教習指導員はやめとけ?憧れだけで後悔する過酷な現実と避けるべき5つの理由

やめとけ

「教習指導員」というお仕事に、あなたも一度は憧れたことがあるのではないでしょうか?運転を教え、人の成長を間近で見守る、なんて素敵なお仕事なんだろう、そう思われますよね。でも、インターネットで調べてみると、「やめとけ」「きつい」「後悔する」といった、少し気になる言葉が目に飛び込んでくることがあります。一体、どういうことなのでしょうか?

実は、教習指導員は、そのやりがいの一方で、厳しい現実も持ち合わせているお仕事なんです。この記事では、なぜ「教習指導員はやめとけ」と言われてしまうのか、その具体的な理由を5つ、丁寧にお話ししていきますね。

そして、もしあなたがそれでもこの素晴らしいお仕事を目指したいと強く願うなら、後悔しないための大切な心構えもお伝えしたいと思います。

この記事でお伝えしたいこと
・教習指導員の基本的なお仕事内容と、資格取得の道のり
・「やめとけ」と言われる具体的な5つの理由と、その背景
・教習指導員のやりがいと、ミスマッチを防ぐための適性判断
・後悔しない働き方を見つけるための教習所選びのポイント


教習指導員というお仕事の基本概要をしっかり理解しましょう

まずは、教習指導員というお仕事がどのようなもので、どうすればその夢を叶えられるのか、基本的なことから一緒に見ていきましょう。この基礎知識は、この先の厳しい現実を理解するための大切な土台となりますからね。

教習指導員になるまでの道のり:国家資格と見習い期間

教習指導員になるには、ただ運転が上手なだけではだめなんです。実は、「指定自動車教習所指導員」という国家資格が必要なんですよ。なんだか、専門職という響きで、身が引き締まる思いがしますね。

この資格は、各都道府県の公安委員会が行う審査に合格することで取得できます。主な受験資格と審査内容は次の通りです。

  • 21歳以上であること
  • 指導したい種類の運転免許を3年以上持っていること(例えば、普通車の指導員なら普通免許)
  • 過去に交通違反や犯罪歴がなく、指導員としてふさわしい人物であること

審査は、運転に関する知識を問う筆記試験、実際に車を運転する技能試験、そして面接など、非常に多岐にわたります。合格率は決して高くありませんから、かなりの努力が必要になります。

多くの教習所では、まず一般社員として入社し、働きながらこの指導員資格の取得を目指す形になります。この「見習い期間」中は、送迎バスの運転や事務作業などが主な業務となり、給与も指導員資格取得後より低めに設定されていることが一般的です。資格取得までの期間も、半年から1年以上かかることがありますので、長期的な視点と覚悟が必要なんです。

教習指導員の主な仕事内容:多岐にわたる役割

無事に国家資格を取得し、教習指導員としての一歩を踏み出すと、様々なお仕事があなたを待っています。主な業務は、大きく分けて二つあります。

  1. 技能教習
    教習車に乗り込み、教習生の隣で実際に運転操作を指導します。アクセルやブレーキの踏み方、ハンドルの回し方といった基本から、S字・クランク、縦列駐車などの特殊な操作、そして路上での安全確認や交通の流れを読むことまで、運転に必要な技術と知識のすべてを教えます。教習生は運転に慣れていないため、常に緊張感を持ち、危険を予測しながら指導にあたる必要があります。
  2. 学科教習
    教室で、交通ルールや標識の意味、安全運転に必要な心構えなどを講義します。ただ一方的に話すのではなく、教習生が理解しやすいように、身近な例を挙げたり、クイズ形式にしたりと、飽きさせない工夫が求められます。時には、世の中の交通情勢について語り、安全意識を高めるような、啓発的な役割も担うんですよ。

この他にも、卒業後の安全運転講習や、高齢者講習、ペーパードライバー講習、企業向けの安全運転研修など、多岐にわたる業務があります。受付業務や、車両の清掃、時には教習生の送迎バスの運転など、雑務をこなすこともあります。教習指導員は、単に運転技術を教えるだけでなく、教育者であり、時には相談相手でもある、本当に幅広い役割を担っているんです。


教習指導員を「やめとけ」と勧める5つの深刻な理由

さて、ここからが、多くの方が「やめとけ」と感じる具体的な理由についてです。教習指導員というお仕事の、少し厳しい現実を詳しく見ていきましょう。

【理由①】責任の重圧と見合わない低い給与水準に後悔する

教習指導員は、教習生の命を預かる、非常に大きな責任を伴うお仕事です。一瞬の判断ミスが、重大な事故につながる可能性を常に含んでいます。そんな責任の重さに見合ったお給料がもらえるかというと、残念ながらそうとは言えないのが現状なんです。

求人情報サイト「求人ボックス」のデータ(2024年6月時点)によると、教習所指導員の平均年収は約379万円とされています。国税庁が発表している日本の給与所得者全体の平均年収(令和4年分)は約458万円ですから、これと比較すると低い水準にあることが分かります。

もちろん、これはあくまで平均値で、経験を積んだり、検定員(卒業検定を担当できる資格)の資格を取得したりすれば、お給料は上がります。ですが、昇給のペースがゆっくりで、大幅な収入アップには時間がかかる傾向があるようです。

最初は見習い期間があり、その間はかなり給料が安かったです。指導員になっても、責任の割には給料がなかなか上がらず、生活が厳しいと感じることも少なくありませんでした。

このように、実際の現場で働く方々からも、給与面での不満の声が聞かれることがあります。生活設計を立てる上で、この給与水準が自分にとって適切かどうか、よく考える必要がありますね。

【理由②】心身を削る不規則な勤務時間と長時間労働

次に、教習指導員の働き方についてです。教習所が一番忙しくなるのは、どんな時間帯だと思いますか?

そう、学生さんが学校を終えた夕方以降や、社会人の方がお休みの土日祝日、そして春休みや夏休みといった長期休暇の時期なんです。

つまり、世間がお休みの時こそ、教習指導員が忙しくなる時期ということになります。そのため、勤務体系はシフト制が基本となり、早朝から夜遅くまで働くことや、土日祝日の出勤は避けられないことが多いです。友人や家族と休みを合わせにくいと感じる方も少なくありません。

繁忙期には、朝から晩まで教習がぎっしり詰まっていて、休憩時間も短くなりがちです。ある指導員さんの声では、こんな状況もあるようです。

  • 「一日中車に乗りっぱなしで、腰や肩が痛くなります。座りっぱなしなので運動不足も気になりますね。」
  • 「予約が急にキャンセルになると、ぽっかり時間が空きますが、次の教習があるから帰れない。中途半端な時間がもったいないと感じることもあります。」
  • 「シフトがなかなか確定せず、プライベートの予定が立てづらいのが悩みです。」

このように、不規則で長時間の労働は、知らず知らずのうちに心と身体に大きな負担をかけてしまいます。決まったリズムで生活したい方や、プライベートの時間を重視したい方にとっては、かなり厳しい環境だと感じるかもしれません。

【理由③】常に神経をすり減らす!終わりのない精神的ストレス

教習指導員のお仕事は、精神的なストレスも非常に大きいことが「やめとけ」と言われる大きな理由の一つです。

まず、技能教習中は、常に事故のリスクと隣り合わせです。運転に不慣れな教習生は、予測不能な操作をすることがありますし、他の車両や歩行者への注意も欠かせません。助手席に座っていても、常に全身で危険を察知し、いざという時には補助ブレーキを踏む準備をしておく必要があります。1時間の教習が終わるたびに、ぐったりと疲れてしまうという方も多いようです。

さらに、ストレスの原因は事故の危険だけではありません。相手は「お客様」である教習生です。様々な性格の方がいますから、時には理不尽なクレームを受けたり、心ない言葉を投げかけられたりすることもあります。

例えば、こんな経験をする指導員さんもいるそうです。

  • 教習生から「あなたの教え方が悪いから、私は運転が上達しない」と個人的に非難される。
  • 何度注意しても、運転操作を改善しようとしない教習生に根気強く向き合う。
  • 「遅刻は当たり前」「無断キャンセルを繰り返す」といったマナーの悪い教習生への対応。
  • 稀にですが、セクハラやパワハラまがいの言動を受けてしまうケースも耳にします。

もちろん、ほとんどの教習生は真面目に、そして感謝の気持ちを持って教習を受けてくださいます。しかし、ごく一部の心ない言動によって、精神的に追い詰められてしまう指導員の方がいるのも悲しい現実なんです。常に冷静で、忍耐強く、どんな状況でもプロフェッショナルに対応し続けることは、想像以上にエネルギーを消耗するお仕事なんですよね。

【理由④】閉鎖的な職場環境と人間関係の難しさ

教習所の職場環境は、一般的な会社とは少し異なる側面があるかもしれません。多くの教習所では、長年同じメンバーで働いていることが多く、良くも悪くも人間関係が固定化されがちです。

そのため、一度人間関係がこじれてしまうと、毎日顔を合わせるのが苦痛になってしまう可能性があります。特に、昔ながらの体育会系の気質が残っている教習所では、新人の方はその独特の雰囲気に馴染むのに苦労することもあるようです。

教習所によっては、ベテランの指導員の発言力が非常に強く、新しい意見や改善提案が通りにくいことがあります。風通しが良いとは言えない職場も少なくありません。

また、指導員同士が教習生からの指名数を競い合うような、ライバル関係になることもあります。教習生からの指名が多い指導員は評価される一方で、指名が少ないとプレッシャーを感じるなど、それが職場の人間関係に微妙な影を落とすケースも考えられます。

閉鎖的な環境の中で、一度築かれた上下関係やルールを変えるのは非常に難しいです。もしあなたが、オープンで風通しの良い、チームワークを重視する職場を望むのであれば、教習所のそういった側面は、大きなストレスの原因になってしまうかもしれません。

【理由⑤】少子化と技術革新がもたらす将来性への不安

最後の理由は、教習指導員というお仕事の「将来性」に関わる問題です。ご存知の通り、日本は今、少子高齢化が急速に進んでいますよね。

教習所の主要な顧客層である18歳人口は、年々減少傾向にあります。これは、将来的に運転免許を取得する若者の数が減っていくことを意味します。つまり、教習所業界全体の市場が縮小していく可能性がある、ということなんです。

さらに、もう一つ、無視できない大きな波が押し寄せています。それは、「自動運転技術」の進化です。

まだ先の話かもしれませんが、もし自動車が完全に自動で運転される時代が来たら、私たちが今考えている「運転免許」や「運転教習」そのもののあり方が、大きく変わる可能性もゼロではありません。「いつか、自分の仕事はAIや技術革新によって不要になってしまうのではないか…」そんな漠然とした不安を感じている指導員の方も、実は少なくないのが現実なんです。

もちろん、すぐにこの仕事がなくなるわけではありません。高齢者講習や、ペーパードライバー向けの講習など、新たなニーズは生まれています。ですが、「10年後、20年後も今と同じように働けるだろうか?」という将来への不安は、この仕事を選ぶ上でしっかりと向き合うべき大切なポイントだと言えるでしょう。


それでも教習指導員を目指すあなたへ|後悔しないための心構え

ここまで、教習指導員というお仕事の、少し厳しい現実についてお話ししてきました。もしかしたら、あなたの心は少し揺らいでしまったかもしれませんね。

でも、もちろん教習指導員は大変なことばかりではありません。教習生が少しずつ運転に慣れ、上達していく姿を間近で見守れる喜び、そして「先生のおかげで免許が取れました!本当にありがとうございます!」と感謝される瞬間の達成感は、何にも代えがたい大きなやりがいとなります。これは、このお仕事ならではの、本当に素晴らしいところですよね。

もし、これまでの話を聞いても「それでも、私は教習指導員になりたい!」という強い気持ちが少しも揺らいでいないのなら、ぜひその情熱を大切にしてほしいと思います。その上で、あなたがこの道に進んで後悔しないために、いくつか心に留めておいてほしいことがあるんです。

自分の適性を冷静に見極めるポイント

まず一番大切なのは、ご自身の性格や価値観が、教習指導員というお仕事に本当に合っているのか、もう一度じっくりと考えてみることです。憧れだけでなく、客観的に自分を見つめ直すことが、ミスマッチを防ぐ何よりの近道ですよ。

・人に何かを教えること、人の成長をサポートすることに心から喜びを感じられますか?
・初対面の人とでも、根気強く、丁寧なコミュニケーションを取ることができますか?
・予期せぬ危険が迫っても、冷静に状況を判断し、適切な対応ができる自信はありますか?
・不規則な勤務体系や、土日祝日に働くことが多くても、受け入れられますか?
・給与水準がそこまで高くなくても、仕事のやりがいをモチベーションにできますか?

これらの質問に、一つでも「うーん…」と考えてしまう部分があるなら、もう少し深く自己分析をしてみる時間を持つことをお勧めします。決して無理をする必要はありませんから、ご自身の気持ちと正直に向き合ってみてくださいね。

失敗しないための教習所選びのコツ

実は、「教習所」と一言で言っても、その労働環境や職場の雰囲気は、驚くほど違いがあるんです。もしあなたが教習指導員を目指すのであれば、できるだけ長く、そして気持ちよく働ける、いわゆる「ホワイト」な職場を見つけることが、何よりも重要になります。

求人情報を見るときには、単にお給料や休日数だけでなく、次のような点にも注目してみてください。

  • 残業時間の実績: 「みなし残業代」が含まれていないか、月平均の残業時間はどのくらいか、具体的に確認しましょう。
  • 年間休日数: 110日以上、できれば120日以上あると、プライベートとの両立がしやすくなります。
  • 資格取得支援制度: 資格取得中の給与保証や、試験費用などの補助が手厚いかどうかは、見習い期間を乗り越える上で大切なポイントです。
  • 口コミサイトの活用: 実際にその教習所で働いていた人のリアルな声は、とても参考になります。OpenWorkや転職会議といったサイトで、良い面も悪い面もバランスよくチェックしてみるのがおすすめです。
  • 職場の雰囲気: 可能であれば、一度その教習所に見学に行ったり、短期の講習を受けてみたりして、指導員の方々の表情や、受付の方の対応、教習所の清潔感など、肌で感じる情報も大切にしてください。

資格取得後のキャリアプランを具体的に描く

最後に、教習指導員になることだけをゴールにするのではなく、その先のキャリアプランを考えておくことも、後悔しないために非常に大切です。

例えば、指導員資格だけでなく、技能検定員(卒業検定などを担当できる資格)や、特定の車種(二輪車、大型車など)の指導員資格を取得することで、お仕事の幅が広がり、キャリアアップや収入アップに繋がります。

また、教習指導員として培った経験は、他の分野でも活かせることがたくさんあります。例えば、企業の安全運転管理者になったり、交通安全コンサルタントとして独立したり、はたまた全く別の教育分野に進むなど、様々な道が考えられるかもしれません。

「将来どんな自分になっていたいか」を具体的にイメージすることで、目の前の困難にも目的意識を持って立ち向かえるようになるはずですよ。ぜひ、未来の自分を想像してみてくださいね。


教習指導員を目指すのが「やめとけ」と言われる理由の総括

今回は、「教習指導員はやめとけ」と言われる理由について、詳しくお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか。このお仕事が持つやりがいと、同時に抱える厳しい現実の両面を見ていただけたかと思います。

教習指導員が「後悔する」「勧めない」と言われる主な5つの理由

  1. 低い給与水準: 命を預かる責任の重さに見合わないと感じる方が多い傾向です。
  2. 不規則な勤務: 世間がお休みの土日祝や長期休暇が繁忙期で、生活リズムが乱れやすいです。
  3. 精神的ストレス: 事故のリスクや、様々な教習生との人間関係による精神的な負担が大きいですね。
  4. 閉鎖的な職場: 長年同じメンバーで働くことで、人間関係が固定化され、風通しが悪いと感じることもあります。
  5. 将来性の不安: 少子化や自動運転技術の進化により、業界全体の需要に変化が生じる可能性があります。

これらの理由は、教習指導員というお仕事を目指す上で、決して目を背けてはいけない、とても大切なポイントです。もし、安易な気持ちや憧れだけでこの世界に飛び込んでしまうと、「こんなはずじゃなかった」と後悔してしまうことになりかねません。

しかし、もしあなたが、これらの厳しい現実をしっかりと理解した上で、「それでも、安全なドライバーを育てるという使命に全力を尽くしたい!」という強い情熱を抱いているのなら、その挑戦は本当に素晴らしいことだと思います。

大切なのは、情報をたくさん集めて、ご自身の適性と真剣に向き合い、そして、長く安心して働ける「ホワイト」な職場を慎重に選ぶことです。この記事が、あなたの後悔しないキャリア選択の、ささやかながらも確かな一助となれたら、私もとても嬉しいです。

UTA

会社員。営業職で着実に成果を上げ、年収は本業と副業合わせて1,X00万円。副業は投資とライティング。妻と娘と3人暮らし。休日は家族サービスと自己研鑽に励む。趣味は映画鑑賞。

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