかるかも。」(CX-5ディーゼルオーナーのSNS投稿より)
このDPF問題とそれに伴うメンテナンスの懸念が、「ディーゼルのCX-5はやめとけ」と言われる大きな理由の一つになっているのです。
【理由②】マツダコネクト(マツコネ)の操作性や反応速度への不満(特に初期~中期型)
マツダ車に搭載されている独自のインフォテインメントシステム「マツダコネクト(通称マツコネ)」。
ナビゲーション、オーディオ、ハンズフリー通話、各種車両設定などが統合されたシステムですが、このマツコネの使い勝手や性能に対して、特に初期型から中期型(概ね2012年~2019年頃)のCX-5オーナーから、不満の声が少なからず聞かれました。
具体的には、以下のような点が指摘されることがありました。
- ナビゲーション機能の性能不足:地図データの更新頻度や情報量、ルート案内の精度、リルートの速さなどが、市販の高性能ナビゲーションシステムと比較して見劣りすると感じる人がいました。特に、複雑な都市部での案内や、新しい道路への対応などで不満が出やすかったようです。
- システムの反応速度の遅さ・フリーズ:画面タッチやコマンダーコントロール(センターコンソールにある操作ダイヤル)での操作に対するシステムの反応が鈍かったり、時にはシステムがフリーズしてしまったり、再起動が必要になったりといった不具合が報告されることがありました。
- 操作性のクセ:独特のメニュー構成や操作ロジックに慣れが必要で、直感的に使いにくいと感じる人もいました。
- 画面サイズの小ささ(初期型):初期のモデルでは、ディスプレイ画面が7インチ程度と、現在の基準からするとやや小さく、視認性や操作性で不満を感じる声もありました。
- Apple CarPlay / Android Autoへの対応の遅れ:現在では標準装備またはオプションで対応していますが、初期のモデルでは対応しておらず、後付けするにも費用がかかる場合がありました。
もちろん、マツダもこれらの課題を認識し、マツコネは世代を重ねるごとに改良が加えられ、現行モデル(特にマツダコネクト2と呼ばれる新しい世代)では、処理速度の向上、画面の大型化、UI(ユーザーインターフェース)の改善など、大幅な進化を遂げています。
しかし、中古車でCX-5を購入する場合、どの世代のマツコネが搭載されているのか、そしてその評判はどうなのかを事前に確認しておくことが非常に重要です。
特に、ナビゲーション機能を頻繁に利用する方や、最新のスマホ連携機能を重視する方にとっては、古い世代のマツコネは大きなストレスの原因になる可能性があります。「せっかく良い車なのに、ナビが使いにくくて残念…」とならないように、中古車選びの際には、マツコネのバージョンや実際の操作感を、試乗時などにしっかりとチェックすることをお勧めします。可能であれば、Apple CarPlayやAndroid Autoに対応しているかどうかも確認しておくと良いでしょう。
「中古で買ったCX-5(2015年式)、マツコネのナビが本当に残念。リルート遅いし、時々変な道案内するし…。結局、スマホのナビアプリ使うことの方が多いかな。」(CX-5オーナーのレビューサイト投稿より)
このマツコネに関する過去のネガティブなイメージも、「CX-5はやめとけ」という声の一因となっているのかもしれませんね。
【理由③】後部座席や荷室の広さがライバル車に比べてやや手狭で実用性に不満も
CX-5は、その美しい「魂動デザイン」を実現するために、流麗なルーフラインや絞り込まれたキャビン形状を採用しています。
その結果、室内空間、特に後部座席の居住性や荷室(ラゲッジスペース)の広さという点では、同クラスの他の国産ミドルサイズSUV(例えば、トヨタRAV4、ホンダCR-V、日産エクストレイル、スバルフォレスターなど)と比較すると、やや手狭に感じるという声があります。
- 後部座席のスペース:大人2人が乗る分には十分なスペースが確保されていますが、3人掛けとなると中央席はやや窮屈に感じるかもしれません。また、リクライニング機能が限定的であったり(年式やグレードによる)、足元のスペースや頭上空間が、一部のライバル車に比べて若干タイトだと感じる人もいるようです。特に、チャイルドシートを複数設置する場合や、長身の人が後席に座る機会が多いファミリーにとっては、この点が気になるかもしれません。
- 荷室(ラゲッジスペース)の容量と使い勝手:日常的な買い物や、2~3人程度の旅行の荷物であれば問題なく積める容量はありますが、例えば、大きなベビーカーや、家族4人分のキャンプ用品、複数のゴルフバッグなどを積む際には、工夫が必要になったり、積載量に限界を感じたりすることがあるようです。また、荷室の開口部の形状や、床下の収納スペースの有無なども、ライバル車と比較して見劣りすると感じる意見もあります。
もちろん、これはあくまで「比較すれば」という話であり、CX-5が極端に狭いというわけではありません。多くのユーザーにとっては十分な実用性を備えていると言えるでしょう。
しかし、もしあなたが、SUVに広々とした室内空間や、クラストップレベルの積載能力を最優先で求めるのであれば、CX-5は少し期待外れになる可能性があります。
「デザインは最高だけど、やっぱり家族で使うにはもう少し広い方が良かったかな…」と後悔しないためには、購入前に必ず実車で後部座席の広さや荷室の使い勝手を確認し、ご自身の使い方や家族構成と照らし合わせて、本当に満足できるかどうかを慎重に検討する必要があります。

特に、これまでミニバンやステーションワゴンといった、より実用性の高い車に乗っていた方がCX-5に乗り換える場合には、このスペースの制約をより強く感じるかもしれませんね。デザインの美しさと実用性のバランスをどう考えるかが、CX-5選びの一つのポイントになりそうです。
【理由④】期待していたほどリセールバリューが高くない可能性とモデルチェンジの影響
CX-5は人気車種であり、一般的に中古車市場でも比較的安定した価格で取引されていると言われています。「マツダ車はリセールバリューが良い」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、必ずしも全てのCX-5が、期待していたほど高いリセールバリュー(再販価値)を維持できるとは限らない、という点には注意が必要です。
リセールバリューは、以下のような様々な要因に影響されます。
- 年式と走行距離:当然ながら、新しい年式で走行距離が少ないほど、リセールバリューは高くなります。逆に、年数が経過し、走行距離が増えるほど価値は下がっていきます。
- エンジンタイプ(ガソリンかディーゼルか):一時期はディーゼルエンジン人気でリセールも高い傾向がありましたが、DPF問題への懸念や、ガソリン車の燃費性能向上、そして将来的な電動化への流れなどから、ディーゼル車の人気にも陰りが見え始めているという見方もあります。地域や時期によって、ガソリン車とディーゼル車のどちらが有利かは変動する可能性があります。
- グレードと装備:人気のあるグレード(例えば、上位グレードのL PackageやExclusive Modeなど)や、サンルーフ、BOSEサウンドシステムといった人気のオプションが付いていると、査定額がプラスになることがあります。逆に、不人気なグレードや特殊な装備は評価されにくいことも。
- ボディカラー:定番の人気色(ソウルレッドクリスタルメタリック、マシーングレープレミアムメタリック、スノーフレイクホワイトパールマイカなど)は比較的好まれますが、個性的な色や不人気色は査定額が下がる傾向があります。
- 車両の状態:事故歴や修復歴の有無、内外装の傷や汚れ、機関系の調子などは、査定額に最も大きく影響します。
- モデルチェンジの影響:これが大きなポイントです。自動車業界では、定期的にモデルチェンジが行われ、新型車が登場します。CX-5も、これまでにマイナーチェンジを繰り返し、商品力を向上させてきました。そして、将来的にフルモデルチェンジが行われれば、現行モデルは「旧型」となり、中古車市場での価格は大きく下落する可能性があります。マツダは比較的モデルチェンジのサイクルが早いというイメージを持つ人もいるかもしれません。
- 市場の需要と供給のバランス:その時々の中古車市場全体の状況や、競合車種の動向によっても、買取価格は変動します。
「CX-5は人気だから、数年乗っても高く売れるだろう」と安易に考えていると、実際の査定額が予想よりも低くてがっかりする、ということもあり得ます。
特に、新車で購入した場合、最初の数年間での価値の下落率は比較的大きいのが一般的です(これはCX-5に限りませんが)。
もちろん、他の多くの国産SUVと比較すれば、CX-5のリセールバリューは健闘している方だと言えるでしょう。しかし、「リセールが良いからお得」という言葉を鵜呑みにせず、過度な期待はしない方が無難です。車は基本的に「乗れば乗るほど価値が下がる消耗品」と認識しておいた方が良いでしょう。売却時のことばかりを気にして車を選ぶのも本末転倒ですが、一つの要素として、現実的な見通しを持っておくことが大切です。
「CX-5、ディーゼルだからリセール良いって聞いてたけど、思ったより査定額低かったな…。走行距離もそこそこいってたし、ちょうどマイナーチェンジの噂が出始めた頃だったからかな。」(CX-5売却経験者の声)
将来の売却価格に過度な期待を寄せすぎると、購入時の判断を誤る可能性があるので注意が必要ですね。
【理由⑤】乗り心地がスポーティー故に硬めと感じる人も(特に大径ホイール装着車)
CX-5の魅力の一つとして「人馬一体」と評されるスポーティーな走りを挙げましたが、これは裏を返せば、乗り心地が、人によってはやや硬めに感じられる傾向があるということでもあります。
特に、19インチなどの大径ホイールを装着している上位グレードや、足回りが引き締められたスポーティーなグレードでは、その傾向が顕著になることがあります。
路面の凹凸や段差を通過する際に、ゴツゴツとした突き上げ感を感じたり、細かな振動が伝わってきたりすることがあります。
ワインディングロードをキビキビと走る際には、このしっかりとした足回りが安定感や楽しさにも繋がるのですが、市街地でのストップ&ゴーが多い場面や、路面状況の悪い道を長時間運転する際には、少し疲労を感じやすいかもしれません。
同乗者、特に後部座席に乗る方や、普段乗り心地の柔らかい車に慣れている方にとっては、この硬めの乗り心地はあまり快適とは言えない可能性があります。
「運転している自分は楽しいけれど、家族からは『もっと乗り心地が良い車がいい』と言われてしまった…」というケースも考えられます。
もちろん、乗り心地の感じ方には個人差が大きいですし、CX-5も年次改良によって乗り心地の改善が図られてきています。また、タイヤの種類や空気圧によってもフィーリングは変わってきます。しかし、一般的に、国産の同クラスのSUVの中には、よりソフトで快適な乗り心地を重視したモデルも多いため、そうした車と比較すると、CX-5の乗り味は「引き締まっている」「スポーティー」と感じられることが多いでしょう。
「CX-5の25S L Package、19インチホイールがカッコいいんだけど、やっぱりちょっと乗り心地硬いかな。路面の悪いところだと結構突き上げが気になる。妻は前のミニバンの方が良かったって言ってる…。」(CX-5オーナーのブログより)
もし、あなたが車の乗り心地を非常に重視するタイプで、ゆったりとリラックスできるような快適な移動空間を求めているのであれば、CX-5は少し期待外れになるかもしれません。
購入前には、必ずご自身で試乗をして、特に普段よく走るような道や、少し荒れた路面などを実際に走ってみて、乗り心地が許容範囲かどうかを確認することをお勧めします。可能であれば、異なるホイールサイズのグレードを乗り比べてみるのも良いでしょう。
【理由⑥】細かな内装の質感や収納の少なさで日常的な不満を感じることも
CX-5のインテリアは、デザイン性の高さや、上位グレードにおけるレザーシートなどの上質な素材感で評価されることが多い一方で、細かな部分の質感や、日常的な使い勝手に関わる収納スペースという点では、一部のユーザーから不満の声が聞かれることもあります。
- プラスチックパーツの質感:ダッシュボードやドアトリムなど、目に見える部分にはソフトパッドなどが使われていて質感が高いのですが、センターコンソール周りや、あまり目につかない部分などには、硬質なプラスチックパーツが使われており、その質感がややチープに感じられる、という意見があります。特に、価格帯の高い上位グレードを購入した方にとっては、こうした細部の質感が気になってしまうかもしれません。
- 収納スペースの少なさ・使い勝手:
グローブボックス:車検証などを入れると、あまり多くのものは収納できないと感じる人がいます。
ドアポケット:ドリンクホルダーとしては使えるものの、それ以外の小物を入れるスペースとしてはやや小さい、あるいは形状が使いにくいという声も。
センターコンソールの収納:アームレスト下の収納スペースも、それほど大きくはありません。スマートフォンや財布、キーケースなどを置く場所に困る、という意見も見られます。
カップホルダーの位置や数:運転席から使いやすい位置にあるか、数は十分か、といった点で不満を感じる人もいるようです。
もちろん、全く収納がないわけではありませんし、工夫次第で対応できる部分もあります。 - しかし、以前に乗っていた車が収納豊富なミニバンだったり、あるいは国産の同クラスSUVの中には、より細やかな収納スペースがたくさん用意されているモデルもあるため、そうした車と比較すると、CX-5の収納の少なさや使い勝手の悪さが気になってしまうのかもしれません。
「デザインが良いから、多少の不便は我慢できる」という方もいらっしゃるでしょう。しかし、車は毎日のように使うものですから、こうした細かな使い勝手の悪さが、日々の小さなストレスとして積み重なっていく可能性も否定できません。
「ここにもうちょっと収納があればなあ…」「この部分の質感がもう少し良ければ完璧なのに…」といった不満が、だんだんと愛車への満足度を下げてしまうこともあるのです。
「CX-5の内装、パッと見はカッコいいんだけど、よく見るとプラスチックっぽいところが結構あって、ちょっと残念。あと、スマホとか小物を置く場所に本当に困る。もうちょっと収納考えてほしかったな。」(CX-5購入者のレビューより)
もし、あなたが車内の収納力や、細部までの質感にこだわりたいタイプであれば、購入前に実車でこれらの点をじっくりと確認し、ご自身の使い方や持ち物と照らし合わせて、本当に満足できるかどうかを検討することをお勧めします。
以上が、「CX-5はやめとけ」と言われることがある主な6つの理由です。どれも、CX-5という車の個性や特性、あるいは構造的な問題からくるものであり、購入を検討する上で無視できないポイントばかりですね。
それでもCX-5に乗りたい!後悔しないための賢い選択と注意点
ここまでCX-5の注意点やデメリットについて詳しくお話ししてきましたが、「うーん、やっぱりCX-5は色々と気になる点があるから、やめておこうかな…」と、購入をためらってしまった方もいらっしゃるかもしれませんね。
でも、お待ちください! CX-5がこれほどまでに多くの人々を魅了し、長年にわたり人気を保ち続けているのには、やはりそれを上回るだけの素晴らしい魅力があるからです。
その美しいデザイン、運転する楽しさ、そして所有する喜びは、他の多くのSUVではなかなか味わえないものです。そして、デメリットをしっかりと理解し、ポイントを押さえて賢く選べば、きっと素晴らしいCX-5ライフを送ることができるはずです。
大切なのは、CX-5の「良いところ」と「少し残念なところ」の両方を正しく認識し、ご自身の価値観やカーライフ、そして予算と照らし合わせて、本当に自分に合っているのかを冷静に見極めることです。
ここでは、それでもCX-5に乗りたい!という情熱をお持ちの皆さんのために、後悔しないための賢い選択方法と、購入時の注意点をいくつかご紹介しますね。
【ポイント①】自分のカーライフの目的と、CX-5に本当に求める価値を明確にする
まず何よりも大切なのは、「なぜ自分はCX-5に乗りたいのか?」「CX-5の何に一番魅力を感じているのか?」そして「自分のカーライフにおいて、この車に何を一番求めるのか?」を自問自答し、明確にすることです。
- デザインの美しさが最優先?:他のどんな点が多少気になっても、あの「魂動デザイン」のフォルムやソウルレッドの輝きのためなら許せる!というくらい惚れ込んでいるのか。
- 運転する楽しさが重要?:毎日の通勤や週末のドライブで、SUVでありながらもスポーティーで気持ちの良い走り(人馬一体感)を味わいたいのか。
- ディーゼルエンジンの経済性とトルクフルな走り?:長距離移動が多く、燃料費を抑えつつも力強い加速感を楽しみたいのか。(ただし、DPF問題のリスクも考慮に入れる必要があります)
- 実用性(広さ、積載性)はどの程度必要?:主に一人や二人で乗ることが多いのか、それとも家族みんなで頻繁に出かけたり、大きな荷物を積んだりする必要があるのか。
- 最新の安全装備や快適装備は必須?:どの程度の安全性能や快適性を求めるのか。
- 予算はどのくらい?:車両本体価格だけでなく、購入後の維持費(保険料、税金、燃料代、メンテナンス費用、将来的な修理費用など)まで含めて、どの程度の予算を考えているのか。
これらの点を自分の中で整理することで、どのエンジンタイプ(ガソリンかディーゼルか)、どのグレード、そして新車か中古車か、といった具体的な選択肢が見えてきます。
例えば、「とにかくデザインが好きで、主に街乗り中心、たまに長距離も走る。実用性もそこそこ欲しい」という方なら、ガソリンモデルの中間グレードあたりがバランスが良いかもしれません。しかし、「毎日の通勤距離が短く、週末もあまり遠出しない。
でもディーゼルの力強さは魅力…」という方なら、DPF問題のリスクを考えると、本当にディーゼルが最適なのか再考する必要があるでしょう。自分の使い方とCX-5の特性を照らし合わせることが、後悔しないための第一歩です。
【ポイント②】ディーゼルかガソリンか、ご自身の使い方に合ったエンジンタイプを慎重に選ぶ
CX-5を選ぶ上で、ディーゼルエンジン(SKYACTIV-D)にするか、ガソリンエンジン(SKYACTIV-G)にするか、というのは非常に大きな選択ポイントになります。
それぞれにメリットとデメリットがあるので、ご自身の年間走行距離や主な使用状況(市街地中心か、高速道路中心かなど)をよく考慮して、慎重に選びましょう。
ディーゼルエンジン(SKYACTIV-D)のメリット・デメリット
- メリット:
- 低回転からトルクフルで力強い加速が得られる。
- 高速道路などでの巡航燃費が良い傾向がある。
- 軽油はガソリンよりも単価が安い。
- デメリット:
- DPF再生の問題があり、チョイ乗りが多いとススが溜まりやすく、再生頻度が増えたり、詰まったりするリスクがある。
- エンジンオイル交換の頻度が高くなりがちで、オイル自体もディーゼル用で高価な場合がある。
- エンジン音がガソリン車に比べてやや大きく、振動も感じやすい場合がある。
- 車両価格がガソリン車に比べて高めになることが多い。
- 将来的なDPF交換やインジェクター修理などの際には、高額な費用がかかる可能性がある。
ガソリンエンジン(SKYACTIV-G)のメリット・デメリット
- メリット:
- エンジン音が比較的静かで、振動も少ない。スムーズな回転フィール。
- ディーゼルエンジンのようなDPF関連の心配がないため、チョイ乗り中心でも比較的安心。
- 車両価格がディーゼル車に比べて安価な場合が多い。
- メンテナンスコストもディーゼル車に比べて抑えられる傾向がある。
- デメリット:
- ディーゼル車ほどの力強いトルク感は得にくい(特にNAモデルの場合)。
- 燃費性能(特に実燃費)は、ディーゼル車に比べて劣る場合が多い。
一般的に、年間走行距離が1万km以下の方や、主に市街地での短距離移動が多い方は、ガソリンエンジンの方がトラブルリスクも少なく、トータルコストでも有利になる可能性があります。逆に、年間走行距離が多く、高速道路を頻繁に利用するような方にとっては、ディーゼルエンジンのメリットを享受しやすいでしょう。ご自身のカーライフをよく見極めて、最適なエンジンタイプを選んでくださいね。
【ポイント③】中古車の場合は年式と走行距離、整備記録(特にディーゼル車)を徹底的にチェックする
もし中古のCX-5を検討するのであれば、車両の状態を慎重に見極めることが何よりも重要です。特に、以下の点に注意して、できるだけ状態の良い個体を選びましょう。
- 年式と走行距離:基本的には、年式が新しく、走行距離が少ないほど、故障のリスクは低減されます。ただし、極端に走行距離が少ないディーゼル車は、かえってDPFにススが溜まっている可能性もあるので注意が必要です。
- 整備記録簿(メンテナンスノート)の確認:いつ、どこで、どんな整備や部品交換が行われてきたのか、その履歴を必ず確認しましょう。特にディーゼル車の場合は、オイル交換の頻度や、DPF関連のメンテナンス履歴(洗浄や交換など)があれば、必ずチェックします。定期的な点検がきちんと行われている車両は、信頼性が高いと言えます。
- リコール・サービスキャンペーンへの対応状況:CX-5も、過去にいくつかのリコールやサービスキャンペーンが実施されています(例えば、初期型ディーゼルのエンジン関連など)。購入しようとしている車両が、それらの対象であった場合、きちんと対策作業が実施されているかを整備記録簿や車台番号検索などで確認しましょう。マツダの公式サイトで車台番号を入力すれば、リコール情報を確認できます(リコール・サービスキャンペーン等情報 – マツダ公式サイト)。
- 修復歴の有無:必ず確認し、もし修復歴がある場合は、どの部分をどのように修復したのか、その内容を詳しく説明してもらいましょう。軽微なものであっても、走行に影響がないか慎重に判断が必要です。
- マツダコネクトの世代と状態:搭載されているマツコネがどの世代のものか、そして実際の動作(反応速度、ナビ性能など)に問題がないかを確認します。可能であれば、Apple CarPlay/Android Autoに対応しているかどうかもチェックしましょう。
- 内外装の状態:シートのへたりや汚れ、内装パネルの傷、ボディの傷や凹みなどを細かくチェックします。特に、喫煙車やペット同乗歴のある車は、臭いが残っている場合があるので注意が必要です。
中古車選びは、まさに「一期一会」ですが、焦って飛びつかずに、複数の車両を比較検討し、納得のいくまで情報を集めることが大切です。信頼できる販売店を選び、疑問点は全て解消してから契約するようにしましょう。
【ポイント④】試乗は必須!乗り心地、後席・荷室の広さ、マツコネの操作性、そしてエンジンフィールを五感で確認
CX-5の購入を具体的に考え始めたら、新車であれ中古車であれ、必ず試乗をしましょう。カタログやインターネットの情報だけでは分からない、実際の乗り心地やハンドリング、加速感、エンジンの音や振動、室内の広さ、マツコネの操作性などを、ご自身の五感で確かめることが非常に大切です。
できれば、以下のような点に注意して試乗すると良いでしょう。
- エンジンタイプの違いを体感する:もし可能であれば、ガソリン車とディーゼル車の両方に試乗し、それぞれのエンジンフィール(加速感、音、振動など)の違いを体感してみましょう。ご自身の好みや使い方に合うのはどちらか、より明確になるはずです。
- 乗り心地の確認:特に、19インチホイールを装着したグレードを検討している場合は、その乗り心地が許容範囲かどうかを、普段よく走るような道や、少し荒れた路面などで確認しましょう。同乗者がいる場合は、後部座席の乗り心地も感想を聞いてみましょう。
- 後部座席と荷室の広さの確認:実際に後部座席に座ってみて、足元や頭上のスペースに窮屈さを感じないか、チャイルドシートを設置した場合の広さはどうかなどを確認します。荷室も、実際に積む可能性のあるもの(ベビーカー、ゴルフバッグ、スーツケースなど)をイメージしながら、その広さや使い勝手を確かめましょう。
- マツダコネクトの操作性の確認:ナビゲーションの目的地設定やルート案内、オーディオ操作、各種設定変更など、実際に操作してみて、その反応速度や使い勝手が自分に合っているかを確認します。スマートフォンとの連携(Apple CarPlay/Android Auto)も試せると良いですね。
- 運転席周りの視界や操作系の確認:運転席からの前方・側方・後方の視界が十分に確保できるか、メーターは見やすいか、スイッチ類の配置や操作感は自然かなどを確認します。
試乗の際には、遠慮せずにディーラーの担当者や販売店のスタッフに色々と質問したり、気になる点を伝えたりすることが大切です。
短い試乗時間では全てを把握するのは難しいかもしれませんが、それでも「自分にこの車は合うだろうか?」という大きな判断材料になるはずです。「こんなはずじゃなかった」という購入後のミスマッチを防ぐために、試乗は絶対に欠かせないステップだと考えてくださいね。
【ポイント⑤】購入後の維持費(特にディーゼル車のメンテナンス費用や任意保険料)を具体的に把握しておく
CX-5を購入する際には、車両本体価格だけでなく、購入後に継続的にかかってくる維持費についても、事前にしっかりと把握し、ご自身の予算内で無理なく支払い続けられるのかを具体的にシミュレーションしておくことが非常に重要です。
特に、以下の費用は、一般的な国産車と比較して注意が必要な場合があります。
- ディーゼルエンジン搭載車のメンテナンス費用:
- エンジンオイル交換:ガソリン車よりも交換頻度が高く、指定オイルも高価な場合があります。オイルフィルター交換も忘れずに。
- DPF関連費用:定期的なDPF洗浄が必要になる場合があり、その費用(数万円程度)も考慮に入れておきましょう。万が一DPFが詰まって交換となると、数十万円の高額な費用がかかります。
- インジェクター関連費用:ディーゼルエンジンの燃料噴射装置であるインジェクターも、経年劣化や不具合で交換が必要になると、高額な費用(1本数万円×気筒数)がかかることがあります。
- AdBlue®(アドブルー:尿素水)の補充(一部の新しいディーゼルモデル):最近のクリーンディーゼル車の中には、排気ガスを浄化するためにAdBlue®の補充が必要なモデルがあります。これも定期的なコストとなります。
- 任意保険料:CX-5は、その人気や車両価格から、車両料率クラスがやや高めに設定されている可能性があります。特に、若い世代の方や、等級が低い方、車両保険を付ける場合は、年間の負担額が予想以上に大きくなることがあります。必ず複数の保険会社から見積もりを取り寄せ、比較検討しましょう。
- 税金(自動車税、自動車重量税):排気量や車両重量に応じて課税されます。エコカー減税の対象となるかどうかは、年式やグレードによって異なります。
- 燃料代:ディーゼル車は軽油なので単価は安いですが、DPF再生中は燃費が悪化します。ガソリン車はレギュラーガソリン仕様ですが、燃費性能は最新のハイブリッド車などには及びません。ご自身の年間走行距離と、選択するエンジンタイプの実燃費から試算してみましょう。
- タイヤ代:特に19インチなどの大径タイヤは、交換時の費用が高くなりがちです。
これらの維持費をリストアップし、月々、あるいは年間にどれくらいの費用がかかるのかを計算してみましょう。そして、その金額が、ご自身の収入や貯蓄状況から見て、本当に無理なく支払い続けられるのかを冷静に判断してください。
「憧れのCX-5を買ったはいいけど、維持費が高くて手放すことになった…」という悲しい結末は、絶対に避けたいですよね。
これらのポイントを押さえて、慎重に情報収集と比較検討を行い、そして何よりも「自分はこの車とどう付き合っていきたいのか」という明確なビジョンを持てば、CX-5を選んだとしても、きっと後悔することなく、その魅力を存分に味わい、素晴らしいカーライフを送ることができるはずです。
大切なのは、メリットだけに目を向けるのではなく、デメリットやリスクもしっかりと理解し、全てを納得した上で決断することなんですね。
CX-5購入で後悔しないための「やめとけ」理由総括
さて、ここまでマツダCX-5について、「やめとけ」と言われてしまう理由や、それでもCX-5に乗りたい場合に後悔しないための賢い選択と注意点など、詳しくお話ししてきました。最後に、今回の内容をまとめて、皆さんがこの人気の高いSUVを選ぶ上で、本当に心に留めておくべきことは何なのか、おさらいをしておきましょう。
今回の記事でお伝えしてきた、「CX-5はやめとけ」と一部で言われることがある主な理由は、以下の6点でしたね。
- 理由①:ディーゼルエンジン特有のDPF問題とメンテナンスコストへの懸念
チョイ乗りが多いとDPF再生頻発や詰まりのリスクがあり、オイル交換頻度や高額修理の可能性も考慮が必要です。 - 理由②:マツダコネクト(マツコネ)の操作性や反応速度への不満(特に初期~中期型)
ナビ性能やシステムの安定性に不満の声があり、中古車では搭載世代の確認が不可欠です。 - 理由③:後部座席や荷室の広さがライバル車に比べてやや手狭で実用性に不満も
美しいデザインと引き換えに、室内空間や積載性はクラストップレベルとは言えません。 - 理由④:期待していたほどリセールバリューが高くない可能性とモデルチェンジの影響
人気車種ですが、過度な期待は禁物。エンジンの種類や状態、市場動向に左右されます。 - 理由⑤:乗り心地がスポーティー故に硬めと感じる人も(特に大径ホイール装着車)
「人馬一体」の走りの良さの反面、路面の凹凸を拾いやすく、快適性重視の方には不向きな場合があります。 - 理由⑥:細かな内装の質感や収納の少なさで日常的な不満を感じることも
デザイン性は高いものの、一部のプラスチック感や収納の使い勝手には改善の余地を感じる声があります。
これらの理由だけを並べて見てしまうと、「やっぱりCX-5は、購入を慎重に考えた方が良さそうだな…」と、改めて感じていただけたのではないでしょうか。そして、それは決して大げさなことではないのです。
どんな車にも、必ず長所と短所、そして得意なことと不得意なことがあります。
CX-5の場合、他にはない魂動デザインの美しさ、運転する楽しさを追求した走行性能、そして上質な内外装といった、多くの人々を惹きつける強烈な魅力(光の部分)がある一方で、上記のような、特にディーゼル車のメンテナンス性や、実用性、そして過去モデルのインフォテインメントシステムといった、購入前に理解しておくべき現実的な側面(影の部分)も確かに存在する、ということなんです。
CX-5を購入して後悔しないために最も重要なのは、インターネット上の評判や広告の美辞麗句、あるいは「やめとけ」という誰かの一方的な意見にただ流されるのではなく、
- まず、ご自身がCX-5に何を求めているのか、その「憧れの理由」と「カーライフにおける具体的なニーズ」を明確にすること。そして、ご自身のライフスタイル(家族構成、年間走行距離、主な使用用途など)や経済状況と照らし合わせて、本当にCX-5がそのニーズを満たせるのかを冷静に考えること。
- 次に、CX-5という車の歴史や特性、グレード構成、そしてメリットとデメリットの両面を、信頼できる情報源(公式サイト、自動車専門誌のレビュー、複数のオーナーの声、整備工場の意見など)から時間をかけて多角的に、そして真摯に学ぶこと。
- そして、候補となるモデル(新車か中古車か、ガソリンかディーゼルか、グレード、年式など)の具体的な情報を集め、必ず試乗をして、ご自身の五感で「この車と長く付き合っていけるか」を確かめること。特に、乗り心地、室内の広さ、マツコネの操作性、そしてエンジンのフィーリングは念入りに確認すること。
- 最後に、もし購入すると決めたならば、その車の「個性」とも言えるデメリットやリスクを許容する覚悟を持ち、信頼できる販売店を選び、購入後のメンテナンス計画や万が一の際の備えまで含めて、全てを納得した上で契約に臨むという強い意志を持つこと。
これらのステップを一つひとつ丁寧に、そして誠実に行うことが、後で「こんなはずじゃなかった…」と後悔することを避け、ご自身にとって本当に満足のいく、そして長く愛せるCX-5との出会いを実現するための、何よりの道しるべになるのだと、私は思います。
CX-5は、適切な知識と慎重な選び方、そして愛情を持ったメンテナンスを心がければ、きっとあなたのカーライフを豊かで、そして運転する喜びに満ちたものにしてくれる、素晴らしいSUVです。
「やめとけ」という言葉は、時に私たちを臆病にさせ、一歩踏み出す勇気を奪ってしまうことがあります。しかし、その言葉の裏にある「なぜ?」を深く掘り下げ、そのリスクや課題を理解した上で、「それでも自分はこのCX-5という車と共に、素晴らしい時間を過ごしたい」と心から願うのであれば、その声はもはや障害ではなく、むしろより賢明に、より安全に夢を叶えるための貴重なアドバイスへと変わるのではないでしょうか。
この記事が、皆さんのマツダCX-5という魅力的なSUVに対する理解を少しでも深め、そして何よりも、皆さんお一人おひとりが、ご自身の価値観に合った後悔のない車選びをするための一助となれたなら、これほど嬉しいことはありません。
皆さんのカーライフが、CX-5と共に、より一層輝かしいものとなることを、心から応援しています!